感想:NHK朝ドラ「らんまん」第11週:ユウガオ*ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]
NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「らんまん」の感想です。
今回は以下の放送について記します。
第11週:ユウガオ
以下の記述にはネタバレを含みます。
【感想:NHK朝ドラ「らんまん」】
第1週:バイカオウレン
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-04-07
第2週:キンセイラン
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-04-14-1
第3週:ジョウロウホトトギス
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-04-21
第4週:ササユリ
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-04-28
第5週:キツネノカミソリ
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-05-05
第6週:ドクダミ
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-05-12
第7週:ボタン
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-05-20
第8週:シロツメクサ
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-05-29
第9週:ヒルムシロ
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-06-02
第10週:ノアザミ
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-06-09-2
「らんまん」第11週のあらすじはこちら。
https://www.nhk.jp/p/ranman/ts/G5PRV72JMR/
万太郎(神木隆之介)が印刷所で修業を始めて1か月が過ぎた。石版印刷の技術にも磨きがかかり、雑誌創刊に向けて着々と準備を進めていた。
そんなある日、竹雄(志尊淳)が働くレストランに、寿恵子(浜辺美波)と高藤(伊礼彼方)がやってくる。衝撃的な会話を聞いてしまった竹雄は、急いで万太郎に伝えにいく。しかし、万太郎は一人前の植物学者として寿恵子を迎えに行くと言ってきかず、今は、雑誌創刊を優先するという気持ちを曲げないのだった。寿恵子もまた、ある決意を胸に舞踏会の発足式へと挑む。
万太郎が植物学の学会誌を刷り上げました!
そうなって当然とはいえ、
ここのところ万太郎の努力を目の当たりにしていたので、
私もちょっと感慨深かったです。
印刷所の人々との交流も、先週に引き続き本当に良かった!
万太郎の頼みを聞いて
大畑夫妻がうきうきとしながら紋付き袴を用意するシーンは、
万太郎と彼ら印刷所の人々の絆の強さを
再認識させられましたし、
その後に義平さんが朝一で白梅堂に駆け込んだシーンでは
まるで家族のようだなとも思いました。
皆、当初は万太郎に面食らったり呆れたりするものの、
彼のひたむきさに感服すると考えを改め、
自然に彼を認めていくのが良いですね。
これは朝ドラ定番の流れとはいえ、
「らんまん」では無理が無いので、
私も素直に喜べています。
この週の放送で特に好きだったのは、
大畑夫妻の一人娘・佳代さんです。
それまでの荒っぽい発言のせいで
なんだかなと思う部分もありましたが、
彼女が万太郎を意識し始めてからは
急に面白い存在になっていました。
万太郎から結婚の申し込みをされると勘違いしたシーンは、
佳代さんには申し訳ないのですが、
その可愛らしさが面白くて笑ってしまいました。
佳代さんは性格に癖があるものの、
あの夫妻の娘だけあって根は良さそうなので、
早合点しがちな性格を面白がる旦那さんに
いつか嫁として貰ってもらえる気がします。
幸せになってほしいです!
この週は、それ以外の描写も大変興味深かったです。
まずは東大の田邊教授。
万太郎を認めて植物学教室に通うことを許したあたり、
良い人なのかと思いきや、
そうではない部分が先週から急に見え始めました。
刷り上がったばかりの学会誌の中に
自分を讃える一文が入っているのを目とく見つけ、
まんざらでもない様子でいた田邊教授は、
いつになく小物臭を発していた気がします。
なので余計に、万太郎の根回しの良さというか、
忖度っぷりに感心しました。
少し前に万太郎が徳永助教授に
「田邊教授のことは分かっている」と言い切っていたのが
上手く効いていました。
また、万太郎を煙たく思っていた徳永助教授が、
田邊教授が見せた厳しさをきっかけにして
一転して万太郎の味方となったのも、
大変面白かったです。
私の中で徳永助教授への好感度が爆上がりしました。
特に、ユウガオについての二人の会話は、
寿恵子さんが以前に言っていた
「自分の好きなものを好きと言ってほしい」に繋がっていて、
上手い展開でした。
万太郎もユウガオの花が好きで、
日本文学をちゃんと知っている(しかも好き)との会話が、
徳永助教授には駄目押しとなっていましたよね。
万太郎の教養の高さが生きたのも良かったです。
好きなものを共に語る行為は
現代でも心の距離をぐっと縮めてくれるので、
徳永助教授には特に効いたんだろうなと想像しています。
一方、寿恵子さんも大変でした。
高遠さんは……田邊教授もそうですが、
単なる西洋かぶれだったと分かったのが
ひたすら残念すぎました。
女性の地位向上を謳う高遠さんの言動は素晴らしいのに、
無意識でしょうが
彼の言動は男尊女卑の考えが土台としてあるようなので、
いつか彼がそれを自覚しない限り
寿恵子さんのことも奥さんのことも
理解できないままだと思います。
金曜日の放送で奥さんが高遠さんにきつく言った時は、
私も胸がすく思いがしました。
ここ、寿恵子さんと奥さんが仲良くならず、
協力もしなかったのに、
結果として二人の意見(意思)が合致したのが最高でした。
奥さんは奥さんとして誇りがあるし、
高遠さんを妻としてちゃんと愛しているんだと
しっかりと伝わってきた描写でした。
そして、赤いドレス姿が素敵だった寿恵子さんは
最後に着た白いドレスも似合っていて、眼福でした。
万太郎がユウガオを愛でるシーンまで気付きませんでしたが、
あの白いドレスを着た寿恵子さんは
まさにユウガオでしたよね。
美しかったです。
寿恵子さんからプロポーズをしたのも
女性の地位向上(男女同権)に繋がっており、
彼女を通して描かれていたテーマが
上手く回収されていました。
ここに限らず、らんまんの脚本は
よく練られていて丁寧に作られているなと思います。
続きはこちら。
【感想:NHK朝ドラ「らんまん」第12週:マルバマンネングサ*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-06-23-1
2023-06-18 19:40
共通テーマ:テレビ
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