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感想@アニメ「ハイキュー!!」第10話:憧れ [ハイキュー!!]

テレビアニメ「ハイキュー!!」第1期の感想です。
今回は以下の話について記します。
第10話:憧れ
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私の推しは青葉城西の及川徹さんです。
原作の漫画は最後まで読み、
アニメも視聴済みですので、
以下の文章では先のことについて触れる可能性があります。

関連記事
【ハイキュー!! 記事一覧】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/HQ

【テレビアニメ「ハイキュー!!」第1期】感想記事
第1話:終わりと始まり
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-13
第2話:烏野高校排球部
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第3話:最強の味方
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-14
第4話:頂の景色
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-15
第5話:小心者の緊張
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-17
第6話:面白いチーム
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-18
第7話:vs "大王様"
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-19
第8話:“エース”と呼ばれる人
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-19-1
第9話:エースへのトス
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-22

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https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-23



第10話のあらすじはこちら。
 西谷と菅原の想いに後押しされ、過去の試合で受けたトラウマを払拭した東峰。“エース”の打つスパイクは強く、重い。
 東峰の復活を喜ぶ2、3年生。そして、エースを相手に戦えるという状況に気合十分の日向。“憧れの烏野のエース”への様々な想いを抱く日向が懸命に動き回る。

前回に続き、
烏野と町内会チームの練習試合の回でした。

立派な体格通りの痛烈なスパイクを打つ旭さんを見て、
試合中にもかかわらずぼんやりとしてしまった日向。
日向にしてみれば、
旭さんは憧れのエースという立場だけでなく、
高い身長やとんでもないパワーなど、
彼が欲しくて欲しくてたまらないものを持った人です。
日向が旭さんに惚れ惚れと見とれるに留まらず
嫉妬に駆られてしまったのは、
無理もないことでした。
一般的に、スポーツに励む高校一年生と三年生では、
体格に大きな差が見られるのは当然で、
もしも日向の両親が大柄なら
彼の体がこれから大きく成長する可能性も無くはないです。
しかし当の日向にとっては、
自身が小柄な件もパワー不足の件も
数年後ではなく今すぐにでも解決したい問題ですから、
羨んだところでどうしようもないと分かっていても、
ついぼーっとしてしまったんでしょう。

そして影山は、そんな日向を見かねて本気で怒りました。
影山は元々怒りっぽい性格をしている上に、
語彙がまだ少ないようで、
普段は日向への怒り方も割と単調ですが、
そうであるがゆえに
実はそれほど怒っていない場合がほとんどです。
たとえば、ミスをした時の日向に影山が放つ
「下手くそ!」や「ボゲ!」といった罵りは、
意味は正反対ですが「ドンマイ」と同じで、
口から反射的に出てしまう声掛けの一つです。
下手な日向にムカムカしたり呆れたりはするので、
そういった負の感情が口からするっと出てしまうけれど、
言葉から受ける印象よりも
彼の気持ちが怒りに傾いていないのは、明らかです。
しかし、日向にそんなつもりは無かったとはいえ、
バレーを軽んじるような態度を影山に見せてしまうと、
日向が戦々恐々としていたとおり、
影山は本気の怒りを見せてきます。
幼い頃からバレーボールをこよなく愛し、
良くも悪くもバレー馬鹿が過ぎる影山だからこその
感情の高ぶりでした。
逆に言えば、日向の技術の未熟さや失敗は
経験の少なさに因る場合が大半だというのを
影山もちゃんと知っているので、
まともな指導を受け始めたばかりの彼がそうなっても
実は本気で怒らない時が多い
(日向に苛立つことはあっても、非を咎めない)あたり、
人間関係での不器用さが目立つ彼にしては、
頑張っているなと思います。

とはいえ、影山もまだ精神的に未熟なので、
日向に日頃から遠慮なく怒鳴ることで
突発的な憂さを晴らしている部分があるものの、
彼が日向以外の人にそうすることは無く、
日向も日向で、
影山の普段の暴言についてはあまり気に留めていないので、
実質的には挨拶というか
コミュニケーションの一つになっているのが、面白いです。



そして影山は、日向を怒るだけでなく、
囮の役割の凄さと楽しさをまだ実感できない彼に、
実例を示します。

ここは、早いところ日向をどうにかしなければ、
この先において(この試合でも、後々の公式戦でも)
まともに戦っていけないという切羽詰まった事情が
影山にあったとはいえ、
彼が他人のために積極的に動けるようになったことが
大きなポイントでした。
影山が北川第一にいた頃なら、
こういった事を担うのは、
大人の指導者や部の先輩、主将だったでしょう。
何より、他人には気が回らなかった彼には
わざわざそうしようという気も起らなかったと思います。
でもこの時の影山は、
誰かに頼まれたわけでもなく自然にそれを思いつき、
勝手なことだと分かっていても敢えて実行しました。
その心理には、
「これなら日向を納得させられる」という
方法への確信を得ていたのと共に、
「俺には日向の意識を変えられる」という自負も、
僅かでしょうが実はあったと思います。
バレーボールが集団競技であるからこそ、
試合で勝つには、
自分だけでなく他の部員の実力の向上も必須であることを、
影山が本当に(身に染みて)理解したという証のような
行動でした。

かつて影山が金田一にしていたように、
相手を大声で罵ることで一方的に改善を求めるのではなく、
これこれこうなんだから、こうだよなと説明し、
丁寧に分からせていくやり方は、
当の相手が受け入れやすいだけでなく、
それを見ている周囲から好感を持たれやすくなります。
影山の心の成長が、回りまわって彼に良い形で返ってくる
(気持ちが晴れた日向は上達するし、部内の雰囲気も良くなる)
というのが、素晴らしいです。

お話の作りとしても、
烏野は部員が少なく、ちゃんとした指導者もいないので、
バレーをよく知る人間(ここでは影山)が
必然的に動かざるを得なかったという状況が
よく効いていると思います。



そして「俺がいればおまえは最強だ!」です。
劣等感に苛まれる日向のために
わざわざ実例でもって囮の効果を体感させようとした影山が、
プレー再開の直前に彼に向かって放ったこの一言。

安易に使うと価値が失われるようで、嫌なのですが、
ここではどうしてもこう言いたいです。
尊い!!
もう尊すぎて、
私はこのシーンを見る度に悶絶しそうになります。

この時の影山が、嘘でも冗談でもお世辞でもなく、
心の底から本気で日向にこう言ったのだと分かるだけでも
まず素晴らしいのですが。
あの影山が……
かつて入部当時に日向とやり合い、
「全て自分一人でできたら」とまで言った彼が、
三対三の新入生対抗試合や青葉城西との練習試合を経て、
バレーボールは六人でするものという
根本的なことを今さら痛感した後、
それを自分の言葉として先輩に語れるようになった上で、
こう発言したという事実が、
重くて熱くて最高です。
日向が最強である(最強になれる)という
彼に向けた厚い信頼と期待が感じられると同時に、
「俺なら日向を最強にできる」という影山の誇り高い自負も
ひしひしと伝わってきます。
これは、たとえ誰が言ったとしても
容易に感動に繋げられるほどの強い言葉ですが、
影山と日向の事情
(特に、前者がこう言えるようになるまでの経緯)を
踏まえると、
彼らの精神的な成長という要素が加わるので、
言葉の深みが更に増し、
強烈な衝撃となって
視聴者(読者)の心を一瞬で奪っていきます。



しかも影山のこの台詞は、ご存知のとおり、
後で日向が彼に向かって放つものでもあります。
確かそれは、春高予選の対青城戦でしたよね。
最初は「影山がいるから日向は最強」でしたが、
日向がぐんぐん伸びて力をつけたことにより、
「日向がいるから影山は最強」にもなるというのが最高で、
胸が熱いです。
ただ、以前にも書きましたが、
そんな最強コンビの二人が一緒にいるのは
例外を除けば、この烏野での三年間のみです。
ハイキュー!!の基本である
「相手を最強のライバルとして認めながら戦う」
という日向と影山の関係性が、
この作品の最も素晴らしい点ではあるものの、
いちファンである私としては
一抹の淋しさを感じずにはいられないです。

そして更に言うなら、
影山はこの言葉を日向にぶつけた後に、
その裏打ちとして
「俺がトスを上げた時、
おまえはブロックに捕まったことがあるか」と尋ね、
それが無いことに気付いた日向はハッとしますが、
影山がトスを上げても日向がブロックに捕まる未来は
驚くほどすぐにやって来ます。
また、この先において
影山も日向も大きく成長した結果、
組む相手が他の誰かになっても最強になるんですよね……。
常に実力も状況(立場)も先んじていた影山に
日向が追いつく形で最終的に二人が並び、
それぞれが別のチームに所属した状態で
最強vs最強としてバチバチと戦っていく未来は、
想像しただけで心が躍るような喜ばしい展開です。
それでも、二人がコンビとして組んだ烏野の三年間を
ずっと大事に見守ってきた私の心には、
どうしてもせつない感情が芽生えてしまいます。
本当に惜しいけれど、
そんな二人が常に戦う気満々であり続ける点が
ハイキュー!!の最大の魅力であるのは、
言うまでもないことです。
私も、そういう淋しさをひっくるめて
前向きに楽しんでいます。

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今のおまえは、ただの……
ちょっとジャンプ力があって素早いだけの下手くそだ。
大黒柱のエースになんかなれねぇ。

でも!
俺がいればおまえは最強だ!

東峰さんのスパイクはスゲェ威力があって、
三枚ブロックだって打ち抜ける。
じゃあおまえはどうだ。
俺がトスを上げた時、
おまえはブロックに捕まったことがあるか。

おまえはエースじゃないけど、
そのスピードとバネと、俺のトスがあれば、
どんなブロックとだって勝負できる。

エースが打ち抜いた一点も、
おまえが躱して決めた一点も、同じ一点だ!

エースって冠がついてなくても、
おまえは誰よりもたくさんの得点を叩き出して、
だからこそ……敵はおまえをマークして、
他のスパイカーはおまえの囮のお陰で自由になる。
エースもだ!

それでもおまえは、今の自分の役割が格好悪いと思うのか。
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「思わない!」

影山からのトスを受けてスパイクを打つ時の日向の表情が、
絶妙過ぎて、
録画を何度流しても、ここで必ず見入ってしまいます。
日向のために影山が渾身で魂の叫びを放っているのも、
そんな彼の真摯な気持ちに心を動かされた日向も、
もうもう尊い……。
ハイキュー!!凄すぎます。

そして、影山の精神的な成長が甚だしいことには、
今さらですが驚さかれてばかりです。
音駒との練習試合がGWの出来事なので、
この時は、影山が入部してから
まだ一か月も経過していないですよね……。
この数週間は、影山だけでなく日向にとっても
何年にも当たる価値があった日々だったと思います。



さすがに影山よりインパクトは少な目でしたが、
東峰さんも試合後に日向の背中をちゃんと押していた件にも
触れておきます。
日向が、努力ではどうにもならない身体的な理由で
一般的な(普通の)エースになるのがかなり難しいのは、
誰の目にも明らかです。
しかし日向は、ここで東峰さんに
「どんな呼び名でもポジションでも、
敵チームに一番恐れられる選手が一番格好良いと思わないか」と
言われたこともあり、
エースを目指すという呪縛から解放されます。
ここは、今後の日向の方向性を東峰さんが提示しただけでなく、
彼が日向の凄さをしっかり認めているのだと分かるのが
好きです。

そして、これから彼らをまとめていく烏養コーチは、
早速、最初の試練にぶつかってしまいました。
影山と菅原先輩を試合で起用する際、
その利点の違いがはっきりしている以上、
状況に合わせて彼らを使い分けていくのが得策です。
しかし、この時点では、
日向を有効的に使うには影山が必須という条件が
良くも悪くも大きく影響してしまいます。
心情的なものも絡まないわけではないので、
指導者になりたての彼にとっては、
なかなか悩ましい問題です。



学校のOBである町内会との試合により、
烏野が得られたものは大きかったようです。
それはきっと、町内会のお兄さんたちも同じでしょう。
彼らは、西谷先輩や影山の熱い発言を
ちょっと茶化す感じで振り返っていましたが、
「大人になった自分達にはもう言えない」ことへの羨ましさが
滲み出ていました。
高校生ならではの若さや熱さ、ひたむきさに当てられた結果、
彼らも日頃の練習に更に励むようになったのではないかと
勝手に想像しています。



この回を以って、ハイキュー!!の序盤が終わりました。
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主要人物である烏野の関係者がほぼ全員揃い、
個々の性格や特徴、抱える悩みなどが提示されたことで、
物語の土台が築かれました。
スポーツ系の作品は
登場人物の伸びしろを楽しむものが多く、
勿論、ハイキュー!!も該当しています。
特に一年生の四人は、全員まだまだ未熟で、
彼らが成長していく過程はどれも見どころ満載なので、
今後の視聴も本当に楽しみです。



続きはこちら。
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第11話:決断】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-25-1



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2023-01-24 12:53 
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