感想@アニメ「ハイキュー!!」第4話:頂の景色 [ハイキュー!!]
テレビアニメ「ハイキュー!!」第1期の感想です。
今回は以下の話について記します。
第4話:頂の景色
劇場版総集編 前編『ハイキュー!! 終わりと始まり』(初回生産限定版) [Blu-ray]
- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2015/09/16
- メディア: Blu-ray
私の推しは青葉城西の及川徹さんです。
原作の漫画は最後まで読み、
アニメも視聴済みですので、
以下の文章では先のことについて触れる可能性があります。
関連記事
【ハイキュー!! 記事一覧】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/HQ
以前の感想記事はこちら。
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第1話:終わりと始まり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-13
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第2話:烏野高校排球部】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-13-1
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第3話:最強の味方】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-14
第4話のあらすじはこちら。
日向と影山は、2年生田中を味方に迎え、1年生の月島・山口と3年生・澤村の混成チームとの対抗試合に挑む。影山を挑発しながら、高い壁として立ちはだかる月島と、主将としての貫録を見せる澤村を前に、早くもピンチに立たされる二人。果たして日向・影山に勝機はあるのか-!?
原作の漫画において、
連載の初回から今回の部内対抗戦までは
本当にお話の筋がよく練られており、
ただ面白いに留まらず、
この先のお話の土台となるべく
地固めがしっかりとなされています。
なので、どの回にも名シーン、名台詞が存在しますが、
中でもこの回は、
「ハイキュー!!と言えばこれ!」と言えるほど
非常に印象的で、お話の軸にもなっている
日向・影山によるクイック攻撃(変人速攻)が
爆誕したことから、
作品を代表する回の一つになっています。
勿論、アニメでも丁寧に描かれており、
特に記憶に残る回でした。
しかしながら、その変人速攻を語る前に、
この回で明らかになった影山の過去についても
触れておかなければなりません。
それは、影山が「コート上の王様」と呼ばれることに対して
過剰に不愉快そうに反応する件と直結しています。
作中でかつて日向が羨ましがったとおり、
また、この回で月島も挙げていたとおり、
この言葉は本来なら
誰よりもずば抜けた実力を持つ影山への賞賛として
使われるべきでした。
しかし実際は、
試合で身勝手が過ぎた彼を責めるために
中学時代のチームメイトが作った卑称でした。
悪口を言われるだけなら、
影山も無視をしてやり過ごしたかもしれません。
けれど、公式戦(県大会予選)という晴れの舞台で、
影山がいつものようにセッターとしてトスを上げたところ、
五人の味方は誰一人として動かず、ボールも追わず、
試合を放棄してしまいました。
見かねた監督によって影山がベンチに下げられた後、
彼らの学校は敗退しましたが、
それが中学時代の最後の大会だったことから、
挽回する機会すら失った影山は絶望に叩き落されます。
勿論、試合に熱が入り過ぎて周りが見えなくなり、
他の部員に当たり散らして責めるばかりだった影山には
非がありました。
同時に、他の部員のやる気はあまり高くなく、
一人だけ士気が高い影山が彼らに対して苛立つのは
当然だったでしょう。
仮に、影山以外の部員がもっとやる気を出して、
積極的にボールを追っていたなら、
試合の状況は好転していたかもしれませんし、
影山もあそこまで追い込まれずに済んだかもしれません。
でも実際は、皆のいい加減なプレイを目の当たりにして
怒り心頭に発した影山が、
殺気立ってきつく注意をすればするほど、
皆の士気は下がっていき、
反発心から生じた憎しみや怒りが彼に向くという
悪循環に陥っていました。
しかも、影山も他の部員たちもまだ十代半ばの子供です。
衝動的な感情を制御するのは大人でも難しいのに、
それを子供にやれと言うのは酷な話です。
また、感情を爆発させた相手を上手く受け止めることも、
同年代の子供同士ではなかなか難しいはずです。
なので、学校の部活動という閉鎖的な空間で、
影山が孤立してしまっただけでなく
これ以上ない形で皆から手痛い反発を食らったのは、
残念ではありますが
なるべくしてなったことだったのかもしれません。
とはいえ、影山も他の部員たちも、
望んでそうなった(そうした)わけではないので、
そのせいで心に深い傷を負う羽目になります。
特に影山は、
その苦い記憶を今でも夢で見るだけでなく、
実際にトスを上げようとした瞬間に
かつてそこに誰もいなかった光景が頭をよぎることもあり、
トラウマになっているようでした。
影山にとってその過去は、
悔しさややりきれなさといった負の感情を伴うもので、
できれば他の人には知られたくなかったでしょう。
月島は、影山のそんな感情を知りながらも
先輩や日向の前でそれを暴露しました。
ただ、意外だったのが、
その出来事から月日がそれなりに経過していて
影山自身もさすがに反省せざるを得なかったからか、
月島の煽りを受けても怒らず、拗ねず、
その事実や感情を皆の前でちゃんと認めた件です。
このシーンをアニメで初めて見た時に、
珍しく素直になった影山に対して、
「あぁ、ここでこう言えるのなら、
この子はもう大丈夫だ」と思ったのを
今でもよく覚えています。
また、月島が鼻で笑いながら
影山の辛い過去を勝手に明かしたのには
悪意しか感じなかったものの、
彼ら一年生が部に加入したばかりのこの時点で
先輩や日向にそれを知ってもらえたのは、
影山にしてみれば逆に良かったのではないかと
思えてなりません。
この後に影山が再び暴走し始め、
まだ彼が望むようには動けない日向に向けて
厳しい言葉を発した際に、
見かねた菅原先輩が
「それじゃ中学の時と変わらない」と
即座に注意をしたのが、良い例です。
菅原先輩はいつも的確な助言を与えてくれるとはいえ、
影山の過去を知らなければ、
さすがに何も言えなかったでしょう。
そうしたことを踏まえれば、
影山が先輩たちに自分の過去を知ってもらえたのは、
実は大事なことだったと分かります。
あの試合があった時の影山は、中学三年生で、
彼自身が最上級生という立場でした。
他の誰かがこの時の菅原先輩のように冷静に注意をしても、
影山が聞く耳を持たなかったのかもしれません。
なので尚更、
今は菅原先輩が傍にいてくれて良かったねと
強く思えています。
この時の月島がやたら悪い人として強調されているのは、
障害として日向や影山の前に立ちはだかるには
実は優しい大地さんだけだと弱いからでしょう。
それが分かっていても、
あまりにも口が悪い彼の言動は
見ていて辛いです。
どうしたら相手に勝てるかを考えた末に編み出された
変人速攻。
素早い動きで高く飛ぶこともできる日向に合わせて、
影山がドンピシャのトスを上げるというとんでもない攻撃が、
実にドラマチックであるのは言うまでもありません。
しかもそこに、
「影山からのトスが必ず上がる」と信じて飛ぶ日向と、
「日向が必ず飛ぶ」と信じてボールを上げる影山という
要素が加わるのが、
ハイキュー!!という作品の凄さであり、最大の魅力です。
トスを上げた先には誰もいなかったという
苦い経験を持つ影山に対して、
「それ中学の話でしょ」「オレには関係ない」
「オレにあげろ」「(オレが)いるぞ!」
「オレにトス、もってこい!」
「だって今、信じる以外の方法、分かんねぇもん」と、
影山が無意識に求めてやまない言葉を
日向がそうとは知らずに発し続けた結果、
この試合で影山の気持ちが前に向くだけでなく、
近い未来において彼が過去の自分を乗り越えるのは、
本当に素晴らしいです……!!
もう、もう、こうして書いているだけで
胸が熱くなります。
この回の後半で、影山が日向に向けて
「俺たちには信頼関係なんて微塵も無いが、
次もボールは俺がもっていく。信じて飛べ!」
と矛盾したことを言うので、
私はそのシーンを見る度に笑ってしまうのですが、
この時点では本当にまだ信頼関係が無いに等しいので
彼が言っていることは正しいんですよね。
お互いが相手を信じるうちに
強い信頼でちゃんと結ばれるようになるのを見るのも、
ハイキュー!!の醍醐味の一つです。
変人コンビそして変人速攻が生まれたきっかけは、
間違いなく菅原先輩です。
現状を正しく冷静に見られるのも、
相手に適した言い方で助言できるのも立派な才能なので、
小学校教諭という未来の職業は
彼の性格や能力に非常に合っています。
できれば、どこかの団体のコーチあたりで
その優れた能力をバレーボールに使い続けてほしかったのですが、
体育の授業で児童に丁寧に教えている姿なども
容易に想像できることから、
きっと彼のお陰で
学校や運動が大好きになった生徒もいるんだろうなと
勝手に思っています。
感想をちゃんと書くとなると時間を要するので、
可能な限り手短に簡略化しようと思ってはいるものの、
やはり大好きな作品なので語りたいことが多く、
今回も長くなってしまいました。
BSJapanextでの放送は深夜なので、
リアタイ視聴が難しいのは残念ですが、
平日は毎晩、放送があるというのが
嬉しくてたまりません。
ハイキュー!!が大好きです!
2023-01-15 00:00
共通テーマ:アニメ
共通テーマ:アニメ