SSブログ

感想@アニメ「ハイキュー!!」第9話:エースへのトス [ハイキュー!!]

テレビアニメ「ハイキュー!!」第1期の感想です。
今回は以下の話について記します。
第9話:エースへのトス
01HQ_top.jpg

劇場版総集編 前編『ハイキュー!! 終わりと始まり』(初回生産限定版) [Blu-ray]

劇場版総集編 前編『ハイキュー!! 終わりと始まり』(初回生産限定版) [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: 東宝
  • 発売日: 2015/09/16
  • メディア: Blu-ray

私の推しは青葉城西の及川徹さんです。
原作の漫画は最後まで読み、
アニメも視聴済みですので、
以下の文章では先のことについて触れる可能性があります。

以前の感想記事はこちら。
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第1話:終わりと始まり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-13
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第2話:烏野高校排球部】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-13-1
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第3話:最強の味方】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-14
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第4話:頂の景色】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-15
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第5話:小心者の緊張】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-17
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第6話:面白いチーム】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-18
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第7話:vs "大王様"】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-19
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第8話:“エース”と呼ばれる人】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-19-1



第9話のあらすじはこちら。
 合宿に練習試合とテンションが上がりっぱなしの日向が練習する姿を見て音駒と試合をすることを知った東峰だが、すぐに部活に戻る踏ん切りはつかないまま。
 そんな中、武田から音駒との練習試合の件を聞いた烏養は試合までのコーチとして烏野高校排球部を訪れた。烏養がメンバーの実力を見るために、排球部と町内会チームとで試合をすることになる。

因縁の相手・音駒高校との練習試合を
武田先生が決めてきたことで、
烏野の状況にも物語そのものにも
大きな変化が見られた回でした。

まずは、烏養コーチの就任です!
生徒によって実力や経験が大きく異なる学校の部活動では、
経験者による個々の技術指導がとても大事なのは
言うまでもないことです。
また、特に試合で勝つためには
状況を俯瞰で全体的に見る力も必要です。
こういった指導力や判断力に優れている上に、
生徒に対して全く臆せずに話せる烏養コーチは、
高みを目指す烏野がより力を付けていくためには必須の
最適な指導者でした。
勿論、烏養コーチ自身も口にしていたとおり、
偉大だった祖父・烏養監督の名前から受けられる恩恵も
相当大きいでしょう。
加えて、特にこの先の日向と影山に関しては、
烏養コーチを介して
烏養監督の指導も受けられるようになることが、
変人速攻を完成させるための道となるので、
結果的にこれは非常に重要な出会いだったと言えます。
日向と影山の華々しい活躍は、
当人たちの凄まじい努力と執念の成果ですが、
周囲の人々の助けがあってのことだと
よく分かるエピソードです。

烏野が抱える部員同士の問題を知らない烏養コーチが、
有無を言わさずに諸々を一方的に決めたお陰で、
西谷先輩と旭さんがコートに復帰しました。
「試合には出ない」と宣言しただけの前者はともかく、
普段の練習にも参加しようとしなかった後者を
着替えさせてコートに上げるのは、
通常であれば相当難しかったはずです。
烏養コーチの少々強引な思い付きが
結果的に烏野を救ったことは、
何がどういう結果に繋がるのかが分からないという
不安定な現状と、
思ってもみなかったことが全て良い方に作用するという
烏野の運の強さを
表しているようでした。
他の誰でもない、烏養コーチの決定が、
西谷先輩と旭さんをコートに戻すきっかけとなり、
結果として二人の間に信頼が復活したのも、
大変素晴らしかったです。
なので、実はここで最も大事だったのが、
烏養コーチに呼ばれた町内会チームが全員揃わず、
欠員があったという点です。
何も知らない烏養コーチの強制により
西谷先輩と旭さんが試合に参加するという状況が、
ここでは必須でした。



また、今回は、
菅原先輩が自主的に町内会チームに入るのも
注目すべき点でした。

現在の烏野は、攻撃において
日向と影山による変人速攻を要としています。
影山と同じセッターである菅原先輩の出番は
必然的に限られてしまうので、
彼の心の中にあった卑下や遠慮、配慮云々を抜きにしても、
彼が町内会チームに入るのは自然の流れでしょう。
しかも、旭さんが好むらしい
「ネットから少し離した高めのトス」を上げられるのが、
現時点では菅原先輩のみだという事実が
この回の終盤で重く響いてきます。
この先、作中で何度も出てくる言葉として、
「最高のトスは、スパイカーが打ちやすいトスだ」
というのがありますが、
この時の菅原先輩のトスは、まさにこれでした。
影山は、あの及川さんに
「トス回しでは勝てない」と言わせるほどの実力者ですが、
この時点では旭さんの好みを全く知りません。
なので、影山には絶対に不可能な旭さんへの最高のトスを、
実力では彼に負けてしまう菅原先輩が
旭さんへの思いも込めてしっかりと上げた結果、
その旭さんが強烈なスパイクを放って
精神的な復活を果たすという展開は、
最適なだけでなく最上でもありました。



話は少し前後しますが、
この回で最も印象的だったのは、
西谷先輩の渾身の言葉です……!!!
「壁に跳ね返されたボールも、俺が繋いでみせるから。
だから、だからもう一回トスを呼んでくれ……エース!!」
ハイキュー屈指の名台詞の一つでしょう。
私も、こうして思い出しながら台詞を書き出すだけで、
深い感動が蘇り、
目頭が熱くなってきます。

ここは、かつて旭さんが潰されてしまった
伊達工との過去の試合での辛い描写だけでなく、
その後に謹慎を言い渡された西谷先輩が
ひたすらブロックフォローの練習をしていたという事実が
むちゃくちゃ効いています。
元々高い実力を持つ西谷先輩が、
例の試合では他校の生徒から感心されるほど
素晴らしい活躍をしていて、
自主練を強いられた際も一切手を抜かず、頑張っていて、
今回の練習試合でも難しいボールを取って……となった末の、
上記の台詞です。
旭さんが西谷先輩と菅原先輩の思いに応え、
あの影山と月島でも防げないほどの強烈なスパイクを打ち、
エースとして実質的に復帰するという流れは、
いつ見ても胸が熱くなります。
ハイキュー!!では、
登場人物の過去が本格的に絡むエピソードは
どれも読者(視聴者)の胸の痛みを伴う分、
得られる感動も大きくて深いのですが、
この旭さんの話は、
彼個人が問題を乗り越えていく様子が描かれただけでなく、
作品の主題も強く提示されている
(バレーボールが集団による球技だという当たり前の事実と、
集団でやるからこその素晴らしさを実感できる)ので、
非常に秀逸です。
最後に、旭さんがスパイクを打つ直前の動きとして、
チーム町内会の五人を背景にして高く飛びながら
「俺は一人で戦っているんじゃない」と言うシーンがあるのも、
締めとして最高でした。

バレーボールは一人ではできず、
チームメイトも対戦相手も必要となるからこそ、
その中で自分の役割を見つけること
(もしくは役割を与えられること)と、
それを果たそうとする気持ちが大事になってきます。
相手のブロックによって弾かれたボールを拾う西谷先輩、
スパイカーにトスを上げる菅原先輩、
そしてセッターに上げてもらったボールを打つ旭さん……と、
それぞれがなすべきことをなして得た一点は、
その点数以上に重くて価値のあるものでした。
03HQ.jpg
アニメは、動画で見られる上に声が付くので、
凄く良いシーンに仕上げてもらっていますが、
脳内でそれらを補いながら読む原作の漫画も
最高ですよね……。
ここは本当に大好きなシーンです。



次回からは、物語の焦点が再び日向に戻ります。
最強の囮としてまだ覚醒していない日向にしてみれば、
エースとして復活した旭さんが眩しいのは当然です。
葛藤する日向は大変そうですが、
それを乗り越えた先には輝かしい未来が待っていると
よく知っているからこそ、
私も視聴という形で彼に寄り添いたいです。



続きはこちら。
【感想@アニメ「ハイキュー!!」第10話:憧れ】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-24
04HQ_hinata.jpg
物語の序盤の集大成だけあって、めちゃくちゃ良い回でした。



ハイキュー!! 10thクロニクル (ジャンプコミックスDIGITAL)ハイキュー!! 1 (ジャンプコミックスDIGITAL)ハイキュー!! 45 (ジャンプコミックスDIGITAL)ハイキュー!! 44 (ジャンプコミックスDIGITAL)ハイキュー!! 43 (ジャンプコミックスDIGITAL)ハイパープロジェクション演劇「ハイキュー!!」〝頂の景色・2″スペシャルエディション [DVD]OVA『ハイキュー 陸 VS 空』 [DVD]




2023-01-22 11:15 
共通テーマ:テレビ