さくらもちモチ

感想@キヅナツキ「ギヴン」 柊mix_12（シェリプラス2021年9月号掲載）*ネタバレあり　[ギヴン] [編集]

雑誌「シェリプラス」2021年9月号に掲載されている
キヅナツキ先生の作品「ギヴン」の感想です。
（柊mix_12）
以下の記述にはネタバレを含みます。

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柊くんと玄純くんがようやく結ばれた後の話でした。
以前は惑う柊くんに焦点が当てられがちでしたが、
今回は玄純くんがメインで、
彼の感情が大変分かりやすかったです。
柊くんに向かってプロポーズ並みに重い告白を平然としたり、
しかもそれを軽い方だとしれっと付け足しただけでなく、
立夏くんに柊くんへの愛を平然と口にしたり、
付き合っていることを恥じらうことなく明かしたりもしていて、
きっと玄純くんは小さな頃からずっと柊くんを好きだった分、
柊くんへの愛情は揺るぎないものとして既に確立していて、
ようやく柊くんを手に入れられた今は、
遠慮なくそれを身内に公言できるようになっただけなんだなと
しみじみと思いました。

また、立夏くんが面食らっていたように、私も、
玄純くんが持つ音楽への愛情の深さには驚かされました。
玄純くんはただただ柊くんを愛しているからこそ、
彼が夢中になっている音楽も同じくらい愛しているんですよね。
一方で、立夏くん（を含む普通の人）は、
音楽と恋人とで愛情が分かれるわけで。
極端なたとえ話をするなら、もし柊くんが音楽に絶望し、
もう二度とやらないと決めるほど嫌いになったら、
玄純くんも迷いなくスパッと音楽を嫌いになるのでしょうが、
柊くんが音楽を愛する限りは、
玄純くんひたすら音楽を愛するわけで。
勿論、玄純くんの中では、
今後もずっと柊くんを愛し続ける自信（確信）しかないので、
そりゃあ、別れたら揉めるかもといった問題とは無縁ですよね。
玄純くんが柊くんに付き合う形で音楽をやっているというのは
以前の描写から明らかでしたが、
ここまで柊くんへの愛情が関わってくるとは思っておらず、
今月号を初めて読んだ時はちょっと圧倒されました。

玄純くんの柊くんへの愛情は、
知れば知るほど呪いのようなものだとも思えてきますが、
柊くんの感情がどうであれ、玄純くんの愛情は不変でしょうし、
何より、柊くんを好きでいること自体が
玄純くんの幸せであるようなので、
それを他人がどうこう言うのは野暮だなと思いました。
ただ、もし私がギヴンで同人小説を出すとしたら
「ふと気付いたら柊くんをそんなに好きでなくなっていた玄純くん」の話を
喜んで書くと思いました。
　↑
元々この手の苦しい話が大好きだというのと、
玄純くんの危うさが眩しくてたまらない分、
そこを曇らせたらどうなるのかを書きたくなるんだろうなと
想像しました。
（今は体力が無いので同人活動はしていないです）
勿論、そんなに好きでもないかも→やっぱ好きじゃんの流れです。
念のため追記。



ところで！
立夏くんが柊くんたちの交際を知ったのを受けて、
これから真冬くんとの関係も進むと良いですね……。
もう、「おまえ、知ってたか！　あいつら付き合ってんだとよ」という
立夏くんの下世話なご注進がきっかけでも良いので、
真冬くんとの会話の機会を積極的に持ってほしいです。
二人でだらだらと話をしながら、各々の感情を整理して、
したいこと、したくないこと、されたいこと、されたくないことを
素直に伝え合えば、
進路に対する希望や妥協点は自然に見えてくるでしょうし、
真冬くんもまた歌えるようになると思います。
特に真冬くんは以前から苦しそうだったので、
そろそろ気持ちを楽にさせたいです。



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