さくらもちモチ

感想：NHK朝ドラ「舞いあがれ！」第25週：未来を信じて*ネタバレあり　[NHK連続テレビ小説感想] [編集]

NHKの連続テレビ小説（朝ドラ）「舞いあがれ！」の感想です。
今回は以下の放送について記します。
第25週：未来を信じて

以下の記述にはネタバレを含みます。

「舞いあがれ！」の初週と前週の感想記事はこちら。
【第1週：お母ちゃんとわたし 】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-10-07
【第24週：ばんばの歩み】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-03-18



第25週のあらすじはこちら。
https://www.nhk.or.jp/maiagare/

　舞（福原遥）は、大学時代の人力飛行機サークルの先輩、刈谷（高杉真宙）と玉本（細川岳）が電動垂直離着機「空飛ぶクルマ」の開発に取り組んでいることを知る。舞は空飛ぶクルマが実用化されれば東大阪にとっても大きなチャンスになるから協力したいと御園（山口紗弥加）を説得する。
　貴司（赤楚衛二）は北條（川島潤哉）から3 冊目の歌集をまとめたいと言われるが、短歌が詠めずに苦しんでいた･･･。

刈谷先輩たちが手掛ける空飛ぶ車の開発に、
舞ちゃんが仕事として本格的に関わる話でした。

ドローン技術で車を浮かせるとの発想は
実に素晴らしいと思いますが、
いまいち現実的でない内容だったこともあって、
先週に続き今週の放送も私には退屈でした。
舞ちゃんが口利きをしたお陰で人材もお金も潤沢になり、
彼女に恩を感じた刈谷先輩が
「舞ちゃんのお陰」「舞ちゃん凄い！」と
褒め要員になっていましたが、
以前もそうだったように
舞ちゃんがやるのはあくまで人との仲介なので、
放送を観ていても達成感は得られず、
作中での盛り上がりが高まれば高まるほど
私の気持ちは冷めていきました。

また、刈谷先輩たちは車体を浮かすことばかりに必死で、
それが「人を乗せて動くもの」だという認識が
かなり薄れている気がします。
カーボンでは安全性に欠けますよね……。
走行性や安全性を考慮すれば
車体にしっかりとした重い素材を使うのは必然です。
それらはとりあえず二の次で、
まずは車体の安定した浮遊を成功させるのが大事だからこそ、
刈谷先輩たちは夢中でその作業をやっているのだとは
分かりますが、
車という目標にはまだまだ遠いのが
今週の放送をつまらなく感じた原因の一つだったと思います。



さて、安穏とした幸せな生活の中で
短歌作りに難儀するようになった貴司くん。

短歌に限らず、歌でも絵でも小説でも、
何かを創作する人なら必ずぶち当たる問題でした。
幸せな生活をそのまま詠んだり、
いっそ句を詠めない辛さを素直に詠めばいいのでは？と
私は安易に思ったのですが、
貴司くんはもっと根本的なところに
原因を感じていたようです。
一時的とはいえ家を離れるのはどうかと思いましたが、
めぐみさんが言っていたとおり、
舞ちゃんと話し合った上で彼女が許したのなら
他人がどうこう口を挿むべきことではないんでしょう。
デラシネも祥子さんが店番を担ってくれるとのことで、
それが可能な環境ではあるわけですし、
もう好きなようにしたらいいと思いました。

個人的には、貴司くんと舞ちゃんの決断には
全く賛成できなかったです。
貴司くんたちは経済的に困窮しているわけではないので、
以前のように詠めなくなったなら、
そういう自分を素直に認めて俳句から離れるのも
一つの手だと思うからです。
貴司くんほど俳句の世界に深く入っていた人なら、
わざわざ「詠もう！」と思わなくても、
他愛のない日々を送るうちに
いつしか自然に詠むようになると思いますし、
もしそうならなかったなら
「貴司くんほど才能があってもそこまでの人だったんだ」で
終わって良いと思います。
リュー北條さんとは、
「歌が詠めたら連絡します」と告げた上で
敢えて距離を置いた方が良いのでは？
ドラマを作る上で、
どうしても貴司くんに八木さんと再会させる必要があるからこその
このスランプ描写なのでしょうが、
子供が小さいのに単身で海外に行くというのは
さすがに親としてどうなのかなと思いました。



次はいよいよ最終週です。
舞ちゃんが乗るのは飛行機ではなく、
この空飛ぶ車なんですね……。
IWAKURAの危機の際に舞ちゃんが飛行機会社の就職を辞退せず、
あのままパイロットになっていたら、
私は彼女の人生をもっと楽しい気持ちで見守れたんだろうなと
思わずにはいられないです。
期待外れのまま最終週を迎えるのは本当に残念ですが、
少しでも良いところを見つけて、
楽しい気持ちで視聴を終えたいです。



続きはこちら。
【感想：NHK朝ドラ「舞いあがれ！」第26週（最終週）：私たちの翼*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-03-31