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感想「アイドリッシュセブン」特別ストーリー:拮抗のクォーター第4話*ネタバレあり [アイナナ第3部 感想]

ゲーム「アイドリッシュセブン」の特別ストーリー
「拮抗のクォーター」の感想です。
今回はこちらについて記します。
第4話:壊れゆく世界への叫び
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アイドリッシュセブン Third BEAT! 5 (特装限定版)(Blu-ray)

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  • 出版社/メーカー: バンダイナムコフィルムワークス
  • 発売日: 2022/11/25
  • メディア: Blu-ray

私の推しはTRIGGERの八乙女楽さんです。
アプリのシナリオは第5部の途中まで読んでおり、
感想記事では先の展開について触れる可能性があります。

関連記事
【アイドリッシュセブン 感想記事一覧】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/i7

中断中のアニナナ3期最新話の感想はこちら。
【感想「アイドリッシュセブンThird BEAT!」第26話:Friends Day!】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-08

以前の感想はこちら。
【感想「アイドリッシュセブン」拮抗のクォーター】
第1話:狂いゆく未来
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-16
第2話:気ままな嘘の人生
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-21
第3話:破れたままの栞
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-27-1



ŹOOĻが主役を務める特別ストーリーの最後は、
亥清悠くんの物語でした。
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過去、他人からの押しつけで苦しんできたのは
四人の共通点ではあるものの、
質がそれぞれ違うので、
誰が一番辛いのかを客観的に比べるのは難しいのですが、
私が四つの物語を読んで一番胸が痛んだのは、
以前の感想記事に書いたとおり、
最初の狗丸トウマくんの話です。
しかし、最も悲惨な目に遭ったと思っているのは、
亥清悠くんです。
何故「一番悲惨な話=一番辛い」にならないのかと言えば、
悠くんの場合、
九条鷹匡さんの元に一瞬でも居た時点で
不幸が確定したようなものだと思えたからです。
たとえば、
「コンビニで雑誌を買おうとしていたら、
外から突っ込んできたトラックにはねられた」のと同じで、
本人が普段からどれだけ気を付けていたとしても、
条件が揃った時点で不幸が確定してしまうという、
避けようがない「不可抗力の不幸」に
悠くんも遭ってしまったのではないでしょうか。
悠くんが九条さんと出会った時点で……
更に言うなら、
アイドルとしての才能を彼に見いだされた時点で、
彼がぼろぼろになるまで九条さんに傷付けられるのは、
悪い意味で当然だったと言えると思います。
勿論、悠くんに非は無く、
ただただ九条さんが悪いです。



ゼロが失踪したことにより、
彼への執着をより強めた九条さんは、
第二の彼を作ろうとして昔から迷走しており、
悠くんはその被害者の一人でした。
これまでのシナリオを通して、
九条さんの怖さを痛感している私たちなら、
彼と深く関わるのは本当に危険なことだと分かりますが、
当時の悠くんはまだ幼いので、
彼の危険性を見抜くなんてことは
できるはずがありません。
面倒を見てもらっている祖母に対し、
自分に新しい父親ができるかもしれない旨を口にして、
喜びを露わにした悠くんが
屈託なく笑えば笑うほど、
私はその後の彼に待ち受けている悲劇を連想せずにはいられず、
神妙な気持ちになりました。
悠くんが子供の頃の顔がとても可愛いのも、
辛さに追い討ちをかけていたと思います。

第3部だったか、
以前のシナリオで、九条さんが天くんに向かって
「(天くんに)逃げられないように養子にした」と
言っていたとおり、
たとえ九条さんが悠くんを本当に養子にしたとしても、
九条さんの中に悠くんの実質的な父親になる気は
さらさら無かったと思えることから、
悠くんは今とは別の理由で九条さんを恨む羽目になったはずです。
また、本当に九条さんから可愛がられているらしい
理ちゃんはともかく、
彼にがっちりと縛られている天くんは
(天くん自身が九条さんに身を捧げているとはいえ)
とても幸せそうには見えず、
実際、TRIGGERという最高の居場所が無かったなら
彼はもっと苦しんでいたでしょう。
悠くんや天くんを見ていると、
九条さんに声を掛けられた時点できっぱりと拒んだ
かつての千さんたちの判断は、
まさに正しかったのだと分かります。



自分勝手が過ぎる九条さんに
あっさり捨てられたことにより、
これ以上なく深く傷付いた悠くんは、
考え方や言動がすっかり歪んでしまいました。
しかし、悠くんはまだ気付いていないものの、
不幸の元凶である九条さんから離れたことで、
幸せを取り戻すための道を既に歩み始めています。
その後、遥くんが抱える恨みや嫉妬を
悪だくみ中の月雲了さんに利用されてしまったのは、
とても残念なことでしたが、
悠くんが再び不幸にならずに済んだのは、
了さんを介して知り合ったŹOOĻの他のメンバーのお陰なので、
全てが悪かった……とは言えないのが
人生の妙でした。



ŹOOĻのメンバーによる回想が終わると、
了さんが独り言として彼らを蔑みました。
第1話の冒頭で顔を合わせた四人が
「了さんはヤバい」と非難した対比として、
最後を了さんによる四人への悪口で締めるというのは、
物語の構成としてはきれいな作りでした。
それ以上に、
彼らの辛い過去を利用しようとする了さんの悪い性根が
やたらと強調されていて、
今や彼らは単なる共犯者ではなく、
ŹOOĻにとっても了さんが敵であるという点が
ここではっきりと明らかにされたのが、
上手かったです。

この四つの物語を読むのと読まないのとでは、
ŹOOĻに対する印象も、了さんとŹOOĻの関係も、
大きく異なって見えると思います。
この特別ストーリーが配信されたのはかなり前なので、
今さら私が勧める必要も無いと思いますが、
たとえばアニメを機に最近になってアイナナを知り、
まだこれらのシナリオを読んでいないという方には、
ご一読を強くお勧めします。



この第4話は、以前の第3話までとは大きく異なり、
最後に大きな救いが用意されていました。
第3話の終盤にあった現在の話で、
悠くんがうっかり泣かせてしまったファンの女性が、
なんと、彼の元に戻ってきたんです。
「ŹOOĻがやりたいことなら(私も)応援します」
「私もずっとŹOOĻを好きでいたいから」
という女性の真摯な言葉は、
頑なな悠くんの心を大きく震わせたようです。
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「ずっと、好きでいてくれたら嬉しい……かも……」
「そう思えたら、嬉しいかも……」

かつて九条さんのレッスン(という名の実験)によって
ファンを大事にしない考え方を植え付けられ、
急に芸能界に現れた自分たちに熱狂するファンに対しても、
冷めた目で馬鹿にしていた悠くんでしたが、
この時点でもうこれだけ言えるようになりました。
とても感慨深いです。
しかも、「……かも(しれない)」という
可能性の存在を示す言葉を使用してまだ逃げている点が、
悠くんが素直になりきれない部分の表れのようで
とても微笑ましかったです。
彼のファンには、特にたまらないシーンだったと思います。
その場に居合わせた棗巳波くんも
いつになく穏やかそうな声でフフッと笑っていて
悠くんと同様に気持ちが満たされているというのが
伝わってきました。

トウマくんと御堂虎於くんが、
あの後一緒に庶民的な居酒屋に行ったと分かるのも
良かったです。
今はまだ傷を舐め合っているだけかもしれませんが、
他のグループのように
ここからどんどん信頼し合っていき、
無二の仲間になるかと思うと、期待が募ります。



今回、本当に久しぶりにシナリオを読み返しました。
忘れていたことも、
全く覚えが無かったこともあって、
思っていた以上に楽しめたのが意外でした。
初見の時もいろんなことを思ったものですが、
今回はその時以上に感情を揺さぶられました……。
そうなった理由は、やはり、
ŹOOĻに対する苦手意識が消えた状態で読み直したせいだと
思います。

これからは、いよいよ第5部の感想も綴っていく予定です。
その前に第4部も再度ざっと読んでみるだけでなく、
期待のアニナナ3期の放送の再開もありますので、
色々と楽しみなことが多くて幸せです。



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2023-01-29 16:33 
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