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感想「アイドリッシュセブン」特別ストーリー:拮抗のクォーター第1話*ネタバレあり [アイナナ第3部 感想]

ゲーム「アイドリッシュセブン」の特別ストーリー
「拮抗のクォーター」の感想です。
今回はこちらについて記します。
第1話:狂いゆく未来
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アイドリッシュセブン Third BEAT! 5 (特装限定版)(Blu-ray)

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  • 出版社/メーカー: バンダイナムコフィルムワークス
  • 発売日: 2022/11/25
  • メディア: Blu-ray

私の推しはTRIGGERの八乙女楽さんです。
アプリのシナリオは第5部の途中まで読んでおり、
感想記事では先の展開について触れる可能性があります。

関連記事
【アイドリッシュセブン 感想記事一覧】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/i7

中断中のアニナナ3期最新話の感想はこちら。
【感想「アイドリッシュセブンThird BEAT!」第26話:Friends Day!】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-08

アニナナ3期未放送分のアプリ第3部の感想はこちら。
【感想「アイドリッシュセブン」第3部 第18章:24時間*第5話のみ】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-09
【感想「アイドリッシュセブン」第3部 第19章:禍福】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-10
【感想「アイドリッシュセブン」第3部 第20章:見据えて未来だけ――】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-12



今回から、ŹOOĻに焦点が当てられたストーリー
「拮抗のクォーター」について
一つずつ感想を書いていきます。
アプリ第3部のヒール役だったŹOOĻ。
作中でも垣間見えたとおり、
彼らの言動の根源にあるのは怒りや反発です。
どうして彼らの心が負の感情に傾いたのかや、
特定の相手に対して憎しみを募らせたのかが、
過去回想という具体的な例でもって描かれました。

上記のとおり、
私は八乙女楽くんのことが特に好きです。
一番好きなグループもTRIGGERなので、
アプリ第3部のシナリオが順次公開されていた当時は
ŹOOĻのことが苦手でした。
それから既に数年が経過し、
アニナナ3期として映像にもなった今でも、
衝撃的なデビューで音楽業界を席捲したŹOOĻと
圧倒的な人気を誇っていたTRIGGERの急な凋落は、
音楽業界の闇の描写としてセットになっているせいもあって、
見る度に複雑な気持ちになりますし、
できれば見たくないエピソードです。

この「拮抗のクォーター」は
配信直後からネットで話題になっていました。
私も内容に対する興味を一応持っていたものの、
進んで読もうという気にはなれず、
配信開始から暫く経ってからようやく
重い腰を上げて読んだのを覚えています。
シナリオを読む前から、
ŹOOĻの四人も辛い過去を抱えているであろうことは
想像していたけれど、
かつて人に深く傷つけられたからといって
逆転できる機会を利用して
一転して人を傷付ける側に回るというのは、
そうしたくなる気持ちは理解できますが
やはり賛同は出来かねます。
また、ŹOOĻにどんな言い訳があったとしても、
彼らが了さんの命令でTRIGGERに酷いことをした事実は
変わらないので、
このシナリオを読んだからといって
彼らを好きになることはまずないだろうと
思っていました。

今回、アニナナ3期の放送を視聴し、
その中断中に未放送分のアプリ第3部のシナリオを
読み直したついでとして、
改めて彼らの過去に触れてみました。
さすがに今は当時より感情が落ち着いていますので、
冷静にシナリオを読めたと思います。
また、続きのアプリ第4部にて
心の底から猛省したŹOOĻがTRIGGERに謝りにいった際に、
彼らを迎えたTRIGGERが
「許さないけれど、謝りにきた気持ちは汲む」という形で
手打ちにしたのが、
私の中では非常に大きかったです。
「TRIGGERがそう言うのなら、私もそうしよう」と思ったら、
ŹOOĻに対する苦手感が消えました。
今では彼らにも普通に好感も持てています。
(とはいえ、私はグッズ厨なので、
未だにŹOOĻのグッズを進んで買っていないあたり、
積極的にそうしているTRIGGERやIDOLiSH7、Re:valeと比べると
私の中ではまだまだなんだと思います)



初回の第1話の主人公は、
ŹOOĻ随一の良心・狗丸トウマくんです。
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この記事を書き始めてすぐに思い出しましたが、
確かアニナナ1期の終盤でも
まだ勢いがあった頃のNO MADが一瞬だけ出ましたよね。
かつてはブラホワに出られるほどの高い人気を誇り、
打倒Re:valeを目標にしていたNO MAD。
決して口だけではなく、
手を伸ばせばRe:valeに届くかもしれないというところまで
来ていたようで、
回想当初のトウマくんの表情はとても明るく、
希望に満ちた笑顔をファンに向けていました。
しかし後からデビューしたTRIGGERに人気を奪われ、
NO MADの新曲の売り上げもライブの動員も落ちていくと、
彼の表情はひどく曇っていきます。

世間の注目を多大に浴び続け、
人気も上がる一方だった頃なら、
全ての努力が大きな成果に繋がったでしょう。
トウマくんが頑張れば頑張っただけ、
ファンは熱い声援でもって応えたでしょうし、
売上や動員の数字といった非常に分かりやすい形で
達成感を容易く得られたと思います。
でも、常に正直で移り気な世間の関心は、
華々しいデビュー以来ずっと快進撃を続けるTRIGGERに
向けられるようになりました。
もしトウマくんが冷静でいられたのなら
TRIGGERも自分と同じか、
もしくはそれ以上に必死に努力をしているのだと
分かったはずでしょう。
しかし、それを分かっていたとしても
トウマくんは決して認めたくはなかったのか、
TRIGGERが急に売れた理由を
彼らの実力以外の部分に結びつけるように
なってしまいました。
自分たちには高い実力があり、
その点ではTRIGGERにも決して負けていないという自信を、
トウマくんは心の支えとしていたので、
そこが揺らがないように
自分で自分の心を守っていました。

作中では特に言及されませんでしたが、
トウマくんの実力をTRIGGERの三人それぞれと比較するなら、
アイドリッシュセブンという作品の事情もあるので、
おそらく同程度だとされると思います。
しかし、メンバー全員の実力が
極めて高い水準にあるTRIGGERに対して、
トウマくん以外のNO MADのメンバーの実力は、
おそらく凡人レベルでしょう。
NO MADは、音楽に対する熱意や執着といった点でも、
トウマくんとそれ以外のメンバーとでは
大きな差が生じていたので、
あの時のNO MADがTRIGGERに太刀打ちできないのは
明白です。
トウマくんだけが必死に頑張り続けても、
きっと他のメンバーの意識を変えないかぎりは
ずっと駄目だったんだろうなと思います。



そこからは、
昔も今も読んでいて本当にしんどかったです。
四人の話はどれも胸のあたりが苦しくなるだけでなく、
何とも言えない気持ちになりますが、
その中でも私はこのトウマくんの話が一番辛いです。

危機感を強く覚えたトウマくんが
なんとか挽回しようとして精一杯努力するものの、
何一つ上手くいかず、
ファンも仲間の心も離れていくばかりでした。
気付けばトウマくんは孤立していて、
頑張っているのも彼だけ……という閉塞感は、
悪い意味で凄いです。
上記のとおり、NO MADが売れ始めてから暫くの間は、
何をやっても高い人気に繋がったでしょうから、
トウマくんの中で努力が成功体験に直結していたのは
無理もないことだったと思います。
やっている事はその頃と何も変わらないどころか、
練習や本番を何度も何度も重ねたことで
アイドルとしての実力は更に付いたはずなのに、
何故か人気は落ちるばかりという彼の状況には、
私もさすがに同情しました。
特に、それまでいくら努力をしても駄目だったのに、
更に努力を重ねればファンは戻ってきてくれるかも……と
トウマくんが思ってしまったあたりは、
あまりに痛々しくて、
いたたまれない気持ちになりました。
どれほど頑張っても全く報われないのは、
現実でもよくあることとはいえ
辛く、悲しく、胸が痛みます。



かつては熱心なファンで満席にできた楽しいライブも、
いつしか空席が目立つようになり、
次第に小さな会場でしかできないようになり……と、
人気の下降を目に見える形で突き付けられたNO MAD。
それでもトウマくんは、卑屈さを抑えて
前向きな気持ちでステージに立とうとしますが、
よりにもよって開演前に
複数のメンバーから脱退したい旨の希望を聞かされたことで、
とうとう心が潰れてしまいました。

そして、トウマくんの心が弱ったタイミングで、
あの月雲了さんが彼の目の前に現れました。
了さんはトウマくんをどこかで見て気に入っていたのか、
虎視眈々と狙っていたようです。
アニナナ3期の第26話を見た記憶が
まだ鮮明に残っている私には、
七瀬陸くんにやたらと絡んで
「そうだよねー、あいつ酷いよねー」と
共感の意を強く示しつつも
負の感情を過剰に煽る了さんの言葉が
すぐに頭に浮かびました。
かつては百さんも同じ手に引っかかったようですが、
結局、了さんは、
心が弱っている人に優しく寄り添う振りをして近づき、
密かにその首に縄をかけるのを
非常に得意としているんでしょう。
特にこの時のトウマくんは、
たった一人で重い悩みを抱えている状態でした。
たとえ相手が了さんでなくても、
話を聞いてくれた誰かが相槌を打ちながら
「うん、うん、そうだよね。僕もそう思うよ」と共感し、
「あいつらは本当に酷いよね」と共に愚痴も吐いたなら、
トウマくんの不満が少し解消されるだけでなく
心もあっさりと持っていかれたと思います。

しかも了さんの場合は、
これが一番の狙いに見えますが、
狙った相手の感情を黒く染めて、
その人が抱える問題の種(人)に対する憎しみを
増幅させてしまうので、
たちが悪いです……。
陸くんの場合は、百さんが途中で助けてくれたので、
良かったですが、
そうした横槍が入らなかったトウマくんは、
まんまと彼の術中に陥ってしまいました。

こうして書いていてふと疑問に思ったのですが、
百さんはよく了さんから離れられましたよね。
狙いがあって
つい最近まで敢えて了さんと仲良くしていたとはいえ、
百さんの心はとっくに彼と決別していたようなので……。
それはやはり、旧Re:valeへの気持ち
(親愛や尊敬だけでなく心配も含めた感情)が強すぎて、
百さんの心から了さんが追い出されたというか、
了さんが百さんの心を掌握しきれなかったせいかなと
想像しました。



トウマくんが了さんと意気投合したところで、
彼の辛い回想は終了し、話が現在に戻ります。

たまたま同じグループを組ませられただけで、
別に仲が良いわけではなかった四人ですが、
共に過ごした時間が長くなるにつれて
それぞれの気持ちにも変化が少し出てきたようです。
この話での、御堂虎於くんを追う追わないのやり取りは、
以前のŹOOĻだったら絶対に無かったと思います。
また、棗巳波くんが、
自らの意思で虎於くんの後を追い、
少し話をしようと持ちかけたのも、
凄く新鮮に思えました。
振り返ってみれば、
こういった些細なことを含めたほぼ全ての変化が
この先のŹOOĻにとって良い方に作用していくので、
今は温かく彼らを見守っていきたいです。



今回の感想は以上です。
ここまでお読みくださり、ありがとうございました。

続きはこちら。
【感想「アイドリッシュセブン」特別ストーリー:拮抗のクォーター第2話*ネタバレあり】https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-01-21



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2023-01-16 20:20 
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