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感想@アニメ「さんかく窓の外側は夜」第2話:束縛*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「さんかく窓の外側は夜」の感想です。
今回は第2話「束縛」について記します。
以下の記述には、先の展開を含むネタバレがあります。
原作の漫画については読了済みです。
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さんかく窓の外側は夜 1 (クロフネコミックス)

さんかく窓の外側は夜 1 (クロフネコミックス)

  • 作者: ヤマシタトモコ
  • 出版社/メーカー: リブレ
  • 発売日: 2014/08/19
  • メディア: Kindle版

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第2話「束縛」のあらすじはこちら。
https://sankakumado-anime.com/
 冷川の物件鑑定・特種清掃事務所『COOLEAN』で働くことになった三角は、書店の同僚に頼まれ「良く当たる占い師」を調査することに。占い師・迎系多に会うと、彼が三角や冷川と同じ特異体質であることが分かる。数々の呪いの現場に残されている『非浦英莉可』という謎の名前…。迎は以前、『非浦英莉可』の仕業らしい「呪い」を視たことがあるのだが、それはあまりに強い「呪い」で――。

今回からOPとEDが付きました!
どちらも「さんかく窓」の世界感と合った作りになっており、
ファンとして嬉しかったです。

OPは、前半部分は単色刷りのようなシンプルな色使いで、
版画か切り絵っぽいイラストによる不穏そうな描写が
目まぐるしく表れては消えていくのに対し、
後半では幻覚めいた奇妙な色使いに変わるだけでなく、
明るさも感じられるようになるところが好きです。
原作の漫画の単行本のカバーの仕様が、
第1~5巻では主要キャラ一人のバストアップ+黒背景で、
第6~10巻では三角くんと冷川さんのコンビ+白背景となり、
救いや明るさを感じられる点でコンセプトが同じだなと
実感しました。
曲も、彼らの
「普通だけれどちょっと変な日常」感が出ていると
勝手に思っています。
好きです。

EDは……
冷川さん役の羽多野渉さんが歌唱ということで、
実は私、推しジャンルの推しキャラ
(具体的に言えばアイナナの八乙女楽)の声を
羽多野さんが担当していることから、
彼のキャラソンは割と日常的に聞いている一方で、
歌手・羽多野渉さん個人の歌声を聞く機会はほぼ無いので、
こんな感じでも歌える人なんだ……と
変にしみじみとしてしまいました。
その柔らかい歌声は、
辛い過去を持つ冷川さんに寄り添うようであり、
また、水彩風の映像からも優しい印象を受けるので、
これからどんどんしんどくなる本編内容を思えば、
視聴により荒れた気持ちの整理をつけるには良い時間になるかなと
思いました。



さて、本編について。
原作では細かく分けられていた各エピソードを
ギュッと濃縮して詰め込んだ作りになっており、
やや飛ばし過ぎる感があるのは否めませんが、
全体的にテンポが良く、見やすく、
楽しみながら集中して視聴しているうちに
あっという間に終わりました。

前半では、まず最初に、
残りの主要人物である迎くんが初めて登場しました。
私にとって斉藤壮馬さんは
アイナナの九条天くんでの声を一番多く聞いているので、
やや高め+早口というのがとても新鮮でした。
三角くんのアルバイト先の同僚女性
(おっぱいが大きい!)に依頼され、
よく当たると噂の占い師の真偽を見極めるという
お仕事でした。
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この後の描写で迎くんの性格を理解できると
(生死にかかわらず他人に対して優しい)
初対面の相手に対していきなり攻撃的になるのは
彼らしくないとも言えます。
でもそれは、
無知+無防備すぎる三角くんがもどかしくて
ちょっと苛々してしまったのと、
霊体の冷川さんの存在に気付いていたからでしょう。
迎くんが霊能者として優れているからこそ、
同じ能力者に対する警戒心が強く、
つい先走った行動に出てしまったのかなと
推測しています。
尤も、そもそも三角くんと冷川さんも
迎くんを探ろうとして潜入していたので、
どっちもどっちなのですが。

迎くんの「母方のご先祖が守ってくれてて~」は、
三角くんのお母さんが清らかな体質であることにも
通じていますよね。
直前での迎くんは謙遜していますけど、
こうやって見事に言い当てている限り、
彼はやはり霊能者として一流なんだなと思いました。
あと、三角くんのご先祖様も凄いww
三角くんが最後まで無事であったのは、
このご先祖様のお陰であると言えるはずです。


冷川さんに体を乗っ取られたことで、
一人、蚊帳の外の状態になった三角くん。
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仕草と口調だけで
体は三角くんでも中身が冷川さんと分かるのには
ぞくそくしました。

ただ、その直後の三角くんは、
貰い事故過ぎて、ご愁傷様でした……。
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赤文字系の雑誌は、本当に重いですよね。
こうなったのは冷川さんのせいでもあるので、
三角くんは、書店での仕事を
彼に少し手伝ってもらってもらうと良いと思います。


三人とも悪い人ではないので、
「ヒウラエリカ」の名前が出てからは
会話が具体的なものになり、加速します。
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回想シーンで僅かに登場する、迎くんの客について。
単行本の第1巻を読み返しても具体的に出てこなくて
(迎くんの言葉による説明のみ)
「あれ? でもどこかにそのシーンがあったはず」と思って
探してみたら
第6巻で迎くんが英莉可ちゃんと初めて会った時に
具体的に描かれていました。
今回はその名前を迎くんに認知させるためか、
呪いが発する言葉は
「ヒウラエリカに騙された」になってましたが、
ここは原作通りに「おまえは死ぬ」の方が
良かったと思います。
(ぎょろりとした目がいくつもある呪いだったので、
例の連続バラバラ殺人事件と同じなのでしょうが)
暫く後で登場する
少年時代の冷川さんが暴走するきっかけとなった男性信者
(大きな釘のような呪いがたくさん刺さっていた人)は
もっともっと怖いので、
期待しています。



話は一転して、
三角くんと冷川さんは仕事で女子高を訪れます。
怪奇現象に悩まされている生徒の訴えが元だそうですが、
この手の話には珍しく先生まで動いているのは、
当の先生も一度だけ目撃しているからとのことでした。
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この、顔に大穴が開く描写……。
原作の漫画を初めて読んだ時は、
かなり怖くてびっくりしました。
非常にショッキングで人を惹きつけるシーンだからか、
公式さんの宣伝Twitterでも
このスクショを付けて呟いていましたが、
初見だからこそ味わえる衝撃も大事だと思うので、
(最初にスクショで見てしまうと、
実際にアニメで見た時にそれほど驚くことができず、
勿体ないことになり、結果的に視聴者が損をする)
勝手ながら、止めた方が良いと思います。
TLでホラーが苦手な人の目に留まるのも、
なるべく避けた方が良いでしょうし。


当の女子生徒の説明なしに、
彼女の机の前に立つ三角くん。
その机にも、彼女の顔にあるのと同じ大きな穴が……。
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怖い怖い。

そこへ、ひょっこり現れた
ヒウラエリカこと非浦英莉可ちゃん。
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ここは原作の漫画のとおりの展開なのですが、
ぶっちゃけ都合が良すぎです。
普通は、まさかこんなに早く
主人公と真犯人の出会いがあるとは思わないでしょうが、
その急展開な意外性も含めて面白味に繋がっていたので、
これはこれで良いと思います。
特殊な力の持ち主同士で惹かれ合う部分も
もしかしたらあるのかもしれませんし。

聡くて勘も鋭い英莉可ちゃんは、
二人を見てすぐに状況を察したようで、
魂がガバガバな三角くんを乗っ取りました。
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三角くんの異変にすぐに気付いた冷川さんも、
さすがです。

その後、焦りと危機感を覚えたらしい冷川さんは、
三角くんに雇用契約書を差し出します。
霊能者の冷川さんが書いた契約書ですから、
当然、普通のそれであるはずがないのですが、
まだ彼を理解できていない三角くんは、疑うことなく、
請われるがままに直筆で本名を書きます。
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ここ、冷川さんの直筆による契約書というのも、
効力を強めているのかなと想像しています。
契約書ですから当たり前なんですが、
文中でもちゃんと二人のフルネームが記されていて、
三角くんのサインも直筆でフルネームというのが、
ポイントなんだろうなと。

知らなかったとはいえ、契約により、
魂を冷川さんに縛られてしまった三角くん。
三角くん自身が言っていたとおり、
よほどのことでなければ
三角くんは冷川さんの頼みを断らなかったはずなので、
結果的に冷川さんは一番してはいけないことで
三角くんを裏切ったことになります。
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冷川さんについては、これまでも、
ちょっと不思議な人という感じがしましたが、
ここら辺からいよいよ
「この人、ヤバそうじゃない?」という危機感が
じわじわと伝わってきました。
自分に一番近い人が一番の危険人物だったというのは、
創作における定番設定の一つなので、
原作の漫画が未読の方でもこう感じたと思います。
「君は、私が見つけたんだから私のものですよ」発言は、
狂気の沙汰に近いww
でも、当の冷川さんは本気でこう思っているようなので、
私は彼のことが怖いと同時に哀れでなりません。



ここまでがCM前のAパートでした。
内容が盛りだくさんで凄いです。



後半のBパートは、
先の出会いで連絡先を交換した迎くんのお誘いにより、
三角くんが彼のお仕事に同行した話から始まりました。
テレビで見かける若手の女性アイドルが、
今、自分の目の前にいることに驚く三角くん。
そして、あるはずのトイレのドアが自分には見えない
(つまり霊現象が生じている)と気付き、
動揺する三角くん……。
冷川さんもそうだったように、
迎くんも既にたくさんの霊と対峙してきたのか、
動じる三角くんが子供じみているように見えるほど
冷静にお仕事を始めます。
(言うまでもないですが、三角くんの反応の方が普通)
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この時、迎くんが結界を張るのが
見どころの一つです。
今後、様々な状況で結界が出てくるのは勿論、
結界が三角形をしていることからして、
作品タイトルの暗喩であるのは確かでしょう。
結界は、エヴァのATフィールドよろしく、
魂のプライベート領域でもあるのか、
迎くん曰く
「こんなにすんなり入れたのはおまえが初めて」
だそうで、
良くも悪くも魂がガバガバなところが
三角くんの個性であり、
冷川さんの不満でもあるのだなと実感しました。
三角くんにしてみれば、
「好きでガバガバになっているわけではなく、
それが危険だと言うなら、
おれを咎める前に早く対処法を教えてくれ」
という話ですよね。

問題のトイレには、
女性アイドル自身が吐いたと思わしき
大量の自己否定の感情(と言葉)が、
ドロドロの生霊となって存在していました。
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相当不気味なはずですが、
まるで生きている人を相手にする時のように
生霊と丁寧に会話をして宥めていく迎くん。
優しい……。

更に、仕事を解決した後のお茶の席にて、
迎くんは三角くんの腰に霊的な紐が付いていることを
ずばり指摘します。
13cafe.jpg
仕方が無いとはいえ、
これでもまだ当の三角くんは
自分の身に起きていることを全く知らないというのが、
ちょっともどかしいです。
とはいえ、後々、三角くんが本気で怒るとおり、
無断で勝手なことをした冷川さんが全面的に悪いので、
三角くんのことは一切責められません。

三角くんという人は、話せば分かってくれる人で、
彼自身もそれを普段から露わにしていますが、
人間関係の経験値が非常に乏しい冷川さんには
それがいまいち理解できず、
三角くんを信じきれないんですよね……。
まぁ、この「さんかく窓」は、
そんな状態だった冷川さんが
三角くんをちゃんと信じられるようになり、
彼に差し出された手を掴むことによって
二人とも幸せになって終わりを迎えるので、
物語が始まったばかりの今は、
こうであって当然なんですけれども。



Bパートはこれで終わりかなと思いきや、
痴漢する霊の話の短縮版が最後に入れられていました。
びっくり!
でも、この時は、
三角くんが迎くんと仲良くした直後なので、
冷川さんの危うい心境を踏まえれば、
ここでこうなるのも自然な流れと言えます。
話の構成が上手いですよね……。
そして、怒りを露わにした冷川さんが
猛烈に怖かったです。
14hiyakawa.jpg
最後の、一人でぶつぶつ言う冷川さんの顔が
美青年すぎて最高でした。
ありがとうございます。
思いつめている冷川さんの怖さ、不安定さも、
よく表れていたと思います。

冷川さんの悪いところは、
彼の生い立ちを思えば当然なのでしょうが、
他人と積極的に関わってこなかったせいで、
なんでも一人で解決しようとして
突っ走ってしまうところだと思います。
今後、それを外から打ち破るのが三角くんで、
最終的には、彼の助けを得たことにより
冷川さん自身も内側から破ることになるのですが、
ハッピーエンドを迎えると分かっていても、
やはりこの頃の彼にはハラハラさせられます。
精神的に未熟な部分がある冷川さんに対して
心配でたまらない気持ちと、
つい「そこが駄目なんだよ」と責めたくなる気持ちと、
全て三角くんに任せてあるから大丈夫という気持ちが、
常にぐちゃぐちゃに混じっている感じです。
今は、三角くんのお陰でお話になっているわけですが、
まだ彼と出会う前の大人の冷川さんが
どんな様子(心境)で
心霊現象関係の仕事をしていたかと想像すると、
せつなくなります。
原作の漫画にて、半澤刑事の回想に度々登場する、
今よりも少し若い冷川さんが、
死体発見の報を悪気なく売りつけているのを見た限りでは、
やはり精神的な歪みは完全には治っていなかったのだろうと
ついつい思ってしまいます。
(勿論、被害者の感情としては、
遺体が見つからないままであるのは最悪なので、
そこに金銭が発生するか否かに問わず、
見つかるに越したことはないので、
冷川さんが持ち掛けた話も間違ってはいない。
けれど、半澤刑事が問題視しているのはそこではない)
今回の女子高生の事件でも、
一人だけ変にうきうきとしながら、
「あなた、呪われていますよ!」と
声を弾ませて言っていたのも、
彼のものの考え方が他人と大きく違う
(その上、空気が全く読めない / 読もうとしない)
良い証拠でした。



ED後のCパートでは、
英莉可ちゃんが再登場しました。
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英莉可ちゃんがどういう人なのかを知っていると、
ぽつんと一人でニュース映像を見ていた彼女からは、
「こんなことをしていて本当にいいのかな」といった
悔いや迷いや淋しさを感じました。
そして、その後にATMで大金を引き出すシーンでは、
それらの感情を即座に吹っ切ったように見えました。
英莉可ちゃんについては、
今が底(一番酷い時)で、
彼女も三角くんとの出会いを経たことで
全てが良い方に変わっていくので、
引き続き温かく見守っていきたいです。



第2話の感想は以上です。
どうやら話数が少なさそうだと分かった時は、
心配ばかりが募りましたが、
この第1~2話を見た限りでは、
原作の漫画が非常に上手くまとめられている他、
作品に対するリスペクトもちゃんと感じられるので、
安心できそうです。
第3話以降も期待しています。

長い文章ですのに最後までお読みいただき、
ありがとうございました。

来週は、例の、
顔が抓られた人の話をやってくれますよね……??
本当に楽しみです。



続きはこちら。
【感想@アニメ「さんかく窓の外側は夜」第3話:呪詛*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-10-17



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2021-10-12 16:25 
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