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感想@ヤマシタトモコ著「さんかく窓の外側は夜」 [アニメ・ゲーム・漫画・小説]

リブレのクロフネコミックスから出版されている
ヤマシタトモコ先生の「さんかく窓の外側は夜」を
楽しく読んでいます。

さんかく窓の外側は夜 8 (クロフネコミックス)

さんかく窓の外側は夜 8 (クロフネコミックス)

  • 作者: ヤマシタトモコ
  • 出版社/メーカー: リブレ
  • 発売日: 2020/02/10
  • メディア: Kindle版


商業BLに興味が無く(二次創作は大好き)、
ホラーが苦手だというのに、
一気にハマってしまいました「さんかく窓の外側は夜」。
現在、第7巻まで読みましたが、とても面白いです!

私が「さんかく窓~」に興味を持ったのが、
先日、テレビで放送されていた
今秋公開予定の映画の予告編映像でした。
以前から「この作品が面白い」と
ネットでよく挙げられているのは知っていましたが、
同時に、連載の掲載雑誌がBL系であるのも知っていましたので、
自分が読むことはないのだろうと思っていました。
しかしネットで少し調べてみると、
性行為といった直接的なBL描写は皆無で
(そもそも主人公とその相手は恋人として付き合っていない)
どうやら「匂わせ系」と呼ばれるジャンルであるらしいのと、
恋愛要素を楽しむのではなく、
ガチなホラー作品であることが分かり、
俄然、興味を持ちました。


単行本を購入する決め手となったのは、
この紹介記事を読んだことです。
https://booklive.jp/bkmr/sankakumado
『さんかく窓の外側は夜』とは?\
映画化決定、ガチで怖いホラーなのにBL要素も!?【ネタバレ注意】

朝の情報番組で上記の予告映像を見た後、
パソコンでこの記事を読み、一気に惹かれました。
その直後、
ネットレンタルのお試しで第1巻の冒頭を読んで
「これは買おう!」と決め、
単行本をネットでポチポチと注文したという経緯です。
なんとも忙しい朝でした。

当初は1~3巻まででしたが、読み終わった直後に
続きが気になって気になって仕方がなくなり、
残りも注文しました。
(8巻が取り寄せ扱いだったので注文しませんでしたが、
近日中にアニメイトにでも行って買う予定です)



前置きが大変長くなりましたが、
とてもとてもとても面白かったです!
上記のとおり、私はホラー作品を苦手としているのですが、
それでも楽しく読み進められました。
最初は、
「三角くんと冷川さんによるゴーストバスター」という認識で、
霊が怖いなぁと思いながらそれでも楽しく読んでいましたが、
冷川さんを知れば知るほど、
そして”先生”の出番が多くなるほど、
ミステリー要素が強くなっていったことから、
ホラー要素の怖さが気にならなくなりました。
この作品のジャンルは間違いなくホラーで、
霊の描写はちゃんと怖いのですが、
それよりも、冷川さんや先生の不穏さや、
明らかになっていない彼らの狙い(真実)への興味が
私の中で圧倒的に勝っており、
本来は震えて嫌がる恐怖すら
面白味を際立てる調味料になっているという状態です。
とにかく面白い。
時間があったら、単行本別の感想を書きたいぐらいです。

ちなみに、私が当初避けていた理由のBL云々要素は、
本当にありませんでした。
確かにそれっぽく見える描写はありますし、いやらしいですが、
BLではないです。
(他人と魂が触れ合うと気持ちが大変良いらしく、
除霊関係の言動が総じて
いやらしい妄想を掻き立てるものになっています)



以下に、作品の重要なネタバレを含む簡単な感想を書きます。



主要な登場人物を漢字一文字で表すと……
三角くんはお母さんの影響も多大にあるのか、
気に清涼感がありそうなので、「清」か「涼」。

冷川さんと”先生”は、とにかく闇が深そうなので「陰」。

英莉可ちゃんは、
他人の死を受け入れて別の人間を呪っていましたが、
その呪いは”先生”の指示でやらされていたことなので、
「黒」かなぁと。
黒には暗かったり悪かったりと負のイメージが付き物ですが、
黒という色そのものは別に悪いものでないですし、
格好良かったり品が良かったりする色でもありますので。

迎くんは「温」かなぁ。
優しくて温かい人だなぁと思います。
ギラギラと熱くなく、ぬるま湯のように心地よい感じ。
作品の癒し。

半澤刑事は「信」。
この人が持つ「信じない」という強い力に加えて、
「信じない」からこそ「信じる」も際立つという描写が面白いです。

逆木さんは、「立」。
木がびしっと一本立っているイメージ。
それは勿論、英莉可ちゃんを護る「盾」の役割であると同時に、
彼はヤクザだけれど立派な大人だと分かるからです。
「生き様が強い」というか、
本来、大人はこうやって子供を守ってほしいと
思いたくなる人物です。



第7巻まで読んで最も衝撃的だったエピソードは、
おそらく読者の多くがそうだったのでしょうが、
冷川さんの過去です。
まだ幼かった冷川さんの「のろってやる」の効果で、
彼の母親を含め、教団の施設内にいた関係者は
呪い殺されたんですよね。
そして今の冷川さんは、
他人から回収した”悪いもの”を集めて
再利用(リサイクル)しようとしている……??
これって、”先生”がやっていることと同じですよね。

”先生”は三角くんの父親だったんですね。
第4巻にあった失踪直前の描写では
妻(三角くんの母親)を守るために
自ら離れたようだったのに、
今は気持ちが歪んでしまったからか
子供を殺しておけばよかったと思うようになっただけでなく、
愛しいが故に妻を呪いたいと願ったシーンは、
見ていられなかったです。
冷川さんにも同じような悪いものを感じますが、
彼についてはきっと三角くんが何とかしてくれるはずなので、
まだ救いを感じられています。
”先生”には、どこまでも堕ちていくような印象があります。


英莉可ちゃんは、当初こそ怖かったですが、
”先生”に命じられて仕事(他人を呪い殺すこと)を
嫌々やっているという事情を知ってから、
一気に好感を持ちました。
呪いを与えてしまった半澤刑事の奥さんに対して
ちゃんと謝りに行き、呪いを解いたのも、偉かったです。
彼女が自分の闇に引き摺られそうになった時に
三角くんの言葉で救われた場面は感動的で、
私も深くホッとしました。


冷川さんは……おそらく彼の闇は”先生”よりも深くて、
今後、とても恐ろしいこと(三角くんでも何とかできないこと)を
しでかす気がしてなりませんが、
上記のとおり、
私はそれでも三角くんがどうにかしてくれるはず!と願っています。
冷川さんにとって三角くんが運命の人であるように、
三角くんにとっても冷川さんがそうであってほしいです。
霊的な相性も良いということですし。

単行本の表紙が、
1~5巻は主要人物のワンショットであるのに加えて
背景が真っ暗であるのに、
6巻以降が三角くんと冷川さんのツーショットで
背景が真っ白であるというのは、
間違いなく意図的な仕様なんだろうなと思っています。
01sankaku.jpg
皆は(特に二人は)もう一人ずつではないし、
そうなったことで明るい未来があるという印象も持てています。
私も希望を持って読み進めたいです。



秋に公開予定の映画も楽しみです!
まずはその前に、まだ買っていない第8巻を読みたいです。
本当に続きが気になります。



(追記)実写映画とテレビアニメの感想です。
【感想@映画「さんかく窓の外側は夜」】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-01-22

【感想@アニメ「さんかく窓の外側は夜」第1話:出逢】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-10-04



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2020-07-16 09:50 
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