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感想@アニメ「さんかく窓の外側は夜」第3話:呪詛*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「さんかく窓の外側は夜」の感想です。
今回は第3話「呪詛」について記します。
以下の記述には、先の展開を含むネタバレがあります。
原作の漫画については読了済みです。
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さんかく窓の外側は夜 1 (クロフネコミックス)

さんかく窓の外側は夜 1 (クロフネコミックス)

  • 作者: ヤマシタトモコ
  • 出版社/メーカー: リブレ
  • 発売日: 2014/08/19
  • メディア: Kindle版

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【感想@映画「さんかく窓の外側は夜」】
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【感想@アニメ「さんかく窓の外側は夜」】
第1話:出逢
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第2話:束縛
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第3話「呪詛」のあらすじはこちら。
https://sankakumado-anime.com/
 とある家の「池」の調査にきた三角と冷川。依頼主である家主の女性は、毎晩自分が死体となって「池」に浮かぶ夢を見るのだという。調査のために「池」の中に潜った三角は、薄暗い底でこの池の「核心」を視る。
 ――その日の帰り、食事をしていた三角と冷川の元に、あの『非浦英莉可』が現れる。 英莉可は2人に、自分が「呪い屋」をしている「死霊遣い(ネクロマンサー)」であることを打ち明ける。

さんかく窓アニメのツイッターキャンペーンに当選しました!
頂戴したノベルティのグッズを見ていると、
冷川さんや三角くんが本当にいる世界に入れたようで嬉しく、
また、その胡散臭さが可笑しくてたまらなかったです。
【さんかく窓の外側は夜】ツイッターキャンペーン当選
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-10-16
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この第3話では、
私が最もアニメで見たいと望んでいた
抓られた顔の女性のエピソードがありました!
最速放送直前に公開されたあらすじでは、
一度入ったら出られない家の話と、
英莉可ちゃんとの邂逅のみだったものの、
同時に明かされたタイトルが「呪詛」だったことから、
あの話をやるなら今回しかないと思い、
期待して視聴しました。



まずは、一度入ったら出られない家の人の話。
仕事なので仕方が無いとはいえ
池の中に入らなければならないなんて、
三角くんがちょっと可哀相でした。
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池の中には、オフィーリアよろしく
水中に漂う女性の霊(呪い)がいました。

アニメではこの後の描写がばっさり削られていたのが、
ちょっと残念でした。
女性の本来の雰囲気
(霊に憑りつかれていない状態)との落差を
具体的に見たかったので……。
原作では、暫く経ってから、
三角くんがこの家を再び訪れる羽目になりますが、
その時の女性は
良くも悪くも池の中の霊と融合しているので、
その変化が分かりにくくなるのではないかと、
今からちょっと不安です。
個人的には、
この池の中の霊(呪い)は割と好きです。
対象を必ず呪い殺しているのに、
しっかり後継ぎを作らせてからという点で、
あの家に対する憎しみの強さが伝わってくるからです。
理不尽なまでに一方的なのも凄すぎて、
変に感心しそうになります。



仕事を終えた後、
三角くんたちがいつものようにお肉を食べていると、
あの英莉可ちゃんが登場しました。
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心の声が聞けて嬉しい。

英莉可ちゃんに応えて、外で話を始めた三人。
でも英莉可ちゃんは、
紐付きとはいえ魂がガバガバな三角くんに興味津々で、
色々とちょっかいを出しました。
三角くんがいやらしい表情をしているのは、
勿論、英莉可ちゃんに魂を触れられているせいです。
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一方で、冷川さんはとても不愉快そうでした。
自分の大事な所有物が
他人によって勝手に悪戯されているんですから、
彼が気分を害するのは当然ですが、
悪戯をされている三角くんの気持ちを
二人ともガン無視しているというのが問題です。



英莉可ちゃんは、
三角くんたちをからかいに来たわけではなく、
実は大きな悩みの相談が目的でした。
ここ、英莉可ちゃんの口調や態度が、
必死に二人に助けを求めているというほど深刻そうでなく、
しかも、今すぐ止めた方が良いことについて
「できればやめたい」と
中途半端な望みを口にしているあたり、
まだそれほど切羽詰まっている状態ではないらしいと
分かります。
でも「やめたい」という明確な意思は
彼女の中にちゃんとあるんですよね……。
嫌だな、やめたいなと思いつつも、
やめた後のことを考えると実行に移せなくて、
不満を抱えつつ命令に渋々従っているんでしょう。
英莉可ちゃんが二人に接触を試みたのは、
同業者に話を聞きたかったからとのことですが、
彼女がそう思った最たる理由は、
きっと三角くんの存在だと思います。
三角くんが英莉可ちゃんにそわそわしていたように
英莉可ちゃんも(そして冷川さんも)
三角くんに感じるものがあったんだろうなと。
喩えが変かもしれませんが、
霊や能力者にとって三角くんは
誘蛾灯みたいなものなのかもしれません。
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そんな三人の元に、逆木さんがやって来ました。
逆木さん、大きい!!!
勿論、逆木さんは身長が高い人だとは知っていましたが、
アニメで他の三人と並んだ時に、
彼だけ頭部が映らない(切れている)のを見たら、
その大きさを改めて強く実感しました。

逆木さん……想像して覚悟もしていましたが、
英莉可ちゃんに向けた「お嬢さん」のたった一言で
全てを持っていった感がありました。
凄く凄く格好良かったです。



事務所に戻った冷川さんは、
三角くんを使って呪いの増幅を試みます。
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とんでもないことをしているのに、
やっている冷川さんには罪悪感の欠片も無いのが
いっそ清々しくて良かったです。
三角くんは、知らぬが仏ですよね……。



さて、いよいよBパートです。

旧友と呼べるほど親しくはなく、
かつて同級生だったという浅い関係の男性から、
三角くんに連絡がありました。
その男性の家の玄関にて、
彼と共に挨拶に出てきた女性の婚約者の顔は、
何故か抓られたように歪んでいて……。
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ここ、アニメでは
ホイップクリームという具体的な喩えがあったのが
良かったです。
想像しやすい。

女性の異変が出現したのは顔だけでなく、
手の甲も何かに摘ままれたように捻じれ始めました。
怖い怖い。
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ただ、これらは三角くんだからこそ見えているもので、
霊感が無い男性や女性自身、おそらく冷川さんにも
こうは見えていない(女性の顔も手も普通に見えている)
というのを想像すると、
より怖くなるなと思いました。


男性の部屋の中に入るなり、
恐怖で前に進めなくなった三角くん。
隙間という隙間に大量の目が詰まっています。
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しかも、この目がギョロギョロと動いていました……!!
まじで怖い!!
分かっていても、気味が悪くてゾッとしました。



部屋の中を探るうちに、
とある場所を指摘した三角くん。
怪奇現象の原因は女性の母親のようで、
どうやら女性は母親の過干渉から逃げてきたらしいとも
判明します。
そして、三角くんが挙げた場所にあった鈴を
冷川さんが掲げた途端、
女性の様子が急変しました。
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女性の「お母さんに抓られる」という悲痛の叫びと共に、
彼女の顔も手も抓られたように肉が捻じ上げられたのが、
非常に痛々しくて怖かったです。
きっと女性は、母親による躾と称した虐待を
幼い頃から何度も何度も受けていたんでしょう。
母親がどんな思いでこの鈴を娘に渡したかを想像すると、
身震しそうになります。
加えて、アニメでは、
女性がまだ心理的に母親から完全に逃げきれていないような
台詞が追加されていて、
胸が痛みました。
呪いのせいで言わされた可能性もあるでしょうが、
これも彼女の本心の一部だとする方が自然だと思えたので、
辛かったです。



問題の鈴は冷川さんが処分することになり、
とりあえず一件落着となりました。
男性は二人に礼を言わないばかりか、
代金を三角くんに投げつけ、
最後は脅しの言葉まで吐き捨てて追い返します。
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まぁ、男性にしてみれば、
三角くんのことを昔から気味悪く思っていて、
馬鹿にしていたんでしょう。
(本当は恐れているけれど、それを隠すためにわざと強気に出る)
ただ、今回は、様子がおかしい女性を心配するあまり、
藁にも縋る思いで助けを求めただけで、
三角くんに感じていた気味悪さは消えないどころか、
この一件でますます強くなったはずです。
女性が受けた呪いと三角くんは全く関係が無いのに、
こんな奴とは二度と関わりたくないと、
強く強く思ったに違いありません。
なので、男性がちゃんと代金を払ってくれただけ
まだマシなのでしょうが……
上記のとおり、彼の心情もよく分かりますが、
やはり酷い男だと思わずにはいられなかったです。
しかも、一般的な物語であれば、
ここで部外者の連れが憤慨することも珍しくないのに
(「なんでお前が怒ってるんだよ」からの
「お前が怒らないから代わりに俺が怒ってるんだよ」の流れ)
心の機微が分からない上に
人間の心理に興味すら持たない冷川さんは、
紐を指にひっかけた鈴をぶんぶん振りながら
すたすたと先に歩いて部屋を出ていきましたね……。
でも、こういうところが冷川さんらしいというか、
彼なら仕方が無いと、私も自然に納得できています。



その冷川さん。
下りのエレベーターの中で、
三角くんと他愛のない会話をしながら、
呪いの鈴を美味しそうに飲み込みました。
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Aパートの最後で
冷川さんが三角くんを通して増幅させた呪いを
進んで飲み込んでいたのも合わせて、
彼が何を考えているのかが全く読めないのが
本当に怖いです。
危険を承知で、
「自分の中に呪いを溜めて、どうするの?」と
問いたくなります。
尤も、もし三角くんがこれに気付いたとしても、
冷川さんにはぐらかされて終わりだと思います。



原作の漫画を読んでいると、
作品の主題として、
霊や呪い、そして愛を強く感じると同時に、
母と子の関係にも重きを置かれていると思えます。
第3話のBパートではそれが顕著に出ており、
上記の母親に呪われた女性の話の後には、
三角家と非浦家の母子の様子がそれぞれ描かれました。

まずは三角家。
以前の描写でもそうだったように、
ここの親子は仲がとても良さそうで、
会話を聞いているだけでホッとします。
母親が語った夫の話は本当に正しくて、
彼女の記憶の中では、
この時に発した言葉が全てであるのが悲しいです。
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一方の非浦家。
英莉可ちゃんが呼んでいるのに
母親は全く反応しませんでした。
心の距離を強く感じる淋しいシーンでしたが、
原作でのここは、あくまで前振りというか、
後で英莉可ちゃんが危機に瀕した際に母親が見せる
勇気と決断力が、
読んでいて爽快になるほど素晴らしかったので、
そこへの期待に繋げるシーンとして受け止めています。



そして!!
超重要人物の"先生"が、ここで登場しました。
先生、横顔の色気が凄くてイケメン……!
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先生は、外見が普通であればあるほど、
悪が私たちの日常に自然に溶け込んでいる感が出て、
良いと思います。
さして気にも留めないような、
どこにでもいる感じの特徴の無い人が、
最悪の呪いを好き勝手に撒き散らし、
関係の無い人々を不幸に落としていると思うだけで、
怖いです。



今週の感想は以上です。
先生の登場がかなり早いので、
予想していたよりカットされる話も多そうですが、
ちゃんと楽しく怖がりながら視聴できています。
エピソードの順番も原作とは大分違うものの、
全体的に上手くまとめられており、
違和感が全く無いのが素晴らしいです。
今後も期待します!



続きはこちら。
【感想@アニメ「さんかく窓の外側は夜」第4話:陥穽*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-10-26



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2021-10-19 23:17 
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