さくらもちモチ

感想：NHK朝ドラ「ちむどんどん」第18週：しあわせのアンダンスー*ネタバレあり　[NHK連続テレビ小説感想] [編集]

NHKの連続テレビ小説（朝ドラ）「ちむどんどん」の感想です。
今回は以下の放送について記します。
第18週：しあわせのアンダンスー

初週と前週の感想記事はこちら。
【感想：NHK朝ドラ「ちむどんどん」第1週・第2週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-05-10
【感想：NHK朝ドラ「ちむどんどん」第17週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-08-05-1



第18週のあらすじです。
https://www.nhk.or.jp/chimudondon/

　暢子(黒島結菜)が勤めるアッラ・フォンターナに、三郎(片岡鶴太郎)のおかげで、平和が戻ってきた。ただ、房子(原田美枝子)と三郎の再会は果たせなかった。暢子は、大事な人を集めた披露宴をアッラ・フォンターナで行おうと決意する。しかし、重子(鈴木保奈美)からはまだ和彦(宮沢氷魚)との結婚を認めてもらっていない。そんな中、良子(川口春奈)が、妹の結婚のために動き出すことに。

これまでも酷かった「ちむどんどん」。
今週は更に酷く、
特に木・金曜日に放送された
暢子と和彦の結婚披露宴での描写は、
信じられないことの連続でした。

まずは、Twitterに投稿した私のつぶやきを転載します。

主人公が幼馴染みからのプロポーズを「自分は仕事に生きるから」と断った一週間後に、別の男にプロポーズをしただけでもドン引きなのに、主人公の妹がその幼馴染みを騙して結婚披露宴に無理に連れてきたばかりか、お祝いのスピーチを急に頼むっていうえげつないドラマが #朝ドラ の #ちむどんどん です

— さくら@異界から帰還しました (@sa9raribbon) August 12, 2022

暢子も披露宴で「智……！」と嬉しそうにするだけじゃなく、「あの時は嘘をついてごめんなさい」という顔で、すまなさそうに頭を下げれば良かったのに。

できれば披露宴の前にちゃんと謝罪してほしかった。
智が逃げていたから無理っていうなら、真摯に手紙を書けば良かったのよ……#ちむどんどん

— さくら@異界から帰還しました (@sa9raribbon) August 12, 2022

もし私が智だったら「暢子さんからは仕事に生きると伺っていたので、こんなにも早く結婚されるなんて驚きました。和彦さんも別の女性とご婚約されていたので、こうして暢子さんを選ばれたのが意外です」って全部ぶっちゃけるから、スピーチで余計なことを言わずにちゃんと祝った智は偉い#ちむどんどん

— さくら@異界から帰還しました (@sa9raribbon) August 12, 2022

まるごとのシークァーサーは、客が皮を剥いて食べるんですか？
イタリア料理人が職場のお店で開催する披露宴なんだから、ドルチェらしくジェラートとか、ゼリーやシャーベットにしたら良かったのに……。皮を剥く時に果汁が服に飛びそう。せめてカットして出して#ちむどんどん #ちむどんどん反省会 https://t.co/HnCMnUTwVo

— さくら@異界から帰還しました (@sa9raribbon) August 12, 2022

智は帰りの飛行機の中で泣いていいよ……。
唇を噛み締めて嗚咽を漏らしてもいいし、人目を憚らずおいおい泣いてもいい。昨日と今日の仕打ちを我慢して受け続けた智には、泣く権利があるよ。
沖縄への飛行機は、私が窓側の席を取ってあげるね
(・ω・)つ(；ωと)#ちむどんどん #ちむどんどん反省会

— さくら@異界から帰還しました (@sa9raribbon) August 12, 2022

智が可哀相すぎます……。
確かに、東京に出てきてからの智は
暢子を見る目つきが常に怖かったです。
暢子との結婚を夢見て一人で突っ走っていた時は、
本当にストーカーのようで見るに堪えず、
私の中での好感度もかなり下がりました。
でもそれは、智の気持ちを知っていながら彼を誤魔化し、
下手な嘘を吐いて逃げた暢子にも非があります。
というか、暢子が曖昧にしなかったなら、
智はあそこまで暴走しなかったはずです。
今週の内容がここまで智に酷な状況になったのは、
未だに暢子たちを避けてうじうじとしている智を
無理矢理引っ張ってくることで、
彼の気持ちを前向きにさせた上で、
心機一転、改めて頑張らせようという制作側の意図を
強く感じます。
しかし、それが分かっていても
全く共感できないどころか、
まるで智がいじめられているようにしか思えず、
視聴中は開いた口が塞がりませんでした。



上記のTwitterでも触れたとおり、
まず、歌子の行動が不快でした。
かつてやたらと親切にしてくれた職場の男性を
歌子が気にするようになり、
もしや交際に発展するかも……？と意識していたら、
彼がいきなり他の女性との婚約を発表してきた
（しかも歌子の退職日だったので、話題を掻っ攫われた）
という苦い経験があったのだから、
暢子に振られた智を結婚披露宴に連れていくことが
彼にとってどんなに酷なことであるかは
誰よりも想像できるはずです。
それも、騙す手段として使ったのが仮病とは……。
これまで私の心の中では、
体が弱い歌子に対して同情していた部分もありましたが、
木曜日の放送を機に一気に消えました。
また、重子さんに贈ったカセットテープも
なんだこれ……と思える内容でした。
おそらく、あのテープの中身で大事なのは、
拙いながらも自分の気持ちを伝えようとする歌子の熱意と、
いかにも昭和の食卓の風景とおぼしき
優子による「ご飯よー」の声ですよね。
でも、見ず知らずの人（しかも目上）に
聞いてもらうものなのだから、
途中で失敗したら録音し直すのは必須でしょうし、
それを贈るなんてとんでもないことです。
良子に持ったかどうかを確認して
絶対に渡すように頼むまでのもの？と思いました。



その前に青柳家を訪れた賢秀と良子によるドタバタ劇も、
全く見ていられませんでした。
不愉快の極みでした。
この二人のやり取りは
コントとして作られたのでしょうが、
一度も笑えなかったです。
二人の言動の一つ一つに呆れましたし、
二人のことが更に苦手になりました。
良子は、手土産を持ってこなかった兄を責めるなら、
袋詰めのサーターアンダギーではなく
もっとちゃんとした菓子折りを手土産にして下さい。
賢秀は、壊したオルゴールを弁償した上で、
重子さんにきちんと頭を下げて謝ってください。

重子さんを説得する際に、良子が暢子について
「自分のことより他人の幸せを心配する優しい妹」と
評していたシーンでは、
思わず耳を疑いました。
どう考えても逆ですよね。
暢子ほど自分勝手な人はいないですし、
ウチがウチが……と、
常に自分を押し付けてばかりいます。
手作りのお弁当の件が、その分かりやすい例でしょう。
重子に自分や沖縄の良さを理解してもらおうとして
暢子は毎朝せっせと弁当を作って置いていったものの、
逆に暢子が重子さんを理解しようとは一度もしませんでした。
仮に、重子さんが暢子に詩集を押し付けたなら、
眉間に皺を寄せた暢子が
「なんでウチがこれを読まなきゃいけないんですか」と
強気に反論する様子が、目に浮かびます。



暢子の酷さも相変わらずでした。
房子オーナーの提案とはいえ、
やはり闇市料理が説得と決め手となった点は
不自然が過ぎます。
この重子さんの場合は運良く成功しましたが、
戦中・戦後の辛い記憶を呼び起こされるのが嫌で、
当時食べていたものはもう二度と食べたくないと言う人は
決して少なくないという印象があります。

加えて、料理の途中で始まった暢子の一方的な語りも、
結局、彼女自身の話で終わっていました。

感動を装った
（でも少しも感動しない）いつもの変なBGMも相まって、
聞いていて白けるばかりでした。
珍しく……というか初めて、
暢子が「私は」とちゃんとした言葉遣いをしたのに、
途中から感情的になったからか
いつもの「ウチは」になっていたのも、
暢子らしいと言えばそうですが、
私には残念だと思えました。




「ちむどんどん」は、
全体的にデリカシーに欠けるというか、
他人への配慮が足りない気がします。

大河ドラマ「鎌倉殿の13人」での北条政子の台詞が
もう的確すぎます。
これに尽きます……。

今週の放送でその最たることが、
結婚披露宴での智へのお祝いスピーチの強要でした。
その前に、暢子は誠意をもって
智にちゃんと謝罪すべきだったと思います。
智が途中で不穏なことを言い始めた時に、
優子たち比嘉家の面々が怪訝な表情を浮かべていましたが、
嫌がる彼を無理に会場まで連れてきただけでなく、
招待客として披露宴に参加させて、
しかもお祝いスピーチを強要しておきながら、
「こいつ、何か変なことを言い出すぞ……」
といった様子で感じで今さら動揺しているのが
あまりに変だったので、
私は思わず鼻で笑ってしまいました。
でも、智は大人な対応をしていましたね。

皆に自分の苦しい胸の内を知られている中で、
ちゃんとお祝いの言葉を贈れるなんて、
普通はなかなかできないと思います。
上記のツイートのとおり、私が智だったなら、
怒りの感情に任せて、
暢子にされたことを全部ぶちまけると思います。



重子さんも重子さんで、
急にコロッと変わって態度を軟化させた直後の
「しーちゃん」呼びの強要には
私も苦笑するしかなかったのですが、
その後の結婚披露宴のシーンがとにかく酷かったので、
全部吹っ飛びました。

そうそう、披露宴の食事も酷かったですね……。
沖縄料理に罪は無いけれど、
華やかさに欠ける見た目は披露宴向きではないです。
また、オーナーからの勧めがあったとはいえ、
招待客に振舞われた料理も
自分、自分……で暢子の押しつけが強く、
招待客へのもてなしとしては
全く成立してなかったように見えました。

特に、まるごとのシークァーサーは、
どう好意的に考えてもあり得ないです。
あの色のものなら皮ごと全部食べられるようで、
幼い頃から緑色のものを丸齧りしていた暢子ならではの
デザートなのかもしれませんが、
招待客に齧らせるのはどうかと思いますし、
皮を剥かせるのも手間ですし、
やはり暢子はプロの料理人なんですから、
ドルチェとして手を加えたものを客に出した方が
自然だったと思います。



あと、琉装を否定するわけではないのですが、
和彦が分厚い卵焼きを頭に乗せているとしか見えなくて、
何度か吹き出しそうになりました。

一方、暢子は、
琉装がしっかり似合っていてさすがでした。
彼女を演じている黒島結菜さんが、
元々お顔が小さくてとても痩せているので、
琉装の時はまるでお人形さんのようで可愛かったです。



他にも色々と不満に思ったことはあるものの、
とにかく結婚披露宴での智への仕打ちが酷すぎて、
私の中ではそれ以外が霞んでいる状態です。
これまで以上に、制作側の神経を疑いました。
本当にこれで良いと思って作っているのなら、
番組の責任者が視聴者に向けて
何故このような内容にしたのかのコメント（言い訳）を
発信してほしいです。
あまりに心が無さすぎます……。

次週はいよいよ暢子が沖縄料理の店を開くための
準備に入るのでしょうか。
もう散々言われてきたことですが、
たまたま三郎に紹介してもらった就職先が
イタリア料理店だっただけで、
暢子にはイタリア料理への興味や熱意が全く感じられず、
結局、そこで働いた意味も無かったように思えるのが
とにかく残念です。
予想通りとはいえ、
これなら暢子があまゆで働くだけで良かったですし、
そもそも沖縄を出る必要も無かったと思います。



続きはこちら。
【感想：NHK朝ドラ「ちむどんどん」第19週：愛と旅立ちのモーウイ*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2022-08-19