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感想@NHK朝ドラ「おかえりモネ」第21週:胸に秘めた思い*ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]

NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」の感想です。
今回は、以下の週の放送について記します。
第21週:胸に秘めた思い
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連続テレビ小説 おかえりモネ なないろ

連続テレビ小説 おかえりモネ なないろ

  • 作者: 藤原 基央
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2021/05/25
  • メディア: ペーパーバック

初回と前回の感想記事はこちら。
【感想「おかえりモネ」第1週:天気予報って未来がわかる?】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
【感想「おかえりモネ」第20週:気象予報士に何ができる?】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-10-01



第21週:胸に秘めた思い
 民宿業を再開したいと考えだした亜哉子(鈴木京香)。それを龍己(藤 竜也)は、応援する。一方、未知(蒔田彩珠)は東京の大学で本格的に研究をしないか、という誘いを受けていたが、今の仕事や将来のことなどに思い悩み断り続けていた。
 そんなある日、百音(清原果耶)の職場のコミュニティFMに、中学3年生・あかり(伊東 蒼)が現れる。授業時間にもかかわらず帰ろうとしないあかり。実は、あかりは亜哉子とある縁があった。

今週の放送も、たくさんツッコミながら視聴しました。
モネちゃんによる公共施設の乗っ取りが半端ないことに、
毎日びっくりしています。



まずはみーちゃんについて。
みーちゃんが、牡蠣の養殖の研究に対して意欲が高く、
結果をちゃんと出せていて、
周囲に認められていながらも、
実家の永浦水産の後継者問題に縛られているせいで、
東京の大学に興味があっても行けない……という状況は、
よく分かります。
これは、こうなるまでに後継者問題をはっきりさせなかった
両親と祖父が悪いです。
ただ、他の家族がみーちゃんの本心を知ったなら、
反対するどころか、
むしろ「行ってこい」と言って彼女の背中を押すでしょう。
でもみーちゃんがそれをしないのは、
元々そういうことを口に出せない性格である上に、
島に残りたいという欲も本心としてあるからだと思います。
東京の大学の研究室で本格的に学びたい、
でも実家の牡蠣の養殖も気になるし、
亮くんから離れたくないし……という感じで。
悪い言い方をすれば、みーちゃんは欲張りなだけで、
人生における取捨選択がちゃんとできていません。
なのに、みーちゃんが自分の望みと真剣に向き合わず、
「どうせみんな、私が継ぐと思ってたんでしょ」と、
島から出ない理由をわざと挙げて、ごまかしていたのは、
ちょっとずるいなぁと思いました。

そんなみーちゃんは、作中で友達が出てこないので、
相談するとなると母親か姉しかいないのに、
どちらも相談相手として難があるのが可哀相でした。
結局、みーちゃんは、
モネちゃんに悩みと愚痴を吐いていましたけれど、
何かあると「私に話して」と言う彼女は、
本当に話を聞くことしかしない
(言った人の悩みは、何故かそれで解決する)ので、
今週のように周囲の人がそれで救われるシーンが続けてあると、
「モネちゃんは女神様だなぁ」と嫌味を言いたくなります。
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モネちゃんは、せっかく地元に帰ってきたというのに、
今はパーソナリティーとしての仕事の方が、
強くなってきていますよね。
東京にいた時も、
モネちゃんが気象予報士である意味は薄かったですが、
地元に帰ってきてからは更にそれが増した気がします。
しかも今週は謎のけあらし押し!
作中で実際のけあらしの映像が流れたので、
私もきれいだなと思って視聴しましたが、
観光資源にするにはかなり弱いとも思いました。

話を戻します。
酔いつぶれたみーちゃんが
モネちゃんに車で迎えに来てもらった際に、
一方的に呑みに誘っているりょーちんに対して
「いつも同じ時間に帰される」と不満を漏らしたシーンには、
本気でドン引きしました。
嫌悪感がじわじわと湧きました。
先週の放送から、みーちゃんがりょーちんの世話を
まるで奥さんのように甲斐甲斐しく焼いていましたが、
まさか彼にお持ち帰りされるのを望んでいたとは……!
りょーちんが先週の放送で、
みーちゃんのことをザルだと言っていたのも合わせると、
彼女はりょーちんに勢いで抱いてもらうために
大して強くもない酒を延々呑んでいるということですよね。
私がその場にいたら、全力でりょーちんに
「今すぐ永浦家の人間から逃げて! 離れて!」と言いますし、
もし私自身がりょーちんだったなら、
仕事仲間に「最近さ、元同級生の妹の圧が怖いんだ……」と
相談すると思います。

そもそも、アルコール中毒になった父親のせいで
これまで散々嫌な思いをしてきたりょーちんが、
酔った勢いでワンナイトラブを楽しむとは、
とても考えにくいです。
しかも、あんな狭い人間関係の中で、
知り合いの女の子
(それも、かつて片思いをしていた子の妹)に
うっかり手を出すなんて、
破滅と絶望の未来しか見えません……。
みーちゃんも、そんな姑息な手を使わないで、
普通に手作りのお弁当やお菓子を差し入れするぐらいで
良かったのではないでしょうか。
むしろ、せっかく東京に興味を持てているのだから、
思い切ってりょーちんに告白して玉砕し、
すっきりした気分で島を出たら良いのにと
思いました。



今週は、モネちゃんが
何故かカウンセリング業に力を入れていたようで、
お母さんが密かに抱えていた罪の意識を引き出しました。
あの懺悔は……普通は逆ですよね。
教師である母親が被災時に生徒の保護を優先した事実があり、
暫くしたあと、ふとした口喧嘩が生じた際に、
実子がつい口を滑らして
「お母さんは、学校の生徒さんの方が大事だもんね」と、
普段は思ってもいないことを言うという展開になるのが
一般的だと思います。
で、今週の亜哉子さんの懺悔が
どうして一般的でない(みんなやらない)かというと、
被災時に目の前の保護対象より家族の方を心配してしまい、
本気で葛藤するのは、
人として当然のことであって、誰も責めないからです。
仮に亜哉子さんが本当に小学校を飛び出してしまい、
家族と会うために自宅に戻ったなら、
他人から非難されても仕方が無いですし、
当人の自責の念も相当強くなるので、
ドラマとして描き甲斐があるはずです。
でも結局、この時の亜哉子さんは未遂で終わっているので、
ドラマでわざわざ取り上げて描く悩みとしては
ちょっと弱いと思います。
モネちゃんの「津波を見ていない」件もそうですが、
あまり大変でなかったり、悩んで当然だったりすることを、
登場人物がさも大袈裟に鬱々と語っているのが流れると、
テレビ越しに彼らを見る私の気持ちは冷める一方です。
この時の亜哉子さんの独白についても、
彼女の辛さを感じると同時に
「それって、誰もがそうなることじゃない?」と
テレビに向かって冷静に突っ込む自分がいるのを感じました。

(10/9追記)
今、土曜日のBSプレミアムでの再放送を見ています。
この手の懺悔は、ないがしろにした方
(これで言えば当時の生徒)の前でするからこそ有効であって、
大事にした方(モネたち家族)の前で
「あなたたちのことを考えてたの!」と言っても
あまり意味は無いよなぁと思いました。
「亜哉子さんってば、子供思いで優しいお母さん」と
視聴者に思わせたいからでしょうが、
それは当たり前の感情ですし、
わざわざ言うことでもないと思うので、
(被災で心が傷付いたせいで職を辞めるのは
別におかしなことではない)
私はやはりこの作品と合わないんだということを
強く実感しました。
(追記終わり)



あと、お祖父ちゃんの牡蠣の養殖業の件ですが、
体のこともあって彼が本気で辞めたいのだとしたら、
他の家族によって全力で阻止されるのは
かなり可哀相だと思いました。
出来る範囲でというのは、良い落としどころだと思います。
というか、それしかないですよね。

亜哉子さんが塾を開くというのは、
島にいる子供の数によっては夢物語でしかないと思いました。
ただ、ここはモネワールドで、
主人公に都合が良いことが不自然に何度も起こるので、
亜哉子さんのかつての教え子が子供を預けるために
橋を渡っていちいち来る展開があってもおかしくないなと
苦笑しながら邪推しました。



来週は、ネットで見かけた情報によると、
りょーちんにモネ大明神の天罰が下るそうですね。
このドラマでは、
モネちゃんに厳しいことを言った人が
後で辛い目に遭うのがお約束なので、
これを見た瞬間は「やっぱり」と思いました。
しかも、りょーちんは、
モネちゃんの勧めに従わなかったところ、
海で危ない目に遭うようで……。
主人公の頑張りや成功がドラマとして重要なのは当然ですが、
この作品は、それをする際に必ず他のキャラを下げる点が
好ましく思えないです。



続きはこちら。
【感想@NHK朝ドラ「おかえりモネ」第22週:嵐の気仙沼*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-10-15-1



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2021-10-08 13:13 
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