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感想@NHK朝ドラ「おかえりモネ」第20週:気象予報士に何ができる?*ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]

NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」の感想です。
今回は、以下の週の放送について記します。
第20週:気象予報士に何ができる?
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連続テレビ小説 おかえりモネ なないろ

連続テレビ小説 おかえりモネ なないろ

  • 作者: 藤原 基央
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2021/05/25
  • メディア: ペーパーバック

初回と前回の感想記事はこちら。
【感想「おかえりモネ」第1週:天気予報って未来がわかる?】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
【感想「おかえりモネ」第19週:島へ】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-09-24



第20週:気象予報士に何ができる?
 気象班や汐見湯の面々に見送られ、百音(清原果耶)はウェザーエキスパーツの地方営業所スタッフの立場で、気仙沼へ戻る。そして市役所に勤める悠人(髙田彪我)の協力で、まずはコミュニティFMで、気象情報を伝えることに。
 そんな中、永浦家に亮(永瀬 廉)や三生(前田航基)ら幼なじみたちが集まる。そこで、亮から「なぜ島へ戻ってきたのか?」と百音は問われ、地元のために働きたかったからと答えると、亮からは思わぬ言葉を突き付けられる。

今週の放送を観ていたら
「気象予報士に何ができる?」
「情報の押し売りです!」
との会話をしたくなりました。
毎日毎日、変なツッコミどころが必ずあるのが、
本当に凄いです、このドラマ……。



地元の人々が被災にもめげずに頑張る姿を見て、
私もその中に入りたい、誰かの役に立ちたいと望んだことから、
東京での華々しい活躍を捨てて地元に帰ってきたモネちゃん。
モネちゃん自身が何度となく口にしているとおり、
彼女は周囲の皆を喜ばせたいから
地元の気仙沼で仕事をするとのことですが、
彼女を出迎える側(友人含む)はその帰還を喜ぶどころか、
複雑そうな心境を顔に滲ませていました。
声優の山ちゃん演じる遠藤課長も言っていましたが、
本当に「どうして戻ってきたの?」ですよね。
しかも、誰かに厳しいことを言われても、
モネちゃんは何も反論せずに
「え……?」ときょとん顔をして流すので、
表面化している問題が解決することはまず無いという。
今回も、課長との会話は中途半端に終わって
彼女の具体的な答えは無く、
代わりに聞かされた提案(けあらしツアー)は
ビミョーでした。
これには、見ている私も消化不良になり、
不快感ばかりが残りました。



地元のいつメンの飲み会については……
みーちゃんとりょーちんが、
恋人として付き合っているわけではないものの、
明らかに以前より二人の心の距離が縮まっているのか、
既に熟年夫婦のようなこなれた空気があったのが嫌でした。
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特にみーちゃんが、
いそいそと世話焼き女房感を出していたのは
ちょっと見ていられなかったです。
がつがつし過ぎ。



そのりょーちんは、
理想を掲げて帰郷したモネちゃんに向かって
「それは綺麗事だ」と痛烈な言葉を放ちました。
もう……よく言ってくれたよ、りょーちん……。
その通りだよ……!
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モネちゃんにしてみれば、
自分のしたいことをしているだけなので、
そんなふうに咎められても心に響かないのかもしれません。
直後の母親との会話で、
彼の批判を受け止めつつも気にしないという感じで
話を終えていたのが、
悪い意味で非常に印象的でした。
りょーちんは、モネちゃんと幼馴染みであるからこそ、
他の皆が言いづらいことを敢えて指摘したのに、
そう言われても当の彼女が自分の非を探そうとしないのは、
どうなのかと思いました。

モネちゃんが婚約者を放って地元に帰ってきている時点で、
地元の皆に「結婚までの腰掛けなの?」と怪訝に思われ、
仕事に対する真剣度を問われるのは、
当然のことだと思います。
しかもモネちゃんは、これまで
「今の仕事に不満は無いけれど、
やりたいことが新たにできたからそっちに行く」と言って、
二度も軽々と転職しており、
今回の帰郷についても、
「数年働いて、飽きたらまた出ていくのかもしれない」と疑われても
仕方が無いはずです。
それに、嫌でも地元から離れられない人々にしてみれば、
逃げるようにして地元を離れたモネちゃんが、
転職で東京に行き、テレビの人気者になったのに、
取ってつけたような言い訳をして今さら戻ってくるのだから、
もやもやする感情があってもおかしくないです。
加えて、特に辛い目にあったわけではないけれど、
東京を捨てて地元に帰ってきたとの事実だけで、
彼女を迎える側は押しつけがましいと感じるかもしれませんし、
面白くないと思う人もいるかもしれません。
(家族の死や介護といった不幸があれば、話は別)
更に言えば、
モネちゃんが気仙沼に帰ってこなくても、
地元の人々は別に困っていないのに、
彼女から一方的に、
「私は皆の役に立ちたい」「私は皆の喜ぶ顔を見たい」と
事ある毎にじめじめとした空気で言われるのは、
かなり煩わしいと思います。
こう、モネちゃんが頻繁に
「助けたい」や「役に立ちたい」と連呼するのを見ると、
彼女の中には無意識レベルで
地元の被災者に対する憐れみが
ないわけでもないように思えます。
感謝されたい欲が強いのも、いちいち気になりますし……。
そもそも、大きな会社の肩書があるとはいえ
モネちゃん一人で何ができるのかというのは、
未だに大きな疑問です。



気仙沼に帰ってきたモネちゃんは、
地元のコミュニティFMにて、
PCのAIが天気予報を読み上げているのを知り、
自分が代わりにボランティアでそれをやると決めました。
これ、普通のお話なら逆ですよね。
人手不足・資金不足でコミュニティFMの番組が継続できない
→天気予報のコーナーを潰さざるを得ないかも
→じゃあ、文章を自動で読み上げてくれるAIを開発しよう
→人やお金がなくてもこれで大丈夫
という流れになるのではないでしょうか。
それを、モネちゃんの到来により、
わざわざアナログに戻すというのには、失笑しました。
モネちゃんはいつものささやき声なので、
実はAI読み上げの方が聞きやすいというオチ付きであったのも、
ツッコミ甲斐がありました。
しかも、誰にも頼まれていないのに
モネちゃんが勝手にやろうと決めた仕事が
無給(ボランティア)であることに対し、
不満そうに「しょうがない」と母親に愚痴る始末だったのには、
心底呆れました。
ここはもう、見ていて、
「いやいやあなた、WE社から基本給を貰ってますよね」
「無給が嫌なら止めればいいのに」
「皆はAIの天気予報で十分だったのに、
あなたが勝手にやらせてって頼んだんじゃん」と
作品への不満が幾つも出ました。

更に言えば、モネちゃんが着任して早々に、
気仙沼市の公共施設の一角を
WE社の気仙沼支社として使っているのには、
もうもうもうもうびっくりしました。
この作品の世界では、
役所の手続きというものが無いのでしょうか。
賃料は?
たかがお天気を読み始めただけで、
すぐに彼女だけが専用の部屋を借りられるなんて、
ちょっとあり得ないです。
彼女が喜々としてステッカーを貼っているシーンは、
唖然としっぱなしでした。
私の勝手なイメージですが、
市町村の公共施設を民間の会社が間借りする際は、
相応の審査が事前に必要で、
結果が出るのに時間を要するものだと思っていました。
モネちゃんがすぐに会社のステッカーを貼り出し、
ここは自分の縄張りだとのアピールをしていたのには、
違和感しかなかったです。



そして、実際にモネちゃんが行なったお天気の放送も
随分と酷いものでした。
初回のあれは、ホラーといっても過言でなかったです。
怖い。
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天気予報をピンポイントに伝えていくということは、
その焦点から外れた人には役に立たない情報を流すということに
なると思います。
モネちゃんの場合、
漁業・農業……と対象を細かく分けて、
順番に情報を伝えていましたが、
それを聞かせられる側からすると、
自分の番が来るまで(来た後も)
延々と必要の無い情報を流されるのは苦痛でしょう。
しかも漁師に対して
「今日は午後から漁に出てください」と言っていたのには、
耳を疑いました。
漁師は早朝(というか深夜過ぎ)に海に出る印象が強いのですが、
気仙沼では違うのでしょうか。
午後に海に出るとしたら、
朝のセリはどうするんでしょうか。
それに、朝七時の放送が流れている時点で、
ほとんどの漁師はもう沖にいるのでは?
船によっては、
既に港に帰ってきている時間でもあると思います。
その人たちに向かって
「今日は午後から漁に出ましょう」と聞かせるだなんて、
笑い話にもならないです。
(10/2追記)
今、土曜日のBSプレミアムでまとめて放送されている分を
ながら見していたのですが、
ここでのモネちゃんは
「漁港で働く方は~」と言っていたようでした。
沖に出る漁師さんに向けた放送ではなかったようなので、
彼女が午後からの仕事を促すのは正しいのかもしれません。
(追記おわり)


気象予報はあくまで情報に過ぎず、
それを受け取った側がどう行動するのかについては、
良くも悪くもその人の自由です。
災害から人々を守るために
気象予報士が皆に強い言葉を放つ時がありますが、
それは特例であって、
普段から行動を細かく強いてくることはまずありません。
でもモネちゃんは、誰に対しても、
強い口調であれこれと煩く指示するんですよね……。
モネちゃんは親切心で提案しているつもりなのでしょうが、
彼女の口ぶりや態度からは命令しているように思えるので、
いつも怖いです。



今日(金曜日)の放送も、驚かされると同時に呆れました。
モネちゃんは、気象予報士ではなく、
新興宗教の預言者になったのかと思いました。
予報が当たって高級アワビを貰っていたシーンも、
まるで信者から貢ぎ物を贈られているようだと思えてしまい、
苦笑が漏れました。
アワビの開口日についても同様です。
お祖父ちゃんとの会話で、
ここは気象予報士の売り込みどころ!と気付き、
奮起したモネちゃんが、
電話にて情報の押し売りをするところは、
詐欺の手口を見ているようでもありました。
そして、全てがモネちゃんの言うとおりになった結果、
彼女の予報(予言)を聞かされた人が、
その正確さに深く感動して、
彼女への感謝を口にしながら笑みを浮かべていたのは、
主人公に都合が良いドラマでは当然の流れとはいえ、
不自然さが強くて、呆気に取られてしまいました。
古代の卑弥呼も、このような感じで
シャーマンとして人々から崇められていたかもしれないと、
つい意地悪な想像をしたこともあり、
「あぁ……モネちゃん凄いねー。凄いわー」と、
嫌味のつもりの感嘆が心の中で何度も出ました。

モネちゃんの予報を受けてお祭りの開催が延期になり、
その責任を変に感じたモネちゃんが
一人でそわそわしていたシーンは、
予想通りに悪天候になるのを祈っているようで
(本来は悪天候にならない方が良いのに、
気象予報士がそれを望んでいるのがおかしいという点で)
描き方が悪いなと思いました。
これ、たとえば天気と予報を逆にして、
当日は悪天候らしいからお祭りの開催を延期(中止)しよう
→モネちゃんの予報では、その日はお祭りに最適の天気
→モネちゃんの説得で、思い切ってその日に開催することに変更
→当日はモネちゃんの予報が当たって大団円
という流れの方が良かったと思います。
勿論、この作品は、
「天気予報で人を危機から守る・救う」というのが主題なので、
この日は強風が吹くと事前に分かっているのに
お祭りなんて開催させられないというモネの主張が大事なのは、
言うまでもありません。
しかし、予報通りに悪天候になるのを喜ぶというのは
なんか違うなと思っています。
とはいえ、この作品は「なんか違う」と思うことばかりで、
今さらなんですけれども。
東京編からは本当に、
「またまたモネ上げエピソードだ」と冷ややかに見ながら、
テレビの前であれこれと文句ばかりを言っている日々です。



続きはこちら。
【感想@NHK朝ドラ「おかえりモネ」第21週:胸に秘めた思い*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-10-08-1



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2021-10-01 15:49 
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