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感想@NHK朝ドラ「おかえりモネ」第19週:島へ*ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]

NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「おかえりモネ」の感想です。
今回は、以下の週の放送について記します。
第19週:島へ
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連続テレビ小説 おかえりモネ なないろ

連続テレビ小説 おかえりモネ なないろ

  • 作者: 藤原 基央
  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2021/05/25
  • メディア: ペーパーバック

初回と前回の感想記事はこちら。
【感想「おかえりモネ」第1週:天気予報って未来がわかる?】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
【感想「おかえりモネ」第18週:伝えたい守りたい】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-09-17-1



第19週:島へ
 大型台風が去った直後、気仙沼の百音(清原果耶)の実家近くで竜巻が発生する。家族は無事だったが、龍己(藤 竜也)のカキ棚が大きな被害を受ける。ちょうど東京に来ていた菅波(坂口健太郎)は、結婚について百音と話そうとしていたが、百音は急ぎ故郷に向かう。そして、久しぶりに家族や幼なじみと再会する。
 一方、菅波はかつて新人時代に診察を担当した元ホルン奏者・宮田(石井正則)と偶然出会う。

ここ数か月は、
「酷いな」と思いながらも欠かさず放送を観て、
苦笑いをしたり呆れたりしているのですが、
その酷さが毎週更新されているのが凄いです。
今週最後の、モネちゃんのプレゼンの一部が通って、
彼女が会社に籍を置いたまま島に帰れることになった厚遇には、
驚きすぎて目が点になりました。

勿論、ドラマ制作は一人でできず、
脚本家もスタッフの一部でしかないので、
このように仕上げたことに対して責任を負うのは、
作品の代表者である監督でしょう。
それでも「何なんだろう、この脚本は」と思うことが
非常に多いです。
プレゼンの時にモネちゃんが駄目押しとして
「個人的なことなんですが……」と始めた被災の話は、
相変わらずよく分からない台詞でしたし、
話のピントもずれていて、
「何を言っているんだ、この子は」と苦笑が漏れました。
島に帰った時の、父 耕治さんとの会話で
「タクシーで帰ってきたのか」という問いに対し、
モネちゃんの「橋を渡ってきた」との返しも
非常に変だったと思います。
島民にとってあの橋は、ようやく念願が叶ったもので、
特別であるからこそのモネちゃんの台詞なのでしょうが、
会話としては少しずれていておかしい
(問いの答えになっていない)のが
とても気になりました。
制作陣は、これを良いと思い
敢えてこういう言い回しをさせているはずなので、
根本的に私の好みとは合わないのだということを、
この手の台詞が出る度に思わされています。
また、一時的ながら、
モネちゃんの誕生日に合わせて帰郷させているのも
ビミョーでした。
予期せぬモネちゃんの登場により、
永浦家に集った皆は夜中にもかかわらず盛り上がり、
彼女の誕生日を皆で興奮しながら祝うという流れを見ても、
私は微笑ましいとはとても思えませんでしたし、
気持ちは冷める一方でした。



話を戻します。
モネちゃんが社内プレゼンの最後に、
被災の話を唐突に出してきたのはずるいと思いました。
それを聞かされる方は、
彼女の心情を絶対に否定できないですし、
同情したり共感したりしないと悪者になりますよね……。
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気象予報士の資格を持つ者が気象業務に携わるにあたり、
個人ではできないらしいことから、
モネちゃんが望む気象関係の仕事を島でするには、
そういった会社に就職していることが大前提のようです。
なので、
・島やその近辺ではそういった業種の会社が無い
・今の会社が持つデータベースにアクセスできないと不便
という理由で、
地元に帰りたいけれど今の会社は辞めたくないというのは、
モネちゃんにしてみれば当然の主張なのかもしれませんが、
ちょっとわがままが過ぎます。
会社に多大に貢献した社員が冗談で言うならまだしも、
アルバイト上がりのコネ採用で、
まだ数年しか働いていないモネちゃんがこれを堂々と言うのは
いくらなんでも図々しいです。
その前に、島に帰るために仕事を辞めると安易に口にしたのも、
大人としてどうなのかと思いました。
尤も、かつてモネちゃんが森林組合を辞めた時も
彼女自身のわがままが理由なので、
彼女は仕事を投げ出すことに抵抗が無いのかもしれません。
その前に島を出たのも、
息が詰まる実家や島から逃げるためでしたし。

そんなモネちゃんに対するWE社の社長さんの行動も、
実に失笑ものでした。
あのプレゼンのどこに感動できるというのか……。
それに、二年間も基本給を払い続ける他、
支度金として三十万円も贈るのは、
贔屓のし過ぎに見えました。
この会社がモネちゃんにこんな高額を払うのなら、
以前、社長さんに提案を拒否された野坂さんにも、
同じかそれ以上の金額を提供してほしかったです。
野坂さんの案の方が
よほど現実的ですし、まともだと思えます。

加えて、モネちゃんがビミョーな関係である妹に対して
「私、こっちに帰ってきてもいい?」と直に聞き、
「みーちゃんが嫌なら止める」と駄目押ししたのは、
いささか卑怯だと思います。
モネちゃんの圧が強すぎます。



土曜日に放送された次週の予告を観たところ、
モネちゃんは地元に密着したコミュニティFM番組を
その準備金で始めるのでしょうか。
正直なところ「今さらコミュニティFM?」と呆れますし、
特定の地域の情報を集めてその地域に流すだけなら、
ネット回線を使えば東京にいてもできるのではないかと思ったので、
またしてもツッコミどころが満載なんだろうなと、
悪い意味で期待をしています。



さて、今週は序盤で
菅波先生によるモネちゃんへのプロポーズもありました。
東京編では舞台セットを限定しているのか、
場所が銭湯カフェかコインランドリーかWE社かテレビ局
という選択肢しかないようです。
更に、モネちゃんと菅波先生が愛を育んできた(笑)場所が
コインランドリーとあっては、
彼がプロポーズをする場所もここしかなかったのでしょうが、
私には好ましく思えませんでした。
モネちゃんが鍵を投げ返した所の方が良かったのでは?
加えて、菅波先生のプロポーズそのものも酷かったです。
他人との会話にも恋愛にも慣れていない、
昔から勉強一筋だったようなタイプの人間が、
緊張してわけが分からなくなって暴走した結果、
自分のこだわりばかりが気になってしまい、
あんなふうに変な言動をしたのだとは分かりましたが、
そんな菅波先生には全くときめかなかったです。
ドラマでのプロポーズのシーンなんて、
主人公がする側でもされる側でも
非常に特別であってほしいと望むはずなのに、
ここまでどうでもいいと思ったのは初めてですし、
実際、胸キュンとは程遠かったです。
そういえば、このプロポーズは、
モネちゃんが具体的な返答をしないまま保留になるという
不思議な結果になりました。
結婚相手をキープ、会社員としての肩書と給料もキープで
好きなことだけをやろうとするモネちゃんの無双っぷりは、
主人公に都合の良い展開が続くという点で
「朝ドラあるある」なのかもしれませんが、
今作はそれが特に強い(+酷い)と感じています。
所詮はドラマなので、
物事が上手く運ばないと話が進まないのは理解できるものの、
この作品に対しては
「私が観たいのはこういうのじゃない」と思ってしまいます。

私がモネちゃんの恋愛を楽しめないのは、
このドラマの主題は気象予報士の仕事なのだろうという
勘違いをしていたせいで、
予想以上に恋愛パートが多めであることに抵抗があるのが
一番の原因なのですが、
菅波先生と一緒にいるモネちゃんを見ていても
彼女が彼を好きだと伝わってこない点も大きいです。
たとえば、先週の放送で、
銭湯の椅子に二人で並んで腰かけているシーンでは、
モネちゃんの上半身は
菅波先生がいない方に大きく傾いていて、
まるで嫌いな人から逃げているようでした。
(仕方なく並んで座っているけれど、
嫌だという感情が体勢に出てしまっている感じ)
今週のプロポーズも、
島から帰ってきたあとにそれが保留になった時も、
更に言えばその前も、
「本当にモネちゃんは菅波先生のことが好きなの?」と
疑問に感じることは度々ありました。
これについては、
変な台詞を言わされている影響もあるのでしょうが、
清原果耶さんの演技にも問題があると思っています。
ぶっちゃけ、りょーちんと一緒の時の方が
嬉しそうで幸せそうで楽しそうに見えます。

清原さんについては、
以前は頻繁にあった口をぽかんと開けた表情が
かなり少なくなってきているのは、
良かったと思っています。
しかし今は、彼女が涙を拭う仕草が不自然なので、
いちいち気になっている状態です。
モネちゃんが泣くシーンでの清原さんは、
アイメイクが崩れるのを気にしているのか、
普通に手を目元にやることはせず、
代わりに左右の顎を順々に拭うんですよね……。
モネちゃんがつーっと一筋の涙を流す点についても、
震災当日の過去回想で見た時は上手いなと思ったものの、
こう頻繁に、お気持ち表面と共にそう泣かれたのでは、
さすがに飽きます。

とはいえ、時々挿入される過去回想シーンを見ると、
今と違ってモネちゃんがきらきらしていて、
素直に「あぁ可愛いなぁ」と思えていますので、
やはり東京編での彼女は顔が死んでいるんだなと
改めて実感しました。
次週から舞台が宮城に戻ることですし、
彼女自身も昔のきらきらをとりもどしてほしいです。



あと、書くタイミングが無くて
ここまで引っ張ってしまいましたが、
元患者のホルン演奏についても「何だこれ?」と思いました。
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菅波先生のトラウマ解消エピソードである上に、
モネちゃんの音楽エピソードとも関連付けられるので、
きっと一石二鳥のつもりで入れられたのでしょうが、
彼との再会も銭湯での演奏も不要だったと思います。
何より、元患者が持ってきたホルンを見ても、
モネちゃんはどうでもいいと思っていたのか、
全く興味が無いような顔をしていたのには、
ツッコミを入れずにはいられませんでした。
ホルンの演奏に感動したらしいモネちゃんの台詞も、
いつものとおり、
どうせ口だけなんだろうなと思えましたし……。
加えて、元患者を演じる石井正則さんが、
ハキハキと喋るせいで台詞がとても聞きやすかったので、
モネちゃんと菅波先生がいかにぼそぼそと喋っているかを
痛感させられました。
たまに二人が何を言っているのかが聞き取れない時があり
ちゃんと理解しようと思って放送を何度も見たり、
ネットでの台詞の書きおこしを読んだりして
ようやく理解した結果、
どうでもいいことだと分かった時の徒労感たるやもう……。

本当に、様々な点で粗が目につきます。



続きはこちら。
【感想@NHK朝ドラ「おかえりモネ」第20週:気象予報士に何ができる?*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-10-01



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2021-09-25 21:11 
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