アニメ「アイドリッシュセブン Third BEAT!」感想 第12話:簒奪の準備*ネタバレあり [アニナナ感想]
アニメ「アイドリッシュセブン Third BEAT!」
第12話「簒奪の準備」の感想です。
以下の記述には、先の展開を含むネタバレがあります。
アイドリッシュセブン Third BEAT! 1 (特装限定版) Blu-ray
- 出版社/メーカー: バンダイナムコアーツ
- 発売日: 2021/09/28
- メディア: Blu-ray
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第12話のあらすじはこちら。
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寮に「ナギのオタク友達」と語るソルヴァルドが訪ねてくる。ソルヴァルドは寮のセキュリティを心配したと言うが、その真意は陸たちにはわからなかった。そんな時、龍之介と人気歌手・花巻すみれの熱愛が報じられる。
TRIGGERに仕掛けられた罠のうち、
八乙女楽くんに対するものが
今週の放送でまとめて描かれました。
楽くんが小鳥遊紡ちゃんに向かって
「振り回してごめん」と謝るシーンでは、
二人の辛そうな顔が非常に印象的で、
とてもせつなかったです。
状況が分からず、ただ戸惑う七瀬陸くんの表情や声も
大変良かったです。
今週は、楽くんが紡ちゃんに声をかけるシーンから
始まりました。
いつものように、
親しみを込めて「紡!」と名前呼びをして会話を始めたのに、
周囲の視線を感じた途端に「小鳥遊さん」呼びに変えたのは、
仕方ないというか、
若手の人気アイドルという楽くんの立場を思うと
寧ろ常にそうするべきであるはずなので、
「え? 今さら?」と
笑いながらツッコミを入れたくなりました。
でも、ここから楽くんの決意に繋がるかと思うと、
せつなさも感じてしまいます。
直後の紡ちゃんが罠をすり抜けただけでなく、
IDOLiSH7の売り込みに繋げていたのが、
仕事を大事にしている感があって好感を持てます。
そして楽くんも、片思いの恋に浮かれることなく、
しっかりと罠を跳ね除けていました。
先週の十龍之介くんの一件も合わせると、
了さんが仕掛けた罠は
二人の弱みに付け込む形で仕掛けられたようだと
よく分かります。
罠については、原作のアプリゲーでも
九条天くんだけ描写が無かったので、
アイドルとして日ごろから完璧な言動をする彼には
他人が付け込める隙が全く無かったのか、
実は彼にも罠が仕掛けられていたのだけれども
自覚の無い天くんが難無く躱していたのかなと
勝手に想像しています。
一方、IDOLiSH7の寮に、
六弥ナギくんの知り合いだというソルヴァルドが
やって来ました。
ナギくんが他のメンバーには秘密にしたい会話をする時、
ノースメイア語と思しき字幕を出しつつ、
音声は日本語というのが斬新で面白かったです。
普通は逆なので、
ノースメイアという国が架空であるがゆえでしょう。
意味が分かった上で会話を聞くと、
二人は主従の関係にあることや、
ナギくんが只者ではないということが伺えるので、
とても面白かったです。
ノースメイア語で話しているのだから
他のメンバーに内容を知られることはまずないのに、
途中でソルヴァルドが言い方を敢えて変えて
彼の友人として振舞うシーンが、
私は特に好きです。
そして、人気芸能人同士のスキャンダル報道に、
世間が沸きました。
真実を知らない一般人が、
与えられた情報の一部を想像で膨らませて
好き勝手にあれこれ言うのは、現実と同じですね……。
これ、よく見ると、
第三者(ナギくん)もいると分かるのに、
姿のほとんどが木に隠されてしまっているせいで、
二人だけで会っているように見えるのが
非常に上手いです。
この構図は凄い。
熱愛報道だけなら
鼻で笑いながら受け流せたでしょうが、
ここに花咲すみれさんの移籍問題が深く絡み、
十龍之介くんは勿論のこと、
彼が所属するTRIGGER、そして八乙女事務所まで
悪い印象が付いてしまうのが痛いです。
花咲すみれさんについては……
八乙女社長や姉鷺さんにしてみれば、
「何してくれんだ、こら」って感じですよね。
以前も書きましたとおり、
アプリゲーより病んでいる感じが無いのが救いです。
TRIGGERと八乙女社長、姉鷺さんが話した後、
彼らの危機を知ったらしいRe:valeが、
わざわざ駆けつけ、
彼らに謝りながら説明をしてくれました。
こういうところが
Re:valeの素晴らしい所だと思います。
そして、了さんがアイドルたちを欲するのは
理不尽な理由からですし、
最初のターゲットにTRIGGERが選ばれたのは
ŹOOĻの亥清悠くんの望みだったからなので、
彼らが恨みを買う理由に思い当たらないのは当然でした。
そんな中、強いて言えばという感じながらも
悠くんのことをすぐに思い出した天くんはさすがです。
龍之介くんが、すみれさんとの例の現場に
ナギくんも一緒にいたのを思い出したことから、
彼に証言を頼もうという流れになりました。
でも、当の龍之介くんは、
ナギくんを巻き込みたくないと言ってそれを拒否し、
ナギくんはナギくんで、
自分のプライドが彼の気遣いによって傷付けられたと
怒ってしまいました……。
二人ともちょっと感情的になっているせいか
変に意固地になっていました。
証言することについて、
当初はナギくんも快諾していたのに、
龍之介くんの言葉を聞いて拗ねた末に断った流れが、
会話の妙でした。
とても面白かったです。
ずっと凄く深刻な場面が続いていたので、
ちょいちょい挟まれるSDキャラの絵に
少し救われました。
可愛い。
そういえば、アプリゲーでは、
楽くんがナギくんにネットスラングを教えるシーンが
あったと思うのですが、
(実際はネットスラングというより古いJK用語)
ばっさりカットされていたのが残念でした。
楽くんが「テヘペロ」などと言うのも
映像で見たかったです。
会話が平行線のままで交わりそうにないのを受けて、
二手に分かれて行動することになりました。
直情型の楽くんと和泉三月くんが
月雲了さんとの接触班になり、
冷静に会話ができる二階堂大和くんが
すみれさんとの接触班になるあたりも
上手いなぁと思いました。
大和くんは、仮に了さんと会う方になったとしても
ちゃんと上手くやれるでしょうが、
楽くんがすみれさんと会っても
事態は好転しないように思えたので……。
それにしても、
龍之介くんが良い人だからこそ、
そこに付け込まれて罠に嵌められただけでなく、
ナギくんに協力を求めれば窮地から脱せるかもしれないのに
未成年を巻き込みたくないと言って拒否した一方で、
龍之介くんが良い人だからという理由で
皆が進んで協力しようとするのが、とても良かったです。
IDOLiSH7もTRIGGERもRe:valeも最高すぎます!
最後は、楽くん推しにはたまらない、
彼と紡ちゃんの会話で締められました。
もしアイナナが恋愛要素強めのゲームだったなら、
この二人の関係は勿論のこと、
ここでの楽くんの台詞も違っていたと思います。
アプリゲーでこのシーンのテキストを最初に読んだ時は、
楽くんの「気に入っているんだと思う」との台詞が
あまりに遠回しな言い方過ぎて、
歯がゆさを通り越して少し呆れそうになったのを覚えています。
「この期に及んで、まだ『好き』って言わないの」と
思ったからです。
しかし今回の放送を観ていたら、
ダイレクトに「好き」との単語を発せない
(もし言ったら余計に紡ちゃんを困らせてしまう)
楽くんの辛い心境を、
あれこれと想像したくなり、
彼のことをより好きになれました。
立場上、遠回しな言い方しかできないけれど、
今の気持ちをちゃんと紡ちゃんに伝えた上で、
しっかりと頭を下げて心から詫びるのが、
楽くんなりの筋の通し方というか、
誠意の見せ方だったんだと思います。
一方、紡ちゃんの気持ちは、
ゲームでの彼女の立ち位置が
プレイヤーの代理でもある仕様からして、
今後もまず描かれることはないであろうことが
少し残念です。
とはいえ、龍之介くんとすみれさんの件もそうですが、
年頃の男女が仲良さそうにしているだけで
その関係を恋愛だと決めつけるのは、
偏った見方なので、
「人として好きだけれど恋愛ではない」のを貫く紡ちゃんも
見てみたいと思っています。
とりあえず、彼女には引き続き、
仕事最優先で頑張ってほしいです。
さて、次週の予告では、
スポットライトを浴びるŹOOĻが登場しました。
これまでEDを担当していたTRIGGERを乗っとる形で、
次週はŹOOĻがそこで曲を披露するのでしょうか。
アニナナの特殊EDは毎回素晴らしいので、
来週のも期待しているのですが、
同時に悲しい気持ちに襲われるのは間違いなく、
今から怖いです。
続きはこちら。
【アニメ「アイドリッシュセブン Third BEAT!」感想】
第13話:狂気と破壊のテトラルキア*ネタバレあり
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-10-05
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2021-09-20 23:19
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