感想@進撃の巨人 最終話「あの丘の木に向かって」*ネタバレあり [アニメ・ゲーム・漫画・小説]
諫山創先生の漫画「進撃の巨人」
最終話 あの丘の木に向かっての感想です。
以下の記述にはネタバレを含みます。
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2021年4月9日(木)
とうとう……とうとう「進撃の巨人」の連載が終わりました。
マガポケでは本日零時から配信開始だったものの、
最終回は紙で読みたかったので、
朝になってから近所の書店やコンビニ、スーパーを回りましたが、
残念なことに全滅でした。
そこに雑誌があったと思わしき場所だけがぽっかり空いているのを
何度も見る羽目になりました。
帰宅後、マガポケで読みました。
https://pocket.shonenmagazine.com/
「進撃の巨人」は1話150P(150円)で読めるので
ピンポイントで読みたい場合は特にお勧めです。
この最終話で明かされたエレンの真の狙いについては、
テレビアニメ「コードギアス 反逆のルルーシュ」の
最終回と同じだったことから、既視感が強かったです。
とはいえ、人々の憎しみを敢えて自分に向けさせた上で、
親友の手で自分を討たせ、
救世主として崇められる親友にその後の世界を任せるという展開は、
私のツボだったことから、
この「進撃の巨人」でも大変好意的に読みました。
加えて、以前からこうなのかもしれないとも想像していたので、
特に意外性は無かったのですが、
落ち着くところに落ち着いたという印象が強く、
良い最終話だったと素直に思えました。
エレンとアルミンの会話では、
当初は二人とも少年だったのに、少しずつ成長していき、
最後は今の二人の姿になったのも良かったです。
会話の流れでアルミンがエレンを感情的に殴ったのも、
エレンがミカサへの本当の想いを吐露したのも、
良いとしか言葉が出ません……。
エレンのミカサに対する想いを引き出せたのは、
アルミンでなければできなかったはずです。
ミカサに対して酷い言葉を放ったエレンも、
実は恋愛として彼女を好きだったんですね。
これについてはずっと疑問でしたので、
最後にちゃんと知ることができて嬉しかったです。
あんなエレンを見てしまったら、
彼にも生きていてほしかったですし、
ミカサに想いを告げて結ばれてほしかったです。
でも決して私利私欲でないとはいえ
これまでエレンがしてきたことはあまりに酷く、
その自覚があった彼は責任をちゃんと取ってしまいました。
主人公だからといってエレンを例外にしなかった厳しさは、
「進撃の巨人」らしかったです。
でも、ミカサはエレンのことをずっと思い続けているようです。
それはまさにエレンが望んだ
「十年以上は引きずっていてほしい」状態にあるものの、
作中の彼女を見る限り不幸せそうな印象は受けません。
普段「引きずる」という単語は悪い意味でしか使用しませんが、
ミカサはそうなりながらも幸せになっており、
結果的に彼の望みは両立された上で達成されていると思いました。
さて、ミカサの選択(エレンの首を切った)ことにより、
始祖ユミルの思いが解放され、
ユミルの民たちが持つ巨人の力も消えました。
これにより、先月号の悲劇が一転しました。
正直に言えば、都合の良い展開だったと思います。
でも、あまりにも辛くて苦しいことばかりだった世界にとって、
この展開は救いです。
何より私は、先月号を読んでこうなってほしいと願っており、
こうなってくれて本当に本当に嬉しかったです。
ジャンやコニーが元に戻ったのは勿論、
他の誰よりも巨人の力に苦悩していたライナーが解放されたことに
安堵しました。
ライナーについては、以前の話で母親が改心したこともあり、
巨人でない彼自身を彼女に認めてもらえたのも感動的でした。
アニが彼女の父親とやっと抱擁できたのも、良かったです。
そして兵長!
無念のうちに散っていった調査兵団員の魂を背負っていた彼も、
これで少しは楽になれたでしょう。
皆が捧げた心臓には、やはり高い価値がありました。
今回は、亡くなった皆がいたからこそ迎えられた結末です。
また、ジャンとコニーが見たサシャが笑っていたのには、
亡くなった人の思いが集約されているようでした。
勿論、サシャがそうであってほしいという
ジャンやコニーの願望も含まれているでしょうが、
きっと彼女を含めた故人たちの思いも同じであったはずです。
物語の終盤で
「戦争が無くなってめでたしめでたし」とならなかったのも
さすが「進撃の巨人」でした。
争いは無くならないとの前提の上で、
それでも平和の道を模索し、実行するのは大事だと、
読者に強く示しているようでした。
最後の最後、ミカサが一人でいるシーンもとても印象的で、
私は泣かずにはいられなかったです。
十年以上どころか、きっと一生、
ミカサはエレンのことを引きずるでしょう。
でも上記の通り、それは決して不幸せなことではなく、
ミカサは幸せな感情を抱きながら
記憶の中のエレンと共に生きていくんだろうなと思います。
良い終わり方でした。
読み終わった瞬間の気持ちは、
「感無量」という表現がぴったりでした。
短い間でしたが、この壮大な物語をリアルタイムで追えて
とても幸せでした。
最後を読んだら、また最初からこの作品に触れたくなりましたので、
今後は単行本やアニメで振り返っていこうと思います。
諫山先生、本当にありがとうございました!
2021-04-09 12:22
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