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感想:NHK朝ドラ「らんまん」第20週:キレンゲショウマ*ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]

NHKの連続テレビ小説(朝ドラ)「らんまん」の感想です。
今回は以下の放送について記します。
第20週:キレンゲショウマ
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以下の記述にはネタバレを含みます。

NHK連続テレビ小説 らんまん 上

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  • 出版社/メーカー: NHK出版
  • 発売日: 2023/03/20
  • メディア: Kindle版

【感想:NHK朝ドラ「らんまん」】
初週(第1週):バイカオウレン
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-04-07
前週(第19週):ヤッコソウ
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-08-12



「らんまん」第20週のあらすじはこちら。
https://www.nhk.jp/p/ranman/ts/G5PRV72JMR/
 万太郎のもとに、虎鉄たちから続々と植物標本が送られてくるようになった。一つ一つ丁寧に調べ、返事を書いて、日本中に万太郎の植物仲間が増えていった。それから3年の月日が流れ、長屋の面々はそれぞれ旅立ち、寿恵子は3人目の子を妊娠する。一方、田邊は後ろ盾を失い、学長や大学の評議員などすべての役職を辞任。失意の田邊だったが、妻の聡子に背中を押され植物の研究に本腰を入れるようになる。学生たちと採集旅行に出かけた田邊は、そこで見つけた新種の植物を、大学の総力を挙げて研究し「キレンゲショウマ」と名付け発表する。

万太郎が寿恵子さんと結婚して東京に戻ってから
怒涛の展開が続いていますが、
この週も登場人物に大きな変化がありました。
日本の植物学の第一人者でありながら、
権力でのし上がることばかりに注力していた田邊教授が、
出世争いから脱落したのを機に、
植物学への熱意を再び取り戻したんです!

期せずして、万太郎と田邊教授は
同じ植物の調査を開始しますが……
いくら万太郎にずば抜けた熱意と知識があっても、
自由に使える人手や比較対象の豊富な資料などを
常に用意できる上に、
すぐに発表できる環境を得ている田邊教授には
速度で勝てるはずもなく、
今回は田邊教授に軍配が上がりました。
もし以前の田邊教授だったなら、
そこまで詳しく調べることなく放置した結果、
万太郎に出し抜かれて
地団太を踏む羽目になったかもしれませんし、
そもそもあの花を見つけていなかったと思います。
しかも、仕方なくやったのではなく、
聡子さんの愛ある説得を受けて
植物学への真摯な情熱を取り戻した後でこうなったとの流れが
素晴らしかったです。
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私がこう書くと、
誇り高い田邊教授に怒られるかもしれませんが、
万太郎はもう既に新種を幾つも見つけていますし、
植物学者として最高峰であるのは
誰もが認めることなので、
手柄の一つぐらい田邊教授に譲ってあげるのは
物語にメリハリが付く点としても
良かったと思います。

しかし、この週の最後では、
その田邊教授が東大を追われる事態になりました。
以前、万太郎のモデルとなった牧野氏のお話を
ざっと読んだ時に、
田邊教授の元の方だけでなく徳永助教授の元の方も
植物学者として立派な功績があると分かったので、
いずれはそれも作中で出てくるのかなと思っていましたが、
まさかこうなるとは予想外でしたので驚きました。
かつて権力で万太郎を東大から追放した田邊教授が、
今度は追放される側になったとは
随分と皮肉な話です。
田邊教授の後ろ盾だった森有礼の死は、
それだけ影響が大きかったんでしょう。
田邊教授の普段の言動からして
美作教授以外にも敵は多いはずなので、
人付き合いが上手くない時点で
彼がいつかこうなるのは必然だったのかもしれません。
田邊教授が他人に偉そうな言動ができたのも、
専門的な研究と発表を自由にできたのも、
全て東大の教授という肩書あってのことだという事実を、
視聴者は改めて思い知ったと思います。
だからこそ、東大を去らざるを得なくなっても
以前と変わらずに熱心に研究と発表を続ける万太郎の凄さが
際立っていました。



そんな万太郎が研究と調査に全力で打ち込めるのは、
内助の功があってのことです。
寿恵子さんは偉い……本当に偉い。
植物を極めるという壮大な目標と
モデルの方が実際にそれを達成したという事実があるので、
私も放送を普通に見ていられますが、
家にお金をろくに入れないばかりか
好きなことに大金を浪費している万太郎は、
酒や博打にうつつを抜かすろくでもない亭主と
金銭面ではあまり変わりがないですよね……。
万太郎は寿恵子さんを心底愛していますし、
大事にしていますけど、
それでは全然追いつかないほど
寿恵子さんの助力は凄いと思います。



ただ、この週の始めで描かれた
寿恵子さんと借金取りとの対決は、
あまり好きではなかったです。
これは時代劇あるあるですが、
本来は借金を返済しない方が絶対に悪いのに、
借金取りの方が悪く描かれがちだからです。
らんまんでのこのシーンは、
寿恵子さんの頭の良さ(機転がきく)や度胸っぷりが
強調されていましたので、
途中から彼女に感心する方が強くなった結果、
不快にはならなかったのですが、
個人的にはもう少し下手に出てほしかったです。
(勿論、当時の経済概念は、今と違って
人々が借金を安易にしていたとは分かっています)



続きはこちら。
【感想:NHK朝ドラ「らんまん」第21週~第26週*最終週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-09-29
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2023-08-26 12:31 
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