さくらもちモチ

感想：NHK朝ドラ「らんまん」第15週：ヤマトグサ*ネタバレあり　[NHK連続テレビ小説感想] [編集]

NHKの連続テレビ小説（朝ドラ）「らんまん」の感想です。
今回は以下の放送について記します。
第15週：ヤマトグサ

以下の記述にはネタバレを含みます。

【感想：NHK朝ドラ「らんまん」】
初週（第1週）：バイカオウレン
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-04-07
前週（第14週）：ホウライシダ
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-07-21



「らんまん」第15週のあらすじはこちら。
https://www.nhk.jp/p/ranman/ts/G5PRV72JMR/

　何の身分もない自分が新種の発表をするにはどうしたらよいのか？　万太郎（神木隆之介）は、自らの手で図鑑を発刊することで植物学者として世の中に認めてもらうしかない、という結論にたどり着く。そのために昼間は研究、夜は大畑印刷所へ通うことを決心するが、それを聞いた寿恵子（浜辺美波）は思わぬ行動に出る。ある日、長屋に大窪（今野浩喜）が訪ねてきて、万太郎が高知で採集してきた植物の共同研究を持ちかける。

田邊教授を介さずに新種の植物を発表する方法として、
植物図篇の刊行を思いついた万太郎。
今が一番の頑張り時だと言う万太郎は
やる気に満ちていましたが。
それを支える寿恵子さんは本当に大変そうでした。
印刷機の購入の件は、
本当に身の丈に合わない買い物だったので、
私には唐突に思えてならず、
「え？　いきなり？」と戸惑いましたが、
もしそうしなかったら
きっと万太郎は体を壊していたでしょうし、
雑誌の刊行も叶わなかったかもしれません。
八犬伝方式といい、印刷機の購入といい、
良い判断（決断）でした。



さて、プラントハンターとしての誘いを
万太郎に断られたせいで、
田邊教授は彼を利用できなくなりました。
この週の田邊教授の登場シーンでは、
植物学の世界だけでなく、
東大の内部でも競争があるのだと分かったこともあって、
彼の心の中を思うと可哀相ではありました。
とはいえ、名誉と出世を重んじてきた彼だからこそ
逆境の時にこういう目に遭ってしまったはずなので、
きっと自業自得な部分もあるのだろうなと
冷めた目で見ていました。

純粋に植物を愛し、理解しようとする万太郎の生き方は、
あまりにも理想すぎて、
田邊教授の目にもきっと眩しいでしょう。
だからこそ田邊教授は、
この先の万太郎が学者として植物学を究めるならば
植物を愛するだけでは駄目なのだと
暴言で言い切ったんだと思います。

トガクシソウの件は、
伊藤さんの悔しさを踏まえれば
この展開も当然というか、
なるべきところになったと思えたので、
田邊教授には同情できなかったです。
でも田邊教授を見ていても特に不快ではなく、
嫌いにもならないのは、
これまでの数々のエピソードで
彼にも良いところがあると分かっているからでしょう。
この辺からも
「らんまん」は作品作りが上手いというか、
キャラクターの作り込みが深いことがよく分かります。

植物の学名や命名権などについては
こちらの記事で詳しく解説されています。
【らんまん 高知の植物 なぜ海外で命名？】
https://www.nhk.or.jp/kochi/lreport/article/001/74/
トガクシソウの一件の元である「破門草事件」についても
少し触れられています。



東大の植物学教室に加わった新入生が、
万太郎を軽んじる発言をしていたのも、
注目したい点でした。
万太郎の凄さを知らない人からすれば、
雑用を気軽に押し付けられる熱心な助手でしかないようです。
そして、そんな下級生を怒った波多野さんや藤丸さんも、
かつては万太郎を歓迎しつつも
時には煙たく思ったりしていましたよね。
徳永さんや大窪さんにしても、
万太郎の熱心さにいつの間にか感化されて
植物と真摯に向かい合うようになっています。

この「らんまん」は万太郎の物語なので、
主役が輝くのは当然なのですが、
改めて、彼は影響力の強い人だなと感動しました。



この週の最後では、
寿恵子さんが懐妊したようだとも分かりました。
おめでたいことですが、
万太郎が家に不在がちなのに大丈夫なのだろうかと
ちょっと不安にもなりました。



続きはこちら。
【感想：NHK朝ドラ「らんまん」第16週：コオロギラン*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2023-07-23
この週もすっごく良かったです！