さくらもちモチ

感想@NHK朝ドラ「おかえりモネ」第8週：それでも海は*ネタバレあり　[NHK連続テレビ小説感想] [編集]

NHKの連続テレビ小説（朝ドラ）「おかえりモネ」の感想です。
今回は、以下の週の放送について記します。
第8週：それでも海は

初回と前回の感想記事はこちら。
【感想「おかえりモネ」第1週：天気予報って未来がわかる？】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-05-22
【感想「おかえりモネ」第6～7週】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-07-07-1



第8週：それでも海は

　2015年の年末 、百音(清原果耶)は３度目の気象予報士試験の準備をしつつ、故郷へ帰省する。
　実家では、亮(永瀬 廉)の父・新次(浅野忠信)のことで、家族が悩んでいた。新次は耕治(内野聖陽)と幼なじみだったが、震災前に買った新しい漁船の借金返済を巡って、耕治と疎遠になっていた。その新次がトラブルをおこし、百音と未知(蒔田彩珠)は、亮の心中を察して心配するが…。

この週はさすがに泣きました……。
亮ちんの親子の話をやるということで、
前週の終わりに公開された予告を最初に見た時から
重い話になるという点については覚悟ができていました。
しかしそれは私が予想していた以上で、
特に木曜日の放送は、涙が止まりませんでした。
七時半からのBSプレミアムの放送で泣き、
八時からの地上波NHKの放送でも泣き、
正午過ぎの放送でもまた泣くという状態でした。

息子の成長を「親馬鹿だ」と言いながら喜びたいのに、
酒を酌み交わす妻がもういないと言って
むせび泣いた新次さん。
彼の言葉からは、
過ぎていく日常の風景に彼女の姿がもう無いのだというのを
強く突き付けられた気がしました。

個人的な話で恐縮ですが、
私の父が肺癌で亡くなったのが、
東日本大震災の前の冬（2010年の12月）でした。
今も、震災関連のニュースを見聞きすると、
日本の誰もが知るこの大きな天災を、
父は知らないんだよなと思う時があります。
こうした特別なことは勿論、
普段の何気ない喜怒哀楽の出来事にも、
父はもう絡まないんだと思うと、
どうしようもない淋しさに襲われることがあるので、
この時の新次さんも似たような気持ちだったのかと
思わずにはいられなかったです。

そんな父の心情の吐露を聞いていた亮ちんが、
堰を切ったように行動的になったシーンも、圧巻でした。
亡き母の十八番だったカラオケ曲をうたったり、
「おやじ、おやじ」と新次さんを呼んだりと、
彼の優しさや悲しさ、辛さが溢れていて、
私ももらい泣きしました。
彼ら親子を静かに見守ったモネちゃん親子も
大変良かったです。

亮ちんはしっかり者で優しく、気も遣えるのに、
昔の画像を眺めるシーンでは年相応の幼さも滲んでいて、
実は繊細であるような雰囲気も含め、
永瀬廉さんは当たりだと思います。
オーディションでこの役を勝ち取ったとのことですが、
彼が亮ちんで良かったです。

これも良い写真であるだけに、
泥で汚れてしまったのを見せられた時は、
私も深いショックを受けました。



過去回想によって明かされた
新たな船を購入するための借金を巡る諍いでも、
耕治さんと新次さん双方の気持ちがよく伝わってきたので、
私も何とも言えない気持ちになりました。
新次さんは本当に、別の借金を軽く考えていたんでしょう。
耕治さんは、自分から話を振ったこともあって
事前の準備を相当頑張ったはずですし、
もし新次さんに別の借金が無かったなら、
無事に融資を受けられていたと思います。
また、耕治さんが新次さんの答えを鵜呑みにせず、
ちゃんと調べていたなら、
彼を余計に傷つけることにはならなかったでしょう。
友達のために良かれと思ってしたことなのに、
結果的に耕治さんの心も痛手を負ってしまったのは
本当に残念なことでした。
以前の放送回で二人が居酒屋の前で再会した際に、
新次さんが耕治さんにちくりと嫌味を言った時は、
それを言わずにいられなかったらしい新次さんにばかり
私の気持ちは向きましたが、
この過去を知ったことで、
嫌味を言われた耕治さんの方にも向くようになりました。



モネちゃんは、この週は勉強をするシーンが少なかったので、
なわとびをしてばかりいた印象が強かったです。
正直に言えば、こんなんで受かるのかな？と思いますが、
受かるんですよね、次の試験で。
現実の世界で気象予報士試験を受ける人は、
きっと彼女を羨ましがると思います。



続きはこちら。
【感想@NHK朝ドラ「おかえりモネ」第9週：雨のち旅立ち*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-07-16