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感想@アニメ「不滅のあなたへ」第3話:小さな進化*ネタバレあり [アニメ感想]

(5/3)全体的に感想を追記しました

TVアニメ「不滅のあなたへ」の感想です。
今回はこちらについて記します。
第3話:小さな進化
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  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • 発売日: 2021/08/25
  • メディア: Blu-ray

以前の感想はこちら。
【感想@アニメ「不滅のあなたへ」第1話:最後のひとり*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-04-26
【感想@アニメ「不滅のあなたへ」第2話:おとなしくない少女*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-04-28



第3話のあらすじはこちら。
https://www.nhk.jp/p/fumetsunoanatae/ts/B2XW2X1ZMN/list/
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少女マーチは森で出会った不死身の少年を“フシ”と名付けた。少年の姿をしているものの、人間らしい意識は持たず、食事や会話もままならないフシに対して、マーチはまるで母親のように優しく接した。彼女とのふれあいを経て、フシの心に変化が起こっていく。儀式から逃げたマーチをあきらめられないハヤセは、その後を必死に追う。


一度はハヤセたちから逃げたものの、
再び捕まった時はおとなしく観念したマーチ。
ここで自分が抵抗しても無駄だと悟ったようなのも勿論ですが、
もし自分が無事に逃げおおせたなら、
村に残っている他の幼い子が犠牲になるという厳しさが
彼女をそうさせたんでしょう。
マーチがフシにあっさりとお別れを告げたり、
彼女が片手で大量の涙を拭いながら歩いたりするシーンは、
何度見ても胸が痛みます。



一方で、フシは、
当初こそマーチに餌付けされているだけでしたが、
彼女と関わる中で感情に変化が生じたようで……。
以前の何も知らないフシだったなら、
マーチがいなくなったところで特に思うことはなく、
以前のように一人でふらふらと放浪を続けていたはずです。
マーチを助けるために祭壇に現れただけでなく、
実際に戦ってオニグマをやっつけたあたり、
マーチを失ったことを受けての淋しさを強く感じました。
最後の「ありがとう」も、とても良かったです。
北方の孤独の少年から人間の姿を貰った(写した)フシは、
人間としての最初の心をマーチから貰ったんですね。



第3話の放送を初見で見た時は、
既にマガポケで原作の漫画を第2巻まで読んでいました。
パロマがオニグマに襲撃されそうになった時や、
フシの必死の戦闘を最初に読んだ時は、
オニグマのことが本当に怖かったのですが、
(逆に、フシがオニグマに襲われたシーンは、
最初のも頭を食われた時も唐突さが面白味に繋がっていて、
「あ、また死んだ」と思うだけで終わり、
悲しまずに済みました)
オニグマのその後を知っていると、
その姿がとにかく痛々しいのが、見ていて辛かったです……。
フシがオニグマに噛みついた際に
白い毛を順に逆立ていたあたりは、
アニメを見ていた私も体がぞぞぞ……!としました。
フシは、対象物の死を目の当たりにして衝撃を受けたり、
人間として生活をしている時に知恵を得たりするだけでなく、
こうした戦闘でも強い刺激を受けられるんですね。



そして、非常に印象深い敵・ハヤセについて。
うっかり前回の第2話の感想で書いてしまいましたが、
彼女は、姿を変えたり傷を瞬時に癒したりしたフシに、
すっかり魅入られたようで、
ただでさえ怖い人が更に怖くなりました……。
それまでとは一転してマーチたちを生かすと決めた点についても、
機転が利くと単純に喜べず、
むしろ「ヤバい奴に目をつけられた」感が強く、
フシにとっては厄介な人であることに変わりがないというのが
大変そうでした。

それにしても、異例の非常事態だったとはいえ、
こんな簡単に儀式を無かったことにできるなら、
最初からそうしてくれればよいのにと思ってしまいました。
他の男たちはともかく、
ハヤセは因習を全然信じていないですよね……。
因習の利用は、あくまでヤノメがニナンナを支配する手段であり、
生贄の儀式そのものには全く意味が無く、
当然のようにマーチも無駄死にで終わるところだったというのが
やりきれないです。
マーチの夢が、ただ「大人になりたい」という
ごくありきたりで、
通常なら夢として語られることもない普通のことというのが、
しんどさを余計に増している気がします。
もしマーチが生贄に選ばれなかったら、
そもそも因習が無かったら(あるとしても後で正されていたら)
容易に回避できる悲劇である分、
それを嫌でも受け入れざるを得ないマーチが可哀相でした。



何度も必死にマーチを救おうとするパロナは、
この回でも格好良く、凄かったです。
オニグマが迫る中で、全く逃げずにマーチを守るなんて、
本当に彼女を大事だと思っている証でした。
仕方がないとはいえ、
マーチの本当の両親がこの件について無力すぎた分、
常に頼もしいパロマの存在が有難かったです。
彼女なりの因習との戦いが、
マーチの救出という形に成っていました。



ハヤセの提案を受けて、
マーチとパロマはヤノメの国に行くことになりました。
放送の最後にマーチがフシに(フシとは知らずに)
また果物をあげるくだりが微笑ましいのもあって、
漫画で最初にこの部分を読んだ時は、
マーチがようやく身の安全を確保できたことに安堵しました。
フシが体験する長い旅の貴重なパートナーにマーチがなるのだと、
普通に想像した一方で、
第1話での少年の死の辛さが頭から離れず、
「でも、きっとこの後はやっぱり……」と嫌な想像もしたのを
今でもよく覚えています。
第1話で受けた強い衝撃と深い悲しみは、
私にとってトラウマに近いのかもしれません。
それだけ激しく、この作品には感情を揺さぶられています。



続きはこちら。
【感想@アニメ「不滅のあなたへ」第4話:大きな器*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-05-04



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2021-05-02 08:19 
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