さくらもちモチ

感想@アニメ「不滅のあなたへ」第2話：おとなしくない少女*ネタバレあり　[アニメ感想] [編集]

TVアニメ「不滅のあなたへ」の感想です。
今回はこちらについて記します。
第2話：おとなしくない少女

【感想@アニメ「不滅のあなたへ」第1話：最後のひとり*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-04-26



私にとって第1話がとても重く感じられたので、
その後もこんな感じの内容だったなら
私の心がとてももたないなと思っていたのですが、
第2話は録画に加えてリアタイ視聴をしたことと、
新たな登場人物のマーチの明るさに救われたお陰で、
第1話ほど慟哭せずに済みました。

第2話のあらすじはこちら。
https://www.nhk.jp/p/fumetsunoanatae/ts/B2XW2X1ZMN/list/

少年に姿を変えた“それ”は、死と再生を繰り返しながら歩き続けた。森の大地ニナンナに到着するが、突然何者かに襲われてしまう。ニナンナでは「大人になってママになること」を夢見る少女マーチが、家族や友人とともに穏やかな暮らしを送っていた。ところがある日、隣国ヤノメの役人ハヤセが祈祷師（きとうし）ピオランとともに村に現れて…。

まず、第1話の感想でも書いたとおり、
フシが六回死ななければ
緑豊かな土地に辿り着けなかったというのが
とてもショックでした。
あの少年でなくても……彼とかつて住んでいた大人たちが
完璧な装備であの集落を出発できたとしても、
とても無理じゃないですか。
勿論、フシがあそこに到着する前にも
途中で人が何とか住めそうな環境はあったかもしれませんが、
その前に行き倒れて亡くなり、全滅するだろうとは
嫌でも想像してしまいました。

そして、アイキャッチの絵。
第2話の初見時は、まだ第1話の放送を見直しておらず、
原作の漫画も読んでいなかったので、
少年が自分とジョアンの絵も描き足していたのを知らず、
いきなりあの絵を見たので、
びっくりしたのと同時に嬉しくなって、
思わず泣いてしまいました。
二人の絵もちゃんとあって、本当に良かったです。



さて、第2話の主人公は、大人に憧れ、
自分も早く大人になりたいと強く願うマーチでした。
よりにもよって彼女が儀式の生贄に選ばれたせいで、
そのありきたりな夢は叶わないこととなりました。

第2話の初見時は原作の漫画をまだ読んでいなかったので、
第1話と同じように多くの情報を受け止めるだけで必死でしたが、
マーチがフシと接するようになってからは、
コミカルなやり取りが急に出てきたこともあり、
思わず笑いがこぼれた時もありました。
それでも、マーチの暗い未来を想像すると素直に楽しめず、
複雑な気持ちになりました。
仮にマーチが無事に村に帰れたとしても
村人からはまず歓迎されないどころか、
逆に迫害される（村を追い出される）のは目に見えています。
マーチが村から生贄として差し出された時点で、
彼女に帰る家はもう無いというのが、
私には一番辛かったです。
また、マーチの発言を受けて、
私も「大人とは」や「大人らしく」といった言葉の意味を、
ぼんやりとですが考えてしまいました。



マーチのねーね・パロナの勇気ある行動を思うと、
マーチの父母はなさけないのかもしれませんが、
小さな村で因習にとらわれて生涯を終える身なら
仕方が無いと思います。
むしろ、パロナがあの環境で因習を疑うようになったのを
褒めたいです。
今は私も原作の漫画を第3巻まで読みましたので、
パロナの中ではあのお姉ちゃんに救われた影響が大きかった
（お姉ちゃんのことがとても大好きだった）というのが、
よく伝わってきました。

第3巻まで漫画を読んでみて一番意外に思ったのは、
鼻毛のお婆さん……もとい、ヤノメの祈祷師様が、
とても頼もしくて優しかったことです。
フシにとって、北の地で亡くなったあの少年が始まりで、
マーチが母なら、
祈祷師のピオランは師といったところでしょうか。



フシと出会った当初、マーチは彼を頼ろうとしますが、
彼が何も知らないのだと知った後は、
結果的にママ力を発揮していたのが面白かったです。
特に果物を巡る攻防が最高でした。
少年がとうとう口にできなかった果物を
フシが本能のままにがっついたせいで、
「美味しい」「甘い」という味覚や
それに喜ぶ感情を得たのも、良かったです。
何より、マーチによって
最初の言葉「ありがとう」を教えてもらったのが重く、
フシが人として生きていく上ではマーチが出発点なんだと
改めて思いました。
少年が叶えられなかった「世界を知ること」を
少しずつですが着実にできているのが泣けます……。



また、この第2話では
非常に印象的な敵・ハヤセも登場しました。
彼女は、初見時からただの未届け人で終わる感じがせず、
第3巻を読了した今でも怖い存在だったという印象が強いです。
それはやはり、ハヤセが他の人と違い、
上からの命令に従うだけでなく、
自分の意思で動いていたからでしょうか。
また、アニメでは
声優の斎賀みつきさんが声を当てられていることもあり、
ハヤセがフシに魅入られたシーンでは
「進撃の巨人」のイェレナを思い出してしまいました。
イェレナもジークとの出会いで人生が変わりましたよね……。



今回からOPとEDの映像が付きました！
宇多田ヒカルさんの歌は、世界観がぴったりで素晴らしいです。
映像は今後のフシの旅が含まれているようで、
今の私にはよく分からない部分が多いのですが、
物語が進むにつれてそれらを理解できるようになると思うと、
今はそれが楽しみです。

また、EDがインストというのは新鮮でした。
しかも、あの浜渦正志さんの曲……！！
かつてFF13の「閃光」で大興奮した身なので、
とてもとても嬉しかったです。



続きはこちら。
【感想@アニメ「不滅のあなたへ」第3話：小さな進化*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2021-05-02