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NHK朝ドラ感想「スカーレット」第6週:自分で決めた道*ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]

NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「スカーレット」の感想です。
今回は第6週「自分で決めた道」についてです。
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スカーレット ノベライズ上巻

スカーレット ノベライズ上巻

  • 作者: 水橋 文美江
  • 出版社/メーカー: ブックマン社
  • 発売日: 2019/09/27
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

初回と前回の感想はこちら。
【感想「スカーレット」第1週:はじめまして信楽(しがらき)*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2019-10-11
【感想「スカーレット」第5週:ときめきは甘く苦く*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2019-11-02



第6週のあらすじはこちら。
 喜美子(戸田恵梨香)のもとに常治(北村一輝)から、マツ(富田靖子)が倒れたと連絡が。慌てて信楽に帰ってみると、それは常治のうそだった。
 常治から、大阪を引き払って信楽で働くようにと命ぜられた喜美子。反発したものの、川原家の家計の苦しさや、妹の直子(桜庭ななみ)らのつらさを思いやり、絵の学校を諦めて帰郷する決意を固める。
 喜美子は一度大阪に戻り、さだ(羽野晶紀)、雄太郎(木本武宏)らに別れを告げる。新聞社を辞めてしまったちや子(水野美紀)とは会えずじまいとなったが、喜美子は、信楽で新たな道に歩みだす自分の思いと荒木荘の日々への惜別をこめた手紙を残す。
 信楽では照子(大島優子)の実家の丸熊陶業で、いよいよ働くこととなる。製品作りではなく、食堂での仕事だったが、喜美子はやる気を持って臨む。
 仕事の合間に、当時流行の絵付け火鉢を目にし、喜美子は興味をひかれる。折しも親方が辞めることになり、空きがあるならば火鉢の絵付けを学んでここで仕事をしたい、照子にそう頼み込む。
信作(林遣都)の後押しもあって、許可をもらい、希望いっぱいで絵付け係を訪れた喜美子。目の前にいたのは、見知らぬ初老の男(イッセー尾形)だった。


これまでも、信楽の両親・常治さんとマツさんに対しては
色々と思うことがありましたが……
昔はこのような親子が大勢いて、
長女が家に尽くすのは当たり前だったとして割り切ろうとしても、
今週の放送の内容で快く思うのは難しかったです。

まず常治さん。
喜美子を信楽に呼び戻そうとしたのは、
家の困窮のためだけでない
(喜美子に傍にいてほしかったからとの理由もある)
というのは、私にも伝わってきました。
でも、必死に頼み込んで喜美子を送り込んだ荒木荘に対して、
素っ気ない電報二通で終わらせようとしたのは失礼でしたし、
そもそも嘘を吐いて喜美子を帰省させたのも
(当時はこういうことも珍しくなかったのでしょうが)
私には嫌なことでした。
特に前者については、その後の丸熊陶業での挨拶時に、
社長や社長夫人に対して
ぺこぺこと頭を下げていたのも見ているので、
その調子の良さにあきれ返りました。
社長が中学卒業時の喜美子の入社を断った件を挙げた時も、
「そのことを蒸し返すんですか?」と言い、
さも自分はもう気にしていないようなふりをしていて……。
確か常治さんは、信楽に逃げてくる前に
大阪で商いで大きな失敗をしたそうですが、
彼の商才の無さはこのような点でも説明されているなと
実感しました。
学が無いから語彙が少ない、直に関わった人しか大事にしない、
感情に流されやすく調子に乗りやすい……
本当に、商売には全く向いていないと思います。
でも、憎めない部分はあるんですよね……。
喜美子が信楽に戻ってきた!と知った瞬間や、
家族五人での夕食の団欒での彼は、本当に幸せそうで、
常治さんが駄目な父親であるのを忘れそうになりました。

マツさんについては……
お玉を持ってうきうきと布団に入る描写からして苦手でしたが、
常治さん以上に嫌悪感が募りました。
まず、喜美子に対する礼が少なすぎます。
そういう時代だと言われればそれまでですが、
一時帰宅させた娘に薬代のツケを払ってもらって
「ありがとう」の一言も無いのはどうなのだろうかと思いました。
そして、膨れ上がるばかりの借金について
「どうにかなるよ」という台詞……。
自分で何とか対処するという「どうにかする」でなく、
人生を天に任せているとも受け取れる
「どうにかなる」という呑気な言葉が、私には鼻につきました。
この言葉の通りになる事態は、
「借金が帳消しになる」か「借金を返せるお金が湧いてくる」かの
どちらかしかないわけで、
今回、喜美子が進学を諦めて信楽に戻ってきたことで、
後者が実現してしまい、
マツさんの言葉通りに「どうにかなった」のが、
とても不快でした。
喜美子が借金に当てたお金も、
彼女が贅沢をしていた残りではなく、
内職でこつこつと溜めたものだったのに……。
喜美子が、ぼろぼろのセーターの袖を繋げたものを
マフラーとして使っているのを見る度に、
胸が痛かったので、
あの会話でのマツさんの言動は、腹立たしいものでした。
「肉じゃが食べさせたかったなぁ……肉入ってないけど」も、
余計な言葉だったと思います。
あれを聞いて家の経済状況を心配しない娘は、いません。

しかも、マツさんの呑気さが、
直子と百合子を苦しめていたのも、観ていて辛かったです。
病院に薬を貰いに行く時の「大人は駄目」の意味が、
私には分からなかったので、
信作の台詞でそれが判明した瞬間は
常治さんとマツさんが憎くなりました。
学校での出来事を、百合子が喜美子に話すのも、
両親には話す甲斐が無いからでしょうし
(常治さんはまともに聞いてくれない、
マツさんは何を言っても同じ返事しかしてくれない)、
百合子が「東京に行きたい!」と望んでいたのも、
東京で何かをしたいからでなく、
ここから逃げ出したいという意思の表れだと思います。
あの生活で一番苦しかったのは、きっと直子ですよね。
頼りない両親、食うにも困る貧乏生活、幼い妹……
それでも喜美子を思って一度は
「大阪に帰れ!」と言ったところからして、
本当は優しい子なんだろうなと察することができました。

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三姉妹で一緒に寝るこのシーンも、微笑ましかったです。
まだ空襲の悪夢を見るなんて、直子も辛いですね……。
そしてこういう状況だからこそ、
喜美子が大阪に行った初日に、部屋の布団を見て、
「これ、うちだけの布団?」と嬉しそうに驚いていた理由が、
改めて実感できました。

常治さんとマツさんについては、
きっと今で言う「毒親」なんでしょう。
100年も経たないうちに(70年ぐらい?)
価値観が大きく変わり、「これは違うんじゃない?」と
思えるようになったことも幸せなんだろうなと
感じています。



さて、そんな喜美子の荒木荘からの卒業。
ちや子さんとの手紙でのお別れがせつなく、
彼女がお茶漬けをすするシーンでは泣きそうになりましたが、
また来週出てくるとは!!
嬉しいハプニングでした。
次週予告を見ただけで嬉しくなりました。
雄太郎さんの歌も良かったです。
彼の声がよほど煩かったのか、
近所の犬が吠え、猫が鳴いたのも面白かったです。
あれは良い演出でした。

大久保さんの、喜美子を最初から認めていた発言も
凄く凄く良かったです。
喜美子をすぐに返そうとしたあたりも、
彼女を心の底から可愛がっていたと分かりました。
元々大好きだったけれど
大久保さんのことをより好きになりました。
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不本意な点も絶対にあったはずなのに、
これが自分の決めた道だとして、前向きに生きる喜美子。
彼女を見ていると、私もそうありたいと思わずにはいられません。
丸熊陶業に就職できた今でも、
道の先にはたくさんの困難が待ち受けていそうですが、
彼女なら笑顔で頑張ってくれるんだろうなと期待しています。

次週は、とにかくちや子さんとの再会が楽しみです。
照子とのいちゃいちゃもあったらいいなぁ。
信さまは……勝手に暴走してもらっていればいいかと。



続きはこちら。
【NHK朝ドラ感想「スカーレット」第7週:弟子にしてください!*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2019-11-17-3



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2019-11-09 20:59 
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