さくらもちモチ

NHK朝ドラ感想「スカーレット」第1週：はじめまして信楽（しがらき）*ネタバレあり　[NHK連続テレビ小説感想] [編集]

令和元年十月から始まった、
NHK連続テレビ小説（朝ドラ）「スカーレット」の感想です。
今回は第1週「はじめまして信楽（しがらき）」についてです。

第1週のあらすじはこちら。

　滋賀・信楽の女性陶芸家・川原喜美子（戸田恵梨香）。土と炎に向き合う女の物語。
　昭和22年、9歳の喜美子（川島夕空）は、父の常治（北村一輝）、母のマツ（富田靖子）、二人の妹と共に大阪からやってきた。何かと世話を焼いてくれる信楽の人々のおかげで、貧しいながらも楽しい生活が始まる。
　焼き物の町・信楽で、喜美子は信楽焼に出会う。だが今の喜美子は学校へ通い、妹たちの面倒を見て、家事を手伝うことで精いっぱい。
　ある日、父が草間宗一郎（佐藤隆太）という青年を連れてくる。草間は満州からの引き揚げ者で、生きる気力を失っていたが、喜美子たちとの交流で少しずつ元気を取り戻す。喜美子はそんな草間から、失礼な態度を忠告されたり、絵の才能をほめられたりしながら、人として大切なことを学んで成長する。

初回の放送以降、毎日楽しく視聴しています。
OPのクレイアニメ風の映像はかわいらしいですし、
Superflyさんの歌唱は、力強さだけでなく、
視聴者や喜美子（主人公）に寄り添ってくれるような
優しさも感じられて、とても好きです。



勿論、ドラマ本編も素晴らしかったです。

まずは主人公の常治さん！
お調子者で呑んだくれで金遣いが荒い……と書くと
駄目で最低な父親に思えますが
（実際、そういう部分が目につくのですが）、
それだけで終わらないのが彼です。
とにかく優しい。
その優しさが回りまわって自身に返ってくるあたりが
とても素敵で、泣けてきます。
人が好いだけで終わらず、
躾として喜美子に怒る時など、
道理を大事にする（筋を通そうとする）ところも魅力です。
常治さんが草間さんを拾ってきたのも、
困っている人を助けずにはいられない彼なら
自然にそうするはず……という納得に繋がっていました。

喜美子のお母さんのマツさんについては……
正直なところ、最初は戸惑いました。
卵かゆをもっと食べたいと言って駄々をこねた直子のために、
姉の喜美子が、僅かしかない自分の分から与えた時に、
マツさんがただ「ありがとう、喜美子～～」と言ったのを見た時は、
「え？　それで終わり？？」と首を傾げました。
母親なら喜美子を即座に制して、
代わりに自分の卵かゆを直子に分けるものじゃないかと
思ったからです。
でもNHKの公式サイトにて、マツさんが大地主の娘で、
常治さんと駆け落ちしたという経緯があると知ってからは、
彼女は、他人から厚意を示された時は
恐縮することなく自然に受ける人だと分かりましたので、
その卵かゆのシーンに対しても
何となくですが理解できたような気持ちになりました。
ただ、この時のマツさんは
産後で体調があまり宜しくなさそうだと伺える点と、
マツさんが食べないと母乳を出せなくなることから、
結果的に三女を育てられなくなるという点もありますので、
マツさんの性格云々以外にも要因があると思っています。



さて、主人公の喜美子について。
父母と同様に、喜美子も優しい子でした。
我儘な妹の面倒をよく見るだけでなく、
母親を気遣い、率先して家事をこなす姿には、
尊敬の念を覚えました。
現代と違い、
かつての長男・長女は家を背負う重みがあったとはいえ、
喜美子の献身ぶりには頭が自然に下がります。
常治さんに似たのか
血の気が多くて喧嘩っ早い部分があるのに、
その父親に「ケンカは駄目だ」と怒られたのを受けて、
次はぐっと我慢した時は、
思わず「いい子だ……」との声が漏れました。
草間さんに叱られた時も、すぐに反省し、
ちゃんと謝りに行ったところも良かったです。
喜美子に共感できますし、
彼女の頑張りを素直に応援できます。



喜美子を取り巻く人々も素敵でした。
特に、喜美子の親友になるらしい照子ちゃん！
ちょっと生意気でおしゃまなところが可愛いです。
「友達になってあげてもいいよー」と、
自分の言葉を自分でネタにしているあたりが、とても好きです。
照子が亡兄のお墓の前で手を合わせたシーンで、
喜美子も隣でそうしていると彼女が気付いたところが、
特に印象に残っています。
（その後のキスにもびっくりしました！）



喜美子の妹の直子については……
癇癪や我儘が気になりましたが、
これはもう仕方が無いですからね。
直子の我儘は彼女の甘えであり、
喜美子に懐いている証でもあると分かるのが救いです。



そして草間さん！！
謎の人物でしたが、とても好きになれました。
上記の、喜美子を叱ったエピソードで「お？」となり、
彼が彼女の絵を褒めるところで心をがっちり掴まれました。
美術に対して興味を全く示さない父や、
おそらく何を描いても褒めてくれる母と違い、
草間さんに絵の才能を正面から褒められたことは、
喜美子にとって非常に大きな出来事だったでしょう。
草間さんが唐突にいなくなったと知った時は、
喜美子と同様に私もショックを受けました。
当初は、草間さんが増えたせいで
給食費の支払いが滞ると知った喜美子が
何とか彼を追い出そうとしていたのが
嘘みたいだと思いました。
なので、第1週の最終日に
草間さんが後ろ姿だけで再登場した時は、
とても嬉しかったです
また、そんな草間さんと喜美子の素敵な出会いを作ったのが
あの常治さんだと思うと、私も感慨深くなりました。
駄目な常治さんを好きになってしまうのも、当然だと思います。


続きが本当に楽しみです！！

【NHK朝ドラ感想「スカーレット」第2週：意地と誇りの旅立ち*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2019-10-12-5