NHK朝ドラ感想「スカーレット」第5週:ときめきは甘く苦く*ネタバレあり [NHK連続テレビ小説感想]
NHK連続テレビ小説(朝ドラ)「スカーレット」の感想です。
今回は第5週「ときめきは甘く苦く」についてです。
初回と前回の感想はこちら。
【感想「スカーレット」第1週:はじめまして信楽(しがらき)*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2019-10-11
【感想「スカーレット」第4週:一人前になるまでは*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2019-10-31-2
第5週のあらすじはこちら。
喜美子(戸田恵梨香)の協力が実って、圭介(溝端淳平)の片思い相手・あき子(佐津川愛美)が荒木荘にやってくる。ちや子(水野美紀)に指摘され、喜美子は圭介への恋心に気づくが、思いは伝えられぬまま。
喜美子に嫉妬したあき子に促された圭介は、荒木荘を去ることに。こうして喜美子の初恋は終わりを告げる。
その後、喜美子は芸術家・ジョージ富士川(西川貴教)のサイン会で、草間宗一郎(佐藤隆太)と再会。生き別れた草間の妻が見つかったと聞き喜ぶ喜美子。しかし、妻は別の男性と一緒に、近くの商店街で食堂を営んでいるという。
喜美子は、妻に会うことをちゅうちょする草間を説得し、2人で食堂へ。妻と再会しても普通の客を装う草間。喜美子も黙って見守る。やがて妻が妊娠していることがわかり、草間は離婚届をテーブルに置き、何も言わずに店を出るのだった。
これまでも、作中の様々な出来事に心を震わされ、
笑ったり泣いたりしてきましたが、
この第5週はまさに怒涛の展開でした。
週の前半で放送された喜美子の初恋話が、
週の後半ではまるで遠い昔のことのようでした。
初めて、土曜日のまとめの再放送(BS)を録画しました。
録画については、今後も継続して行なう予定です。
まず、圭介さんの恋バナについて。
あき子さんには本当にムカつきましたww
脚本家さんは、
女性に嫌われる女性を上手く描いたなぁと思いました。
ただ、あき子さんのことが理解できないわけではないです。
今とは時代が違いますので、
お金持ちらしいあき子さんが、
喜美子を見下げて「女中」と呼んだのも、
仕方が無いことだと思えました。
(さださんが大久保さんを喜美子に紹介した際に
愛情と尊敬をこめて「女中さん」と呼称したのとは、
「さん」の付属を除いても全く違う)
また、あき子さんが軽んじていた喜美子を
実は脅威に感じていたらしいのも
当然のことだと感じられました。
実際、圭介さんが喜美子に対して持っていた
「妹のよう」というフィルターを外せたなら、
あき子さんは完全に負けていたと思います。
また、この先も二人の交際が続いたとしても、
浪費癖だけでなく我儘なあき子さんに疲れた圭介さんが、
喜美子との楽しい日々を懐かしく振り返るうちに、
実は自分は彼女に惹かれていたのではないかと
疑いを持つようになっても
決しておかしくないはずです。
でも、今の圭介さんは、あき子さんを選んでしまいました。
ここでは、おはぎの存在がとても効いていました。
圭介さんに喜んでもらえるからと、
まだ自分の恋心に気付かない喜美子が進んで作ったり、
「あんこが嫌い」と言うあき子さんの前で見栄を張った
圭介さんの軽い嘘のせいで、喜美子が傷付いたり、
そしてそして、二人のお別れのシーン。
初めてこのシーンを観た時は、圭介さんに向かって、
「おはぎぐらい、受け取ってやりなよ。持っていけるじゃん」と
思わず声が出ましたが、
お昼の再放送や、録画した土曜日のまとめの再放送を見た時は、
敢えて受け取らないところが圭介さんの覚悟なんだと、
素直に肯定することができるようになりました。
それにしても、そのおはぎを一人で食した喜美子が
とてもせつなかったです。
美味しいはずなのに、味なんかしなかったと思います。
そして、大久保さんの再登場!
嫌味たっぷりの大久保節を堪能できただけでなく、
喜美子にまだ荒木荘で働き続ける気があると分かって
うきうきと帰っていく様は、
彼女が喜美子をとても可愛がっているのがよく伝わってきて、
私もテレビの前で嬉しくなりました。
大久保さんも、さださんみたいに、
両手を広げて喜美子に抱き着けばいいのに~~とも
一瞬だけ思いましたが、
それは大久保さんのキャラではないですもんね。
そうしなくても、大久保さんの気持ちが
喜美子にちゃんと届いているようなのが、
観ていて楽しくて幸せです。
ちや子さんは大丈夫なんでしょうか。
平さんが唐突に荒木荘を訪れたシーンを観た時は、
ちや子さんも疑っていたように、
私も「なんで?」と違和感を持ちました。
あの時の平さんは、やはり、
引き抜きの話をちや子さんに打ち明けたかったんでしょうね。
もしかすると、平さんは引き抜き話を持ちかけられた時に、
特に目をかけてきたちや子さんも一緒にお願いしたい……と
頼んだのかなと思っています。
でも先方から「女は要らない」とか言われたのを受けて、
平さんなりに今後のちや子さんの幸せを考えた結果が、
ああいうことになったのかなぁとも想像しました。
もし新聞社の倒産でちや子さんが失業したら、
荒木荘にも住めなくなるかもしれませんよね。
尤も、来週は喜美子が信楽に帰るようなので、
これでもう大阪編が終わるのかもしれませんが……。
大阪編は、最初の信楽編以上に楽しく視聴していたので、
もしそうであるならば淋しいことこの上ないです。
そしてそして、草間さん!!!!!
念願の再登場ということだけでも嬉しかったのに、
最初の「草間流柔道さん」の連呼で、
たくさん笑わせてもらいました。
私はきっと、
これから佐藤隆太さんをテレビや映画で見かける度に
「あぁ、草間流柔道さんだ」と思うのだろうなと予想しています。
そんな楽しい再会が、一転してせつないお話になりました……。
喫茶さえずりで、草間さんが喜美子に向けて
現在の状況を初めて説明したシーン。
そして、草間さんの奥さんが開いたという大衆食堂に
二人で食べに行ったシーン。
この二日間(金曜日、土曜日)は、朝から泣かされました。
私は朝七時半からのBSの放送を視聴しながら
出勤するためのメイクをしているのですが、
その二日間はこのドラマのせいでほぼ無駄になりました。
それぐらい泣きました。
丁度、草間さんが幼い喜美子と
生き別れの奥さんについて話す回だけ録画していたので、
金曜日の放送を視聴した後、改めてその回を見直しました。
奥さんが生きていることを疑いもせずに話す喜美子に
救いを感じたらしい草間さんが印象的で、
私が「スカーレット」で初めて泣いた回でもあるのですが……
幼い照子が夢について語る回でもあったのを知り、驚きました。
当時の喜美子は、将来の夢より
大根がうまく炊けるかどうかの方が重要だと言っており、
今は美術関係の学校に行きたいと思えるだけの余裕が
心にできたのだと分かって、改めてホッとしました。
今週ラストの常治さんの電話が、ちょっと怖いのですが。
話を戻しまして、草間さんと奥さんの件です。
喫茶さえずりにて、
喜美子に奥さんの現状を伝える際の、草間さんの様子……。
音楽も相まって、ここは見ていてしんどかったです。
佐藤隆太さんのちょっとした表情の変化や目の動きで、
草間さんの辛さがリアルに表現されていたと思います。
そして、大衆食堂での三人。
あんな気まずい状況であるにもかかわらず、
喜美子がぺろりとたいらげたことからいって、
やきめしはきっとすごく美味しかったはずです。
でも、失恋直後におはぎを食べた喜美子と同様に、
草間さんも味をほとんど感じなかったと思えました。
また、草間さんが作れないやきめしを、
奥さんの今の旦那さんが作っているというのが、もう……。
その旦那さんが声でしか登場しないというのは
ドラマとしてとても上手いなと感じました。
やきめしが運ばれてきた直後、喜美子が、
こちらに背を向けている奥さんを見た後、続けて、
同様に背を向けている草間さんを見るシーンがありました。
つまり、そこでは二人の顔が全く見えなかったのですが、
彼らの背中からは様々な感情が読み取れました。
草間さんが離婚届を置いていったことからして、
彼は奥さんの現状を知った後は
あれを鞄の中に常に忍ばせていたんですよね。
いつか奥さんに離婚届を渡さなきゃいけない、
いい加減にけじめをつけた方がいいと分かりつつも、
実行できずにいたのを踏まえれば、
喜美子が彼の背中を押した今回の行動は
彼にとっても良かったはずだと自然に思えました。
おはぎにつづき、
飴ちゃんの存在も非常に効果的だったと思います。
「子供連れにあげている」という台詞から、
草間さんの奥さんが、
彼の連れだった喜美子に対して誤解をしていない
(たとえば草間さんと喜美子が交際しているとか)と
はっきり分かりました。
そして、一つ置いていった後にわざわざ追加した
二個目の存在感!!
喜美子と草間さんが食堂を出た後は、
それまで緊張させられていた反動もあり、
飴のやり取りで遊ぶ二人が大変微笑ましかったです。
「先生に礼」、「お互いに礼」、
「ありがとうございました」の挨拶のシーンは、
喜美子と草間さんが素敵な笑顔を浮かべていたのに、
私はもう涙が止まりませんでした。
奥さんの妊娠を草間さんが知ってしまうシーンは、
「このドラマのスタッフは、えげつないな……」と思いました。
ここ、支払いのやり取りの直後で、
草間さんと奥さんに変な間が長くあった時だったので、
衝撃的な内容だったのは勿論ですが、
本当にもう嫌なタイミングでした。
それが狙いだと分かっていても、観ていてしんどかったです。
でも面白いです……。
毎日「どうなるんだろう」と、ドキドキしています。
ところで、関西で「やきめし」はメジャーなんですかね。
生まれも育ちも関東(栃木県)の私は、
「やきめし」と言われても全く分からず、
食堂で二人に運ばれてきたチャーハンを見るまで
「そばめし」と勘違いをしていました。
見ていて辛かったですが、食べたくなりました。チャーハン。
おはぎも、スーパーで見かけたら買ってしまいそうです。
「言えない想い」がテーマだったようなこの第5週。
本当にしんどくて、本当に面白かったです。
来週の放送も楽しみですが、同じくらい不安でもあります。
どうか喜美子が幸せでありますように。
続きはこちら。
【NHK朝ドラ感想「スカーレット」第6週:自分で決めた道*ネタバレあり】
https://himezakura.blog.ss-blog.jp/2019-11-09-2
2019-11-02 23:37
共通テーマ:テレビ
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