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感想@NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」 [NHK大河ドラマ感想]

2022年のNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の感想です。
https://www.nhk.or.jp/kamakura13/
21kamakura.jpg

NHK 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」メモリアルブック

NHK 2022年大河ドラマ「鎌倉殿の13人」メモリアルブック

  • 作者: 東京ニュース通信社
  • 出版社/メーカー: 東京ニュース通信社
  • 発売日: 2022/12/14
  • メディア: Kindle版


本日1/8は、
2023年の大河ドラマ「どうする家康」初回の放送日です。
推しの戦国武将の一人が石田三成という私にとって、
こちらは視聴するのが本当に楽しみな作品なのですが、
その前に、絶対に
「鎌倉殿の13人」にも触れておきたかったので、
今になって慌てて感想を書き始めています。

日曜日の夜が実に楽しい一年間でした!!

正直に言えば、
私は三谷幸喜さんの脚本があまり好きではありません。
これまでテレビドラマや映画、舞台と観てきましたが、
その大体において、
特にコメディパートについては、
私の好みと合わなかったからです。
(しつこさが鼻につく感じで好きになれない)

以前の大河ドラマにしても、
「新選組!」は途中で離脱した後、
最終回だけ戻ってきて帳尻を合わせました。
「真田丸」は、
これまた私の推し武将の一人である
真田幸村が主人公ということで、
最後まで楽しく完走できたものの、
「三谷脚本なのに珍しく観れたな」としみじみするほど
例外だと思えました。

なので今回の「鎌倉殿」については、
「三谷脚本なのでつまらなくはないだろうけれど、
描かれ方によってはまた途中離脱するかもしれない」と
予想していましたが……
蓋を開けてみれば、
自分でも驚くほど毎週の放送を夢中で視聴しました。
日曜日の夜を迎えるのが楽しみでしたし、
当日は、BSプレミアムでの早鎌倉の後、
地上波のNHK総合での放送を再び観て、
予定が合えば翌週土曜日午後の再放送も逃しませんでした。
悲しい事、辛い事にやりきれなくなったり、
時折挿まれる和みパートに癒しを感じたりと、
感情もたくさん揺さぶられました。



まず、北条義時という人物を主人公に据えたのが
非常に上手いと思いました。
源頼朝は言うまでもなく、姉の政子と息子の泰時も、
それぞれ歴史の教科書に載るほどの有名人です。
私も日本史が特に好きなので、
北条義時の名前は知識としてありましたが、
「鎌倉幕府の二代目の執権で、
かなり冷徹な人だったらしい」
という程度しか知りませんでした。
なので、話の序盤~中盤で描かれた
温厚で誠実で優しい小四郎には
違和感が無いわけでもなかったものの、
彼が覚悟を決めて修羅の道を歩み始めてからは、
もう、ただただ納得するばかりでした。
小栗旬さんの演技も圧巻の素晴らしさでした。

義時だけでなく他の登場人物も、
揃いも揃って大変魅力的でした。
特に、日本の三大悪女の一人として挙げられる政子は、
作中の誰よりも慈悲深く、
心に芯のある強さを持っていて、
「これは大江広元でなくても好きになっちゃうよね」と
何度も思いました。
源頼朝は、義時がまだ若く、
清廉潔白でいられた頃の人ということもあって、
非情で残忍な決断が下される場面での心の対比が
特に際立っていました。
頼朝を嫌っても、決して憎めないというのが、
三谷脚本の上手い匙加減だったなと思います。

他にも、北条時政、りく、時房、実衣、
泰時、八重、比奈、のえ、頼家・実朝、
後白河法皇、後鳥羽上皇、和田義盛、
梶原景時、比企能員、畠山重忠、八田知家……など
ざっと挙げてもきりがないほど、
全ての登場人物がチャーミングで、
それぞれの生き様、死に様を見せつけられました。
特に物語の中盤以降では、
北条一族のホームドラマにほっこりしては、
その前後に描かれる無情で陰惨な粛清に憂鬱になり、
自分でも感情を持て余してしまうことが
何度かありました。




とはいえ、実を言いますと、
最初からこれほど熱中していたわけではありません。
源頼朝が挙兵するまでは
お話の盛り上がりが欠けていましたし、
やや退屈だと思ったこともありましたし、
想像していたとおり、
コメディパートを楽しむことができず、
一度だけ冷ややかな気持ちで
「もういいかな。見るのを止めよう」と
思ったこともありました。

そんな私の心がいつ良い方に変わったのか。
この感想記事を書くにあたり、振り返ってみたところ、
やはり上総介(上総広常)の暗殺からではないかと
思い至りました。
この時の源頼朝の残忍極まりない言動には、
義時と一緒になって私も動揺してしまい、
怒りさえ湧きました。
その後に源頼朝による身内の粛清
(木曾義仲、源義経、範頼)が挿まれた後、
彼の死後には
いよいよ御家人同士の血で血を洗う争いが本格化し、
目が離せなくなっていったので、
やはり私にとっての転機は上総介の死でした。
戦で一番役に立ってくれた人が、
その後には最大の脅威となるため、
早々に潰しておく……というのは、
源頼朝が頂点に立つためには必須だったのでしょうが、
「都合よく利用するだけして、
その後に騙し討ちをするってどうなの?」と
本気で呆れましたし、
年末の総集編を視聴した時も
やはり納得することはできませんでした。



個人的には、私の歴史上の人物での初恋が、
源義経だったことから、
菅田将暉さんが演じる義経には大いに困惑しました。
全く好きになれず、認めることもできず、
「こんなのは義経じゃない」と何度も思いました。
でも、一番の見せ場である壇ノ浦の戦いを経て、
一転して追われる側になってからは、
彼を義経として受け入れられるかどうかは別として、
いつの間にか好きになっていました。
義経が奥州藤原氏の元に逃げ込んだ後、
密かに訪ねてきた義時に向かって、
鎌倉をいかに攻めるかを喜々として語った場面は
特に印象に残っています。

ただ、「鎌倉殿」の中で最も印象深かったのは、
やはり最終回のラストシーンです。
その前にNHKで放送された関連番組にて、
小栗さんや小池栄子さんが「凄い」や
「こんな終わり方があるのか」と
口々に絶賛されていたのを見ていたので、
私の中で期待も高まっていたのですが、
実際の放送を見た時の衝撃はとても大きく……
終了直後はテレビの前で少し呆けてしまいました。
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義時が更に罪を犯そうとしていることを知った政子が、
病の突発的な症状により目の前でひどく苦しんでいる彼に
敢えて薬を渡さないことで、
死に至らせるという流れが凄かったですが、
苦しんで呻く義時を見殺しにすることで、
彼を辛い責務から解放し、心を楽にさせた政子の心境や、
死の直前で義時が政子に放った「姉上」との呼びかけが、
若い頃の彼を思わせる言い方であった点などが
もうもうもうもうたまらず、
私も声をあげて泣きました。
政子が義時に向かって、
「私もすぐにそちらに行く」云々と言っていたとおり、
確か史実では、
その後一年ほどで本当に彼女も亡くなるのが
とてもせつなかったです。
また、人間が死を迎える際に
聴覚が最後まで残るとされているのを思えば、
スタッフの名前が並ぶ最後の真っ暗な画面に、
政子のすすり泣きだけが聞こえてくるシーンは、
まさに最期を迎える義時の様子だったのだと
思えてならなかったです。
義時を鬼に変えた一因は、
彼を頼った政子にもあるので、
最後に責任をちゃんと取った彼女の気概も感じましたし、
こんな最期を迎えなければならなかった無常さが
とにかくせつなくて、辛くて、本当に本当に衝撃的で、
放送直後は感情が言葉になりませんでした。



それと、絶対に触れておきたいのが、
義時の無二の親友の三浦義村についてです。
源頼朝がまだ存命だった頃から、
義村は立ち回りが上手く、
抜け目が無い人のように見えていましたが、
まさかここまでとは……と思いました。
その野心も凄かったですが、
義村が何度挑戦しても義時には勝てないという結果が
興味深かったです。
義時が無念のうちに先に亡くなったのを踏まえれば、
彼より長生きしただけでなく、
あれだけたくさんの御家人が粛清された中で
三浦の家をちゃんと守り通した義村は
実質的な勝ち組なのかもしれません。
しかし、義時が亡くなったせいで
もう二度と彼に負けないけれど勝つこともできず、
結果的に彼に勝ち逃げされた件は
その死を悼む以上に残念なことだったのではないかと
勝手に想像しています。
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義村は嘘を吐く時に衿を触るという設定も、
本当に素晴らしかったです。
後でじわじわ効いてくる仕掛けですよね、これ。
何より、ここぞという時にそれをやられたシーンでは、
「よ、義村……! あなたっていう人は……!」と
私も呆然となりました。



キービジュアルも素敵でしたが、
この、十三色の布を踏み付けている画像も
いかにも権力者!という感じがして、好きです。
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音楽も良かったですね……!
特にOPは、石像の映像も相まって
何度でも見たくなりました。



上記のとおり、
私は子供の頃から義経のことが特別好きでした。
彼が活躍するまでの事は進んで勉強していたものの、
その後についてはほとんど関心を持ってこなかったので、
ドラマを通してたくさんのことを学べたのは
とても良い機会でした。
いつになるかは不明ですが、
次に鎌倉に行ける時が本当に楽しみです!
最高に素晴らしい作品でした。

義村の癖の確認も含めて、
時間がある時に第1話からじっくりと見直したいです。



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2023-01-08 22:30 
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