さくらもちモチ

感想@舞台「真・三國無双 官渡の戦い」（全労済ホール／スペース・ゼロ）　[真・三國無双] [編集]

舞台「真・三國無双 官渡の戦い」を観てきましたので、感想を記します。
（2018年4月30日昼公演　全労済ホール／スペース・ゼロ）

*敬称略
郭嘉：和田琢磨

曹操：谷口賢志
夏侯惇：渡辺和貴
張遼：田川大樹
曹丕：白又敦
楽進：反橋宗一郎
荀彧：奥谷知弘
孫策：山口大地
孫権：川隅美慎
劉備：仲田博喜
関羽：磯貝龍虎
袁紹：松浦司
張コウ：寿里
賈充：小野健斗

構成・演出・振付：西田大輔


前作（2017年）の舞台の感想はこちら。
【感想@舞台「真・三國無双」*ネタバレあり】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2017-02-13



久し振りの西田さんの舞台！
……というか、前回観たのはそれこそ「真・三國無双」の舞台で、
（http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2017-02-13）
今までも戦国BASARAの舞台しか観たことが無いので、
「久し振り」とか言えたものではないのですが。

今回描かれたのは、タイトル通り、官渡の戦いです。
三國での最愛推しキャラが曹丕の私にとって、
彼がお嫁さん（甄姫）を得る大事な戦なのですが、
キャストに彼女が入っていないので、
そこには触れられないんだなぁ、残念だなぁと少々思っていました。
（甄姫ちゃんも好きなので）

ただ、主人公が、こちらもお気に入りキャラの郭嘉！！
しかも演じるのが大好きなわだくまさん（和田琢磨さん）！！
前回良かった山口大地さんと仲田博喜さんも続投で出ちゃう！！
……ということで、期待も大きかったです。



まず全体的な感想としては、とても熱い舞台でした！！
「殺陣が多い」というのは事前にネットでちらほらと見かけていまして、
「まぁ、西田さんの舞台だし、そうだよね」と軽く流していましたが、
今回も本当に殺陣が多かったです。
一体、何手あったんですかね……。
キャストさんはさぞご苦労されたかと思いますが、
そのお蔭で、大変迫力のある殺陣を堪能できました。

他、一幕後半で見られる水計成功のシーンの布を使った演出や、
二幕終盤で落ち込む孫権が再び奮い立つ元となった呉軍の声
（アンサンブルの人が左右の客席通路に立って大声を出すところ）など、
興奮したり感動できたりと、何度も心を震わされました。

ただ、私がまだ三國8を曹丕しかクリアしていない上に、
8についての事前情報を集めていなかったので、
当初は孫策の武器に対して戸惑いを覚えてしまい、
観劇に集中できませんでした。
ゲームの三國も暫く遊んでいないので忘れており、
「あれ、策の武器ってこんなんだったっけ？　違うよね？
あ、これ8の武器か！！　そうだきっとそうだ」みたいな感じ。
勝手な意見ですけれど、あの武器って敵を倒しにくそうじゃないですか？
7の武器の方が良かったなぁ……と、
舞台とは関係ないことも思ってしまいました。

そうそう、音楽が8ばかりかと思いきや、
ここぞという時には7の音楽も使われていて嬉しかったです。
官渡の戦いのシーンで、7のその音楽が流れた時は
とても興奮しました！



ご存知のように、官渡の戦いは三国志序盤の目玉です。
この舞台では、そこに至るまでの流れもしっかりと描かれていましたが、
お話が全体的に駆け足気味なので、
もし役者さん目当てなどで三国志をよく知らない方が観たら、
ちょっとついていけないかもしれないなと思いました。
私も直前に付け焼刃の復習をしてから臨みましたので、
もしそれをしなかったらやばかったかもしれません。
それと、ここはもう少し余韻が欲しいなというところが幾つかあり、
気になりました。



期待していた和田さんの郭嘉は、殺陣・演技共にとても素敵でした！
荀彧（奥谷知弘さん）も含めて、軍師ちゃん二人が可愛かったです。
良かった……！
私は三國7Empiresが未プレイで、8も荀彧ではまだ遊んでおらず、
曹丕シナリオで少し登場した部分しか知らないのですが、
この舞台を観たら、郭嘉は勿論のこと、荀彧でもプレイしたくなりました。

和田さんの郭嘉は優雅で品があって、殺陣も華麗で、
まさに郭嘉ちゃん！という感じ。
観る前から楽しみにしていましたが、観ている最中も、
「おお……郭嘉ちゃんだ！　郭嘉ちゃんがいる！！　郭嘉だー！」と
何度も何度も思いました。
ラストシーンも美しくて、
そう遠くない日に死を迎えるであろうこれからのせつなさも相まって、
感動しました。

美しさでは、仲田博喜さんの劉備にも目を奪われました。
以前も当ブログかツイッターで書いた覚えがありますが、
この人を見ていると、美しさも才能だなと深く思わされます……。
魏をメインとするこの舞台では、一時的な情で動いてしまう劉備は、
曹操を頼ったり裏切りったりとふらふらしているので、
なかなか難しい役どころですが、
説得力のある演技と美貌と格好良い殺陣で、
今回も好演されていました。
本当、和田さんといい仲田さんといい、
華のある役者さんの演技や殺陣をたくさん観ることができて、
幸せでした。

推しキャラの曹丕（白又敦さん）は、
事前に公式サイトで見た画像が面長すぎて、
「これは……ちょっと……私の曹丕じゃない……」と激しく戸惑いましたが、
実際に生で観るとそれは全く気にならず、
ちゃんと格好良くて素敵でしたので、安心しました。
曹丕にしては声が高いのと、
台詞が聞き取れない時が何回かあったのが少々気になったものの、
高圧的な物言いにはいかにも曹丕といった感じが出ていましたし、
官渡の頃の彼がまだ青年であるのを思えば、
これでも良いのかなと思えました。
あと、曹丕の殺陣は凛々しくて格好良かった上に、
氷の演出も良かったです……！
ゲームで曹丕を操作している時と同じように「氷の王子様だ！」と思いました。
尤も、お父さん（曹操）の殺陣の演出には、
「スモークが多すぎじゃない？」と思わずにはいられず、
途中で笑ってしまいそうになりましたが……。
大阪公演にて前方席で観劇予定の方は、心構えが必要かもしれません。

キャラクターの再現度で言えば、
張コウが本当に張コウで、大変素晴らしかったです。
さすが寿里さん。
立っているだけで張コウの妖しさが満載。
二幕終盤で曹操に降ってからの彼がまさに私もよく知る三國の張コウで、
楽進と一緒に美声を発するところは、私も笑ってしまいました。

そうそう、武人とされるキャラがちゃんと強そうに見えたのも凄かったです。
私は三國も含めたアクションゲームをあまり得意とせず、
強いキャラクターを相手にすると苦戦することも未だに珍しくないのですが、
関羽（磯貝龍虎さん）と張遼（田川大樹さん）の雄々しい殺陣を観ていたら、
ゲームで彼らを敵とした時に手こずったのを思い出しましたw
特に関羽は、大きな得物による悠々とした殺陣が圧巻で、
武器を振り回しただけで非常に強そうというのがよく伝わってきました。

そして、最後まで安心して観ていられたというか、
作品が終始安定していたのは、
袁紹役の松浦司さんの好演も大きかったと感じました。
本当に、彼は私がよく知る三國の袁紹で、違和感なく観られました。



最後に、この舞台で少々引っかかったことを記します。
私の聞き間違えでなければ、
曹操が息子の曹丕に向かって「曹丕」と呼んでませんでしたか？？
それを聞いた瞬間、「そこは子桓（しかん）でしょう……」と萎えました。
三國の作中において曹操が曹丕を「子桓」と呼ぶ場面は多いので、
脚本を書かれた方が知らないはずはないと思うのですが。
勿論、可能性の一つとして、
脚本にはちゃんと「子桓」とあったけれども
役者さんがついうっかり「曹丕」と口にしてしまったかもしれません。
誰々が悪いと指摘したいわけでもないので、
もし単純な間違いであれば、大阪公演までに直して頂きたいです。
最愛キャラに関係することでしたので、ここは非常に残念でした。

今回も晋のキャラクターが登場していた件について。
元々私は賈充が好きですし、
小野健斗さんが演じられた彼も大変良かったのですが、
物語の語り手としてだけなら別に要らなかったです。
もしかすると、晋のキャラを一人は出さなければならない縛りでもあったのかと
邪推してしまいました。
今回の舞台は賈充がいなくても話は成立しますし、
彼は前回の司馬昭や王元姫と似たような立場なので、
「あぁ、またか」と既視感を覚えました。

楽進の歌ネタはちょっとしつこく感じました。
私の隣の席の人は、楽進が歌っている最中ずっと大笑いをしていたので、
決して良い悪いの話でなく、
単に、私の好みに合わなかっただけなのですが。


それと、舞台の内容とは直接関係無いのですが、
今回のグッズはクロージング（トレーディング）が多くてエグかったです。
グッズの収益が大きいとは知っていますので、貢献したいけれど、
ここまでだとついていけません……。



色々書きましたが、終演後には満足して帰ることができました！
帰り際に見かけた他のお客さんの顔も、総じて明るくて楽しそうでした。
良い舞台でしたので、もし可能なら続編を強く望みます。
とりあえず私は、三國8プレイを進めてきますヽ(o・ω・o)ノ
郭嘉ちゃんと荀彧で早く遊びたい……！！

（5/5追記）
三國8のプレイを再開しました！
【感想＆プレイ日記「真・三國無双8」その1：陸遜（呉）*ネタバレあり】
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2018-05-05