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感想@アニメ「屍鬼」第悼と髏苦話(第16話):少女の物語*ネタバレあり [アニメ感想]

フジテレビ・ノイタミナ枠のアニメ「屍鬼(しき)」の感想です。
今回は第悼と髏苦話(第16話)「少女の物語」です。

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  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • メディア: Blu-ray

私は原作(小野不由美先生の小説)の大ファンです。
藤崎竜先生の漫画も、月刊ジャンプスクエアで一応読んでいます。
以下の記述には、先の展開も含めたネタバレがあります。
このアニメ版で初めて作品に触れる方は、閲覧にご注意下さい。


前回の感想はこちら。
第悼と偽話(第15話):静信との決別

各回の感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧記事でまとめています。
2010年7月 開始作品

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まずはあらすじから。フジテレビの公式サイトより転載します。
罪を重ねていく徹。夏野をその牙にかけてから幾つもの夜が過ぎた。届けられた伝令。桐敷の屋敷に呼び出された徹に沙子はある一人の少女の物語を語りだす。


今回は、お話全体で見れば小休止のような回でしたが
(それほど進んでいない)
やっぱり面白かったです。
2クールで一本ものの作品ですと、
どうしてもこのくらいの話数で中だるみしがちなのに、
こちら“屍鬼”では全くそんな事がなく
ぐいぐいと視聴者を引き込んでいるのは
本当に凄いです。
上記の通り、私は原作の小説も漫画も読んでいましたが
それでも、二十分強のアニメの放送時間は
今回もあっという間にすぎていきました。


さて、徹ちゃんに向けて語られた沙子の過去。
徹ちゃんも敏感に反応していましたが、
沙子が、最初と最後は、とある少女の物語として、
あくまで他人事として話しているのに対し、
お話の中盤では、沙子自身も無自覚のまま
「わたし」という主語を出してくる事から、
これが沙子自身の過去である事が
はっきりと提示されています。
語っているうちに、つい本当の事を出してしまうなんて
いかにも人間らしいなぁと思うと同時に、
自分の非道な行ないを淡々と語れるあたり、
彼女自身はとっくの昔に
屍鬼である自分を受け入れているという事も
よく分かりました。
また、沙子の淋しさ、辛さも伝わってきました……。


以前にも書きましたが、
こちら“屍鬼”という作品の醍醐味は、
狩られる側である人間が感じる恐怖と、
尾崎医師による反撃を機に一転して、
人間が屍鬼を狩る側に回る点です。
これまで散々、屍鬼側にいいようにされていたのを思うと、
尾崎医師を始めとする残りの村民の反撃は、
まさに読者(視聴者)も「待ってました!」の展開なのですが、
屍鬼側のやむを得ない事情や苦しみが描かれる点で
普通、この手の作品でなら味わえるであろう爽快感が薄いのが
特徴です。
原作の小説では、読み進めているうちに、
(漫画は、今、
SQでの連載でその部分が描かれている真っ最中です)
あんなに怖かった屍鬼が可哀相だと思えてきます。
狩られる側の屍鬼の悲劇がより強調されているので、
読んでいて嫌な気持ちになったり悲しくなったりさえします。
まぁ、ご存知のように、
人間には、“判官びいき”といった
弱い者/負けている者に対して応援したくなる気持ちが
ありますので、
屍鬼が狩られる側になったのを見て、
私たち読者/視聴者が
彼らに同情してしまう流れができるのは、
当然といえばそうなのですが。
今回の放送で流れた二つの例
(奈緒さんと沙子)を見ていたら
「あぁ、とうとうここまで来たか」と感慨深くなりました。


以下は、放送中に呟いていた実況ツイートの転載です。
  • sa9raribbonsa9raribbonこの作品の面白いところは、狩る側の屍鬼が一転して人間に狩られる側になる事だけど、その前にこうして屍鬼側の事情や心情を丁寧に描いて、少し前まで敵だった屍鬼に読者/視聴者を共感させる点もだと思う
  • sa9raribbonsa9raribbonさっき徹ちゃんが反応していたように、最初はとある少女の物語だったはずなのに、沙子が「わたし」として自分の過去を話している(しかも本人はそれに気付いてない)のも面白い
  • sa9raribbonsa9raribbon清水恵「(最初に襲う対象は)家族がいいと思うわぁ」って……容赦ないなぁ。恵を本当に友達だと思ってたかおりが可哀相だ。
  • sa9raribbonsa9raribbonここは、かおりの母親にしてみれば物凄く怖いシーンなんだけど、せつなくて悲しいよなぁ
  • sa9raribbonsa9raribbon単身乗り込むなんて、勇気あるよなぁ……(三´ω`) それだけ切羽詰まってるって事なんだろうけど
  • sa9raribbonsa9raribbon夏野は人狼になっちゃったけど、普通の屍鬼とは違うから目が赤くないのが本当に救い。あれで目まで赤かったら、(見てる私が)精神的にきつかった。原作の小説派には本当に辛い設定だよ(三´ω`)

次回も楽しみ!


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続きの感想も書きました。
第悼と弑魑話(第17話):律子の予感

宜しければ、合わせてご覧下さい。


2010-11-20 19:02  nice!(0) 
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