さくらもちモチ

感想＠アニメ「屍鬼」第柩話（第9話）：月夜の衝撃に敏夫は*ネタバレあり　[アニメ感想] [編集]

フジテレビ・ノイタミナ枠のアニメ「屍鬼（しき）」の感想です。
今回は第柩話（第9話）：月夜の衝撃に敏夫はです。

私は原作（小野不由美先生の小説）の大ファンです。
藤崎竜先生の漫画も、月刊ジャンプスクエアで一応読んでいます。
以下の記述には、先の展開も含めたネタバレがあります。
このアニメ版で初めて作品に触れる方は、閲覧にご注意下さい。


前回の感想はこちら。
【第夜話（第8話）：棺桶の中身は…】

各回の感想記事のURLは、他作品も含めて
こちらの一覧記事でまとめています。
【2010年7月 開始作品】

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まずはあらすじから。フジテレビの公式サイトより転載します。

安森節子を守るため、敏夫は彼らの襲撃を待ちうける。 静信は戸惑いながらも敏夫と共に夜を過ごす。律子が夜に見たもの。外からの声に起き上がる節子。いまやはっきりと、彼らは月光にその姿を晒している。

上記のあらすじの通り、
屍鬼に襲われた患者・安森節子を巡る攻防が始まりました。
対決するのは、勿論、屍鬼と尾崎敏夫です。

今回も、具体的な症例（患者）を通して
屍鬼の説明が詳しくなされています。
彼らに一回吸血された程度では人間は死なないこと、
吸血された人間は彼らに操られること……などです。

特に、序盤の回で亡くなった若妻・安森奈緒が、
毎夜毎夜、安森節子を襲いにくるシーンは、
外場村の住民が、これまでどのように屍鬼に襲われていたかが
分かる仕組みになっています。
屍鬼は、生前の性格や知識をそのまま引き継いでいるので、
これは屍鬼によって異なるのですが、
今回の安森奈緒が家族（節子）の血を吸ったように、
多分、家族が家族を襲うパターンが一番多いのでしょう。
だからこそ、死者が出た家には次の死者が出やすいとして、
当初、尾崎は伝染病を疑ったわけですが。

確か……うろ覚えですが、
安森奈緒は幼い息子の血も吸っていて、
彼女の夫が「子供が『ママ』と言っていた」云々という台詞を
発していたはずです。
（私の勘違いでしたらすみません）
この安森奈緒は、彼女自身が後で喋るとよく分かりますが、
屍鬼化したことに対して比較的前向きでいるキャラです。
たとえば、夏野の親友だった武藤徹は、
今後、まだ人間である家族を屍鬼から守るために
“夏野を襲え”という命令を泣く泣く呑みます。
（夏野は、屍鬼を狩るもの=ハンターとして、
屍鬼全体の敵と見なされているので、徹にこういう命令が下された）
また、今回、尾崎に差し入れをしようとした看護婦の律子さんは、
屍鬼になっても、「自分はもう死んだ人間だから」として
人間を襲うことをひたすら拒み続けます。
なので、彼らは屍鬼になったからといっても
全員が吸血に対して能動的に動くわけではなく、
また、「屍鬼」という単語でひとくくりにはされていますが、
人間同様、個性は別々です。

そして今回、人間の失血死について
尾崎が具体的な量を挙げて説明をしています。
確かに、屍鬼を一人相手にしたのでは、
人間が失血死するより先に
屍鬼のお腹が膨れる方が先にくる為、
上記の通り、
彼らに一度吸われた程度では死なない……という仮説が成り立ちます。
しかし物語の最後において、
安森節子が、集団化した屍鬼に一斉に襲われることで、
そういう例外の時は間違いなく死んでしまうとも
証明された事になります。
（吸血の回数は関係なく、
吸われた血の量で、その人間が死ぬかどうかが決まるので、
今回のように屍鬼に集団で来られたら、もう太刀打ちできない）
この段階では、尾崎は屍鬼に対して手探り状態でいますので、
彼の甘さが節子を死なせたとして彼を責めるのは、非常に酷な話です。
しかし、尾崎の無念さが感じられる分、
とてもやるせない気分になります。

尾崎対屍鬼は、漫画で読んでいても面白かったので、
このアニメ版で一週分にまとめられたのは、ちょっと残念でした。
（結構省かれていたと思います）

でも、対屍鬼の鍵となる
尾崎の奥さんもとうとう出てきましたし、
これからいよいよ尾崎の逆襲が始まりますね。
（この後、奥さんが屍鬼化するので、
尾崎は彼女の体を使って人体実験をする）
尤も……これで、夏野の戦いが始まるわけですが orz

いよいよ、夏野が徹ちゃんに襲われるんだなぁ……。
お話の展開が分かっていても、せつないです。




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