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感想@映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」*ネタバレあり [映画・舞台]

映画「踊る大捜査線 THE MOVIE 3 ヤツらを解放せよ!」の感想です。


以下の記述にはネタバレを含みます。

私は、これまでのシリーズ(ドラマ/映画)を
スピンオフ作品以外は一通り見ています。


感想を書く前に、まずは私の状況から。
私は、連続ドラマで「踊る」にハマったくちですが、
スタッフさんが調子に乗って作品を出すようになった番外編から
面白いとは思えなくなり、
映画に対しては「つまらない」との評価を下しています
(特に2は、失礼ながら、駄作だと思います)。
スピンオフ作品についても興味がなくて、
最初の“ 真下正義”をDVDで見た後、
「やっぱりつまらない」と思った事から、
その後は切っています。

で、私は、
製作:亀山千広/脚本:君塚良一/監督:本広克行
このお名前が揃った時点で
「あ、私には合わない作品だな」と思っています。
特に、これまでの「踊る」の映画については、
枝葉のどうでもいい部分がうるさすぎて
本筋がつまらなくなっているという印象が、物凄く強いです。
(私はリンクネタに固執していませんので)

つまり、
熱心なファンからアンチに転向したようなものなんですが、
やっぱり、今でもドラマ版は好きなんです。
映画についても、「どうせ今回も駄作でしょ」と思いながらも、
チェックせずにはいられなかったので、
基本的・根本的には、未だにファンなのかもしれません。



というわけで、全く期待しないで見たのですが、
正直なところ、途中でかなり飽きました。
上映時間は二時間強ぐらいあるのかな……
私は、ずっと集中して見ていられなかった末に、
終盤(青島が真犯人と対峙するシーン)では
欠伸を連発してしまいました。

やっぱりビミョーな出来だったと思います。
それでも、私の中で駄作認定が下されている2よりは、
かなり良かったと思います。



なんていうか……自分の感想・意見なのに
上手くまとめられないのですが、
このぼんやり感こそ、問題の根源なのかと思いました。

“踊る”はミステリ/刑事ものですので、
殺人事件は起こって当然の出来事なのですが、
特に前半は、ギャグとミステリ(事件)が
同じテンポで描かれているので、
メリハリがあまり感じられませんでした。
これは、おそらく、
普段の日常の中に犯罪が溶け込んでいるという狙いも
あるんだと思います。
(でも作中の設定は、湾岸署の引っ越しの最中なので
厳密に言えば非日常なのですが)
実際、ギャグシーンの中に
実行犯たちの出入りがはっきりと描かれていますし。

でも、かつての“踊る”の映画でもそうだったように、
どの場面も強い映像ばかりで、
見ていて休めるシーンが無い事から、
ずっと鑑賞していると疲れる&飽きるんですよね……。
“踊る”ファンなら、
小ネタ・リンクネタを探すだけでも楽しいでしょうし、
家で、DVD/BDやテレビ放送で見る分には、
他に気晴らしできる逃げ道がありますので、まだ良いですが、
(ちょっと他の物を見る/トイレに立つだけでも
かなり違うと思います)
劇場の大スクリーンで集中的に見るという極端な状況で
この演出・構成をされたのでは、
普通程度の踊るファンにはきついかなぁと思います。



そして主要登場人物が多いせいか、
全体的に散漫な印象を持ちました。
あれもこれもと人を出すのは良いですが、
ドラマ版メンバーですら、青島さん以外は
賑やかし+αな感じです。

特にすみれさん。
ドラマ版の時から
すみれさんの仕事上での立ち位置はビミョーでした。
女優さんの役としてはまず最初に来る人ですし、
青島さんとのラブ……は、描かれていないものの、
彼女が事実上のヒロインポジションにいる事は、
視聴者の誰もが認める事だと思います。
(おまけに今回は、
ちょっと告白を臭わせるようなシーンもありましたので)
でもすみれさんは、同じ刑事でも
青島さんとは所属する係が違いますので、
仕事上は、彼のパートナーではないんですよね。
ドラマ版での青島さんのパートナーは和久さんでしたし、
今回は、かつては女青島と呼ばれた夏美さん達が
部下──もとい仲間として
最初から最後まで頑張っています。
なので、たとえば映画の1のように
青島さんとすみれさんが一緒に行動する方が珍しいのであって、
今回、彼女が青島さんとはずっと別行動しているのは
(しなければならない状況になっている)
当然とも言えるんですが、
もう少し、すみれさんに
刑事としての見せ場がほしかったです。
すみれさんだからこそ、
青島さんへの館外放送が効果的になったんでしょうが、
正直、物足りなかったです。

また、今回は、
映画版の1が物凄く深く関わってくるわけですが、
今さらこんなにこのネタを持ってこなくても良いのでは?と
思いました。
ネタ元というか、関連が映画の1なので、
今回も映画なのでしょうが、
通常だったらスペシャルドラマレベルだよなぁと思いました。
尤も、最近の邦画界は、
ドラマでちょっと人気が出るとすぐ映画化されますので、
それらと変わらない点を挙げれば、
劇場版として公開されたのは当然かもしれませんが。

今回初登場だった和久さんの甥っこ・和久伸次郎も、
形見分けで貰った手帳の読み上げ機でしかなかったような
気がします。
彼は、出番的には
他の登場人物よりも優遇されていましたが、
内容的にはどうなんでしょう。
私にはビミョーに思えました。
特に、新しい湾岸署の防犯システムの分厚いマニュアルを
青島さんから渡された際に、
彼が無邪気に喜んでいる/張り切っているのを見て、私は、
「あ、これが犯人によってすり替えられるけれど、
唯一、中身をちゃんと読んでいた和久伸次郎だけが
『ここが違います!』と気付く事ができるのかな」と思っていたのに、
そこがまったくスルーされていたのは、本当に残念でした。
おいおい、単にあの場に行かせる為だけかよ!と
ツッコミを入れずにはいられませんでした。

また、鳥飼誠一については、
もっと悪い人間かと思っていましたので
(普通の悪人/犯罪者という意味でなく、正義寄りの悪い人)
中途半端な描き方だなとも思いました。
まぁ、こういうくらいの方が
逆にリアリティがあるのかもしれません。



そしてお話。
主軸(お話のメイン)の犯罪に
湾岸署の拳銃紛失事件が大きく絡むのですが……
ドラマ版の終盤で、
あれだけ拳銃携帯許可発動を仰々しくやっておいてこれかよ!と
ツッコミを入れずにはいられませんでした。
そもそも、通常は防犯を考えて、
弾と拳銃は別々に保管されているものなのでは??
これは、引っ越しという非常事態の最中だったからこそ
あり得た事件という位置付けなのでしょうが、
なんだかなぁと苦笑いをせずにはいられませんでした。

また、青島による真犯人への説得ですが、
あっさりと解決してしまって、ちょっと拍子抜けしました。
相手(真犯人)は、自分さえ納得できれば投降する性格ですから、
(未練がましく逃げたり反抗したりはしない)
それこそ青島が、理詰めで真犯人を追い詰める展開が見たかったです。
「誇り」を持ち出すところが青島らしいのでしょうが、
映画を見た限りでは、
この言葉だけで片付くような問題でもなかったと思えました。

それと、
自分たちの建物を要塞化した事を相手に逆手を取られ、
逆に窮地に追い詰められるのは
この手の作品の王道です。
(主に逆のパターンですが。
敵の要塞攻略において、難攻不落という点を主人公側が上手く利用する)
せっかく良い題材なのに、
「電源を落としたら?」の提案であっさりと解決したのには、
笑うどころか、呆れて脱力しそうになりました。
これ、お話を全体的に前倒しして、
中に閉じ込められた人の描写において、
もっとパニック要素を強めても良かったんじゃないかと思います。
外からの救助をじっと待ったり、
すみれさんが「青島くん……!」とやったりするだけでなく、
中からも何とかしよう努力する様を見たかったです。
せめて、セキュリティの問題(パスワードや手順云々)を
和久伸次郎を中心に、中の人々で何とかする展開が
(外から助言を貰っても良いから)欲しかったです。
上記の通り、
彼がマニュアルを読んでいたからこそ役に立てた!シーンも
欲しかったなぁ。

そうそう、実行犯を漫画喫茶で逮捕する際に、
王明才が実際に倒すところを省いたのはなんでですか?
一番オイシイところがなくて、
思わず「え?」と顔を顰めてしまいました。
青島が逮捕するわけではないので、
その前後さえきっちりと描いていれば良いのでしょうが
(そして、怪しい中国拳法??をどんなに真面目に撮影しても、
あのシーンではギャグにしかならないので、
敢えて切ったのでしょうが)
勿体ないなぁと思いました。



ううん……不満をこうやって挙げていくと、きりがないですね。
では、良かったところを挙げていきます。

まずは、女青島──もとい篠原夏美!!
以前のSPドラマの時は、脚本が面白くなかったのもあって
「おいおい」と思いましたが、
内田有紀さんが良い女優さんになって戻ってきたなぁと
深く実感しました。
私はふかっちゃん(深津絵里さん)のファンですが、
正直、今回は、内田有紀さんが一番美人さんだと思いました。
役としても
彼女は青島の直属の部下なので、出番が多いですし、
見せ場にも恵まれていました。

スリーアミーゴスは、良くも悪くもいつも通りだったと思います。
記者会見でのメイク&過剰演技はおかしかったです。
ただ、彼らの内の誰かが、激昂したついでに
本庁の人間に対して啖呵を切る場面は
もはやお約束の一つのような気もしますが、
今回はこれが弱かったのが残念でした。

意外にオイシイ役所だなと思ったのは、魚住二郎。
といっても、ひたすら「健康診断」ネタなんですが……。
刑事としては全然活躍がありませんでしたが、
やたらちょこちょこと出番があるので、印象に残りました。

脱メガネ男子になっていた交渉人・小池茂は
眼鏡が無くても格好良かったです。
今回は、鳥飼誠一が途中までメガネ男子なのですが、
彼らが二人揃って出るシーンでは、かなり萌えました。
素敵でした。

真下さんは……あれで良かったのかなぁ。
私としては、「目には目を、歯には歯を」しか見せ場がなくて
ちょっとかわいそうだと思いましたが、
新署長就任でスベっている彼はいつもの通りだったので、
これで良かったのかもしれないとは思えなくもないです。

お話のもう一つの柱である
青島さんの病気(肺ガン)疑惑ですが……
あれは、観客の誰もが
医者からの説明シーンにおいて
「どうせ間違いなんだろうな」と思ったはずです。
しかし今回の“踊る3”では、
これが間違いであるのを早々に示す事で、
感動的なシーンに笑いを添えています。
こういう、自虐的とも言える構成は、
私の知る限りでは、あまり見ませんので、
ちょっと新鮮でした。
とっくに違うと分かっている病気ネタを
あそこまで引っ張って引っ張って
すみれさんの感動シーンまで繋げたのは、お見事でした。

あ、そうそう、
終盤で室井さんが発していた秋田弁「へちゃまげな」??は、
あの感じからいって、
「うるさい/細かい事を言うな」とか
「大きなお世話だ」みたいな意味なのでしょうか。
私はパンフレットを購入しなかったのですが、
作中で全然フォローされてなくて、残念でした。

メリハリがなかったと上記で書きましたが、
肺ガン疑惑で落ち込んでいた(気力を失っていた)青島さんが
一転、元気になり、
いつもの緑色のコートを羽織って湾岸署を出ていくシーンは、
BGMとして“踊る”のテーマソングも掛かった事もあり、
とても格好良かったです。
ここの為に、それまでが宜しくなかった(出来を抑えられていた)のかと
錯覚しそうになりましたww



とまぁ、こんな感じでした。
2の時のように「駄作だ」とは言いません……が、
胸を張って「面白い!」と言える作品でもなかったので、
DVD/BDのレンタル開始やテレビ放映まで待てる人は
劇場まで行く必要は全くないと思います。
「DVD(BD)が出たら買おうかな」と思っているファンなら
行っても良いと思います。
キムチラーメン(インスタント)やら
最後に出たボクシングの二人組のモブやら、
ファンならクスッと笑ってしまうお約束が
今回も満載ですので……。



役者さんがどう……というのでなく、
脚本・演出の時点で、あまり面白くない(と私が感じられた)のが
問題かなと思っています。
十数年も前の連続ドラマ作品で
未だに映画が作られること自体、凄いですし、
何より今回は久し振りの映画という事で
ファンを巻き込んだ上でのお祭り要素も多大に含んでいるのですが、
だったら、もう少しお話を整理してほしかったです。
正直な話、“踊る”の一環だからこのくらいで済みましたが、
普通のミステリ/刑事作品として見たら
もっと点は辛かったと思います。
(とはいえ、逆に人気作品だからこそ
点が辛くなった部分もあったかもしれません)

それと最後に一言。
いくらdocomoがメインスポンサーだからといっても、
もう少し自重してほしかったです。
あそこまでの端末多用は不自然すぎます。
確かに、携帯電話や端末は今や現代人の必需品ですが、
これじゃ、映画全体でdocomoのCMをしているようだとも
受け取れかねます。


(20120911追記)
映画「踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望」の感想を書きました
(ネタバレあり)
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2012-09-11


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2010-07-06 23:45  nice!(2) 
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