感想:NHK大河ドラマ「龍馬伝」第27回 龍馬の大芝居*ネタバレあり [NHK大河ドラマ感想]
2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の感想です。
今回は第27回「龍馬の大芝居」です。
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以下の記述にはネタバレを含みます。
前回の感想はこちら。
【第26回「西郷吉之助」】
各回の感想記事のURLはこちらのページでまとめています。
【感想一覧:NHK大河ドラマ「龍馬伝」】
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小さなエピソードを、随分と長々とやったなぁと思いました。
放送期間が約一年という長丁場の大河ドラマでは、度々、
通常ならあっという間に終わらせるエピソードを膨らませて
一つの回を作ってしまう(作らざるを得なくなる)時があり、
この“龍馬伝”でも何度かありましたが、
今回もそうでした。
秘かに土佐に戻った脱藩浪士・坂本龍馬(福山雅治さん)が
岩崎弥太郎(香川照之さん)に頼んで、
検分の巻き物を盗んでもらい、
吉田東洋暗殺時の詳細を知った上で、
自分がその犯人だと名乗り出る大芝居を打つ
──たったこれだけの事を四十五分間も掛けたのには、
ちょっと苦笑いが出ました。
岡田以蔵(佐藤健さん)への拷問も
少し前から、いつまでやってるんだ状態でしたし。
実際に放送を見ている時は、あまり気にならなかったのですが、
改めて「今日ってどんな事があったんだっけ」と振り返ってみると、
「あれ? これだけ?」と驚かされるという。
まぁ、放送中に違和感を持たなかった分、
私の中でもこの構成は自然だと受け止められていたのでしょうが、
もうちょっと、あれこれあっても良かったのではないかと思いました。
(次回が第二部最後の回なので、そこはもう動かせない事から、
この回ではこうして些末な事を膨らませて
無理にでも場を繋がなければならない事情があったんだと思います)
最後の龍馬の大芝居は、いかにも嘘っぽくて
それだけで笑えましたが
逆に、当時の警察事情を考えると、
むしろ、いかにも嘘っぽい方が良いのかなぁと
ぼんやりと思いました。
というのも、この頃は、何か事件が起こされても
捜査も何もあったもんじゃなく、
一度怪しいと言われたら、被疑者の運命はもう
おまえが犯人だと決められたようなものじゃないですか。
普通は、以蔵も受けていたような
石抱きを始めとする拷問をされて、
その辛さから逃げる為に、やってもいない犯罪を認める
→一件落着のパターンがほとんどだったわけで。
で、今回の場合、
以蔵や武市半平太(大森南朋さん)を責める後藤は
決して間違ってないどころか、実は大当たりなわけですが、
彼らの自白を未だに得られてない時に
「わしの手柄を奪いおって」と言う龍馬によって
彼の犯行であると匂わせられたのなら、
後藤は龍馬を捕まえなければいけなくなります。
却って、龍馬の演技がわざと嘘っぱちっぽい方が
後藤に心を読まれずに済む利点もありますし、
利に適っていたのかもしれないと、思いました。
その龍馬。
久し振りに彼が坂本家に帰ってきた時に、
皆から飛び上がらんばかりに喜ばれていたのには、
見ているこちらも嬉しくなりました。
たった一晩のみの滞在でしたし、
何より、紙の上では龍馬が坂本家の人間でなくなるという
淋しい決断もなされましたが、
少なくとも、彼が皆に元気な姿を見せられただけでも
良かったと思います。
多分、乙女さんだと思いますが(違ってたらすみません)
「本当に縁を切りたいわけじゃない」みたいな事を言ってて、
そんなのは、あの場にいた誰もが分かっている事なのに、
それでも言わずにいられなかったほど
皆が龍馬を大事に思い、深く愛しているんだなと
思いました。
彼が“坂本家の味”を堪能できたのが
これで最後にならなければ良いのですが……。
私はこの辺の史実を全く知りませんので、
どうなるのかが楽しみです。
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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。
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続きの感想も書きました。
【第28回「武市の夢」】
宜しければ、合わせてどうぞ。
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2010-07-06 23:44
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