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感想@ドラマ「Mother」第11話(最終回SP):ずっと愛してる*ネタバレあり [テレビドラマ感想]

ドラマ「Mother(マザー)」の感想です。
今回は第11話(最終回スペシャル)「ずっと愛してる」です。

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以下の記述にはネタバレがあります。


前回の感想はこちら。
第10話:ひと目会いたい

各回の感想記事のURLは
こちらの一覧(インデックス)記事でまとめています。
テレビドラマ感想一覧:2010年春 放送開始作品

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最後、二人で“好きなもの”を挙げていくシーンでは
泣き過ぎて、ちょっと酸欠気味になって
頭がくらくらしてしまいました……。



新聞朝刊の紹介記事(あらすじ)で、
鈴原継美ちゃん(道木怜南/芦田愛菜さん)が
鈴原奈緒(松雪泰子さん)の元にやって来る事は
分かっていましたが、
そのシーンを見た瞬間に泣いてしまいました。
継美ちゃんが現れた時、
鈴原奈緒が、一瞬だけ、まるで幻影を見たかのように
驚いているのが面白かったです。
本当に本当に驚いたんでしょうね。

前回の最後のシーンである継美ちゃんからの電話と、
彼女が実際に東京に出てきてしまった事によって
鈴原奈緒が本当に母親として慕われているのがよく分かりました。
と同時に、本当の娘が母親を慕うように、
盲目状態で、必死に行動を起こしたのを思うと、
鈴原奈緒が継美ちゃんを誘拐したのは
ある意味、正しく、
ある意味、罪深い事だなと改めて思いました。
継美ちゃんが、本当の親から愛情を真っ当に貰えなくなったのを思えば、
やはり、鈴原奈緒の行動は良かったと思いますが、
ここまで継美ちゃんのいたいけな部分を見せられると、
子供を相手に迂闊な事はできない……というか、
今回は成功の部類に入るでしょうが、
一歩間違ったらとんでもない事になっていたので
その怖さを思い知った次第です。



それにしても、継美ちゃんは凄いな!
私事で恐縮ですが、
私の家は田舎にありまして、
電車に乗って隣の駅に行くのも簡単なんです。
一番の問題が、小さな駅なのに乗降客が多かったからか、
上りと下りのホームが分かれている事──というほど
簡素な駅でした。
で、親とではなく、同級生の友達だけで
電車に乗って隣の駅に行った時は、
何から何までこれで良いのかが不安で、物凄く怖かったのを
今でもよく覚えています。
電車に乗った時間はわずか五分強なので、
寧ろ、待っている時間の方が長かったくらいなのですが
ひどく緊張しました。
今なら、「分からなければ人に聞けばいい」と思えますが、
幼かった頃は、他人に話し掛けることすら
恥ずかしかったり怖かったりして、できないんですよね……。

でも継美ちゃんは……ドラマの登場人物とはいえ、
一人であれこれと乗り継いで、腕や足に打撲の痕を残してまで、
鈴原奈緒に会う為に上京したんですよね。
行動中は、とにかく
「お母さんに早く会いたい」という一心で、必死だった事から、
こういう怖さを感じる余裕はなかったかもしれませんが
(それに、同じ年頃の子と比べて
継美ちゃんがしっかりしているのも関係するかと思います)
普通なら、ちょっとできない事ですよね。
子供にとって、やはり母親は一番の人ですから、
大好きな大好きな母親に会う為だったら
自分が途中で迷ったらどうしようとか思わないんだな……と思って
泣けてきました。
よく、母親が子供に向けるのは無償の愛だと言いますが、
子は子で、まっすぐな愛慕を強く向けてくるものだと思います。



鈴原奈緒が、うっかりさん(望月葉奈/田中裕子さん)に
髪を切ってもらうシーンも、良かったです。
私は、夜中にふと髪を切りたくなる時があって、
たまらずそうした後は、
仕上げを(きれいに切りそろえてもらうのを)
未だに母親にやってもらう事がたまにあるんですが、
ごくごく稀に、母親が亡くなったら
こうしてもらう事もできなくなるんだろうなぁと
思った事が過去にありましたので、
このシーンは、物凄く胸にきました。
もし、次にこういう機会があったら
つい涙ぐんでしまうかもしれません。

というか、こちらのドラマを見ていると、
「母とは何だろう」「娘とは」というような
仰々しい考えごとをする前に、
一番身近で分かりやすい事例である自分と母の関係を
ついつい思い返してしまいます。



今回、うっかりさんの過去も少し出ました。
鈴原奈緒が継美ちゃんを連れて放浪したように、
かつてのうっかりさんも、子供だった鈴原奈緒を連れて
全国を彷徨っていたんですね。
こちらのドラマのテーマの一つに
“渡り鳥”がありますが、
こちらにも掛かっていたのかと思いました。
うっかりさんが度々会っていたおじいさんは、
元検事さんなんでしょうか。
うっかりさんが
最期、亡くなる前に幸せな時間を送ることができて
本当に良かったです。
飾られた、鈴原家+うっかりさん+継美ちゃんの写真は
むちゃくちゃステキでした。



うっかりさんが亡くなった後、
これから室蘭に戻ろうとする前に、
鈴原奈緒が継美ちゃんと泣きながら抱き合いました。
ここの会話を聞いていて、ぼんやりと思ったのですが、
本来、“母親”や“娘”という立場(役割)は、
止めようと思って止められるものではないですよね。
たとえば、極端な話、
よその子を養子として貰う場合なんかも含めて、
なろうと思ってなったら、その縁は一生続くものとして
ガチンコで付き合っていくわけで。
なので、継美ちゃんは
「お母さんをやめちゃうの?」と尋ねてもいましたが、
ここまで深い絆を持てた二人は、
たとえ法的に引き離されても、
もう、“母親”であり“娘”であるのは
やめられないんだろうなと思いました。



最後の最後、室蘭でのお別れのシーンで、
「お母さん、見てて。つぐみ、自分で帰れるから」
という台詞も凄かったなぁ。
その前に、鈴原奈緒が
悲しいままでは何だから、明るく別れようと言っていたのは
母親ならではの未練でしょうし、
また、継美ちゃんが、彼女自身で決着をつけようとしていたのが
凄かったです。
その後、
喫茶店でクリームソーダを二人して頼んで再会している映像が
少しだけ流れていたのも、素晴らしかったなぁ。
継美ちゃんは、“お母さん”に愛されているのを実感しながら
施設で元気に育ったでしょうし、
鈴原奈緒も、自分の子として継美ちゃんを愛した記憶を持って
その後の人生を強く歩んだ事でしょう。
もし、継美ちゃんが誘拐されず、
母親による虐待が発覚して、施設に預けられたとしても
──彼女が、“道木怜南”としてそこで育つのが同じだったとしても、
愛されていると分かっているのといないのとでは、
気持ちが全然違ったはずです。
この締め方は、
鈴原奈緒が道木怜南を誘拐した事に意味を持たせたんだと
思います。

ところで、再会のシーンで、
役者さんの顔を出さなかったのは、
スタッフさんGJでした。
あそこで、別の役者さんの顔が出たら
絶対に萎えたと思います。



馬鹿婚約者かと思っていたら
最後、鈴原芽衣(酒井若菜さん)が
彼からプロポーズされていたのが良かったなぁ。
彼は彼で、子供抜きで芽衣を愛していたでしょうし、
「子供が他の男の血を引いている」というウソも
見抜いていたんでしょう。
この二人は──というか、芽衣のことが、
私はちょっと気になっていましたので
収まるべき形に収まって、良かったです。



最初から最後まで、ずっと泣かされたドラマでした。
“母性”がテーマでしたけれど、
これも一種の(ある意味、究極の)ホームドラマですよね。
全てが大団円とはならなかったけれど、
障害が多々ある中で、これは一番良い終わり方だったと思います。
最近は、最終回でずっこけるドラマが多いので
そうでなかったこちらは、本当に良かったです。

キャストさん、スタッフさん
すてきなドラマをありがとうございました。
ちなみに、私も、
クリームソーダは飲み物だと思いますww


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2010-06-25 22:32  nice!(4) 
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