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感想@ドラマ「Mother」第8話:断ち切れない絆*ネタバレあり [テレビドラマ感想]

ドラマ「Mother(マザー)」の感想です。
今回は第8話「断ち切れない絆」です。

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以下の記述にはネタバレがあります。


前回の感想はこちら。
第7話:あの子を返して!

各回の感想記事のURLは
こちらの一覧(インデックス)記事でまとめています。
テレビドラマ感想一覧:2010年春 放送開始作品

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今回は、道木仁美(尾野真千子さん)が
どうして子供を虐待するようになったかが
回想の映像で丁寧に描かれました。

まだ旦那さんと一緒に暮らしていて、
鈴原継美ちゃん(道木怜南/芦田愛菜さん)が
乳飲み子だった頃、
テレビで児童虐待のニュースを見た道木仁美が
非常に嫌そうな顔をしていました。
皆がそうなのでしょうが、
好きで子供を虐待する親になるのではないんですよね。
逆に言えば、
「自分だけは絶対にならない」と思っている親でさえも、
そうなってしまう危うい可能性があるわけで。

それから数年後、同じような内容のニュースを見た時に
馬鹿にするように笑っていた彼女には
自暴自棄の感情からくる狂気さえあるような気さえ
しました。



旦那さんがいなくなり、
継美ちゃんを預けていたオバサンが怪我をして(?)
木更津に引っ越したせいで
道木仁美の生活環境がぐっと悪くなりました。
また、継美ちゃんが成長するにつれて
子育てが一筋縄ではいかなくなった事で、
余裕がなくなっていったようです。
子供の世話があるので友達との会合にも行けず、
自分ばかりが損をしている気持ちになった道木仁美が
継美ちゃんについ八つ当たりをしてしまうのは
見ていて辛かったですが、
同時に、そのやりきれない気持ちは
結婚していない/子供のいない私でも、よく分かりました。

そして、徐々に、
感情的になって継美ちゃんに冷たく当たる
→謝る(+ギュッとする)との行動が
日常で頻繁に繰り返されるようになり、
躾が虐待化する前兆になっていったので、
見ていてちょっと怖かったです。
道木仁美の中で
継美ちゃんを煙たく思う気持ちが強くなっていって、
「この子さえいなかったら、私は今頃、楽だったのに」と
思うようになったらしいのが
見て取れましたので……。

二人で海に行って、
道木仁美が衝動的に継美ちゃんを置き去りにしようとした時、
身体が、焦る感情についていかなくて、
自転車にすぐに乗れず、つい倒してしまったのも
怖かったなぁ。
継美ちゃんがそれに気付いて──後を追ってきたのを見て、
私もホッとしました。
道木仁美が恋人と旅行の計画を立てた時に
それを秘かに聞いていた継美ちゃんが
ひどく淋しそうな顔をしていたのもそうですが、
幼い子供にとって母親に置いていかれる事って
物凄く怖い事ですものね。
私は子供の時に、海水浴場で迷子になって
泣きながら親を探した経験があり、今でもよく覚えているのですが
ハッと気付いた時に、傍にいるはずの親がいないと知った時の恐怖は
絶望に近いと思います。



道木仁美が、
子供よりも恋人の顔色を伺う方を大事にするようになり、
また、その恋人による継美ちゃんへの虐待が頻繁になってきた頃、
周囲の人間がようやく
「これはおかしい」と感じ始めていましたが、
彼らの関心が、道木仁美を救う/助けるどころか、
寧ろ、冷やかしや見下しといった感情でもって
彼女を追い詰めている要因になっていたのが
むちゃくちゃリアルだなぁと思いました。
道木仁美が悪い事に変わりはありませんが、
同情してしまいます。



普段、愚痴も言わない子供が
母親に「助けて」と泣いていう状況は
本当に切羽詰まったですよね。
でも、実は生きていたらしい(?)旦那の幸せそうな姿を
偶然に見てしまった事で、
道木仁美も絶望してしまった
──心の余裕を無くしてしまったんですね。
最初は、ちゃんと手料理を作って
二人で仲良く食卓を囲んでいたのに、
状況の変化の影響で、レトルト食品ばかりになり、
しまいには、初回でそうだったように
五百円玉を渡すだけになっていたのには
ぞっとしました。
あの五百円玉が食事代として出されるようになるまでには
こんなに辛い事があったのかと思い、
涙ぐんでしまいました。



甘い言葉で優しく誘う道木仁美を
あの場面で拒絶できた継美ちゃんは、凄いなぁ。
継美ちゃんが鈴原奈緒(松雪泰子さん)に向かって
「お母さん」と言い、
初めて心から甘えた──彼女にすがって泣いたシーンでは、
私ももらい泣きしました。
これまでも、二人が親子である事を実感できるシーンは
いくつもありましたが、
今回ようやく
継美ちゃんが鈴原奈緒の本当の子になった気がしました。

その後、近所の公園で行なわれた
鈴原奈緒による道木仁美の説得シーンも
大変良かったです。
初回で、「子供は嫌い」と言っていた鈴原奈緒が、
いかに継美ちゃんを深く愛しているかが
よく伝わってきました。
自分も継美ちゃんを手放したくないけれど、
彼女の幸せを本気で願っているからこそ
実母の元に戻した方がいいと思ったんですね……。

今回の事件(お話)は、鈴原奈緒と継美ちゃんが
親子としてハードルを一つ超えた出来事だったと思いました。



でも次回は、予告映像によると、
道木仁美の逆襲があるようで……。
彼女の説得に回るらしい藤吉駿輔(山本耕史さん)が
上手く立ち回ってくれる事を祈ります。


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日本テレビ系水曜ドラマ「mother」 オリジナル・サウンドトラック




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続きの感想も書きました。
第9話:引き裂かれる二人

宜しければ合わせてどうぞ。


2010-06-03 23:52  nice!(1) 
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