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感想:NHK大河ドラマ「龍馬伝」第19回 攘夷決行*ネタバレあり [NHK大河ドラマ感想]

2010年のNHK大河ドラマ「龍馬伝」の感想です。
今回は第19回「攘夷決行」です。

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以下の記述にはネタバレを含みます。


前回の感想はこちら。
第18回「海軍を作ろう!」

各回の感想記事のURLはこちらのページでまとめています。
感想一覧:NHK大河ドラマ「龍馬伝」


────

今回の放送も大変面白かったです。
幕末というこの独得な──特別な時代は、
年表を見ているだけでもドキドキするほど
様々な事が起こっていますので、
ドラマでも、やはり波乱万丈の内容となっています。
また、今回はサブタイトルにもありますように
“攘夷(外国人を排斥する)”がキーワードになっていて
侍(男だけ)の物語になっていることも
内容が良かった理由だと思います。
龍馬を巡る女性たちの描写も、時にはあっても良いですが、
こうして色気が全く無い回を見てしまうと
「いつもこうだったら良いのに……」とついつい思ってしまいます。
(特にこの“龍馬伝”では、龍馬が朴念仁過ぎて
見ていて辛い部分がありますので)



とはいえ、今回の見所も
主人公の坂本龍馬(福山雅治さん)でなく、
武市半平太(大森南朋さん)と山内容堂(近藤正臣さん)の対立だったと
思います。
放送の後半で、時間を掛けて丁寧に作られた
龍馬と半平太の会話も大変良かったですが
(半平太の死にフラグが立ったかと思いましたww)
これはあくまで、
半平太と大殿様の容堂との歪んだ関係があった上での
お話ですから……。

龍馬が容堂の心情を半平太に解説していたように
彼は、吉田東洋暗殺の件が無くても
半平太を嫌っていますよね。
彼のしたことが気に食わない……という事ではなく、
龍馬の言った通り、半平太が下士だから嫌いなんでしょう
(というか、半平太を人としてちゃんと認めてない部分がある)。
だから、半平太が
「土佐藩のため」「大殿様のため」と言って
どんなに誠意を尽くしても、
肝心の容堂には煩く思えるだけです。
容堂にしてみれば、
半平太が、下士の分際でそのような偉そうな事を言ったり、
政(まつりごと)に口を出そうとするのが
煩くて煩くてたまらなかったんでしょう。
また、相当不愉快だったはずです。
だからこそ──
半平太を無視をしていては面倒な事になるかもしれない懸念もあって、
一度持ち上げて(半平太を上士にして)から、
地面にたたき落としたんでしょうね。
彼だけでなく、土佐勤王党そのものを壊滅させる為に。

半平太の気持ちもよく分かります。
自分を上士にしてくれた人物には
強い恩義を感じるでしょう。
それに、半平太は容堂の本心
(攘夷をする気はさらさらない)を知りませんので、
“攘夷を行なう=土佐藩の意向”という思い込みに、
自分の信念や誇りまでを投影してしまった
──まさに、あの時の土佐勤王党は、彼自身だったと思います。
しかし、攘夷が決行されるはずだった五月十日、
日本で攘夷を行なったのは長州藩のみで、
しかも、幕府はそれに関与していないという公式発表を行ないました。
半平太たちは、あれほど攘夷決行日を楽しみにしていたのに、
大っぴらに攘夷を行なえるその日には、結局、何もできず、
また、土佐藩が全く動かなかった事まで知らされました。
半平太の中では
藩や幕府、そして容堂に裏切られたと思う気持ちも
大きかったでしょうが、
それ以上に、喪失感が強かったと思います。
攘夷に賭けていた分、
自分の理想と甚だしくかけ離れた現実を痛感させられた結果、
彼は全てを失ってしまいました。
今回、半平太が矢のように大量に送った催促状が
(攘夷決行に当たり、自分たちに命令をくれという嘆願書)
容堂に無視をされた件もそうですが、
ここ数回、容堂が半平太に見せた不穏な言動からして、
半平太の中でも、
容堂の真意に対しては、思うところがあったはずです。
しかし、半平太自身が龍馬に言っていた通り、
容堂を疑ったり否定したりすると、
彼は自分のこれまでの生き方を否定する事になるんですよね。
攘夷の本質で物の道理を説く勝麟太郎(武田鉄矢さん)と違い、
攘夷という言葉だけで生きてきた半平太の哀れな部分が
大きく露呈したシーンでした。



土佐勤王党が待ち望んでいた攘夷決行の日を境にして、
逆に彼らが藩から追われる立場になっているのは
本当に皮肉な話だと思いました。
自分たちがそうなるのも知らずに、
前日まで「大殿様からの御命令は……」と待ち望んでいたなんて
ちょっとかわいそうです。

この辺は、
権力者の思いを読めなかった一般武士の暴走という事に
なるのでしょうが、
時代の流れに上手く乗った容堂と、
“攘夷”という言葉に変に固執してしまった半平太の人間性の差も、
よく描かれていたと思います。

個人的には、今回はもう半平太祭りのような回で、
とても嬉しかったです。
彼が岡田以蔵(佐藤健さん)を見限ったかと思いきや
実は、彼に悪い事をしたと反省したり、
龍馬との会話de自分の弱いところを見せたり……と、
人間味のある言動が多々見られましたので、
最初から最後まで大変面白く視聴できました。
彼を演じている大森南朋さんは役得だなぁとも思いました。



さて、次週は
平井加尾の兄・平井収二郎(宮迫博之さん)の名前回ですが……
あの様子ですと、彼は無念のうちに亡くなるか、
藩の自宅で謹慎(事実上の引退)になるみたいですね。
また荒れたお話になるようですが、見るのが楽しみです!






────
感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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2010-05-11 02:52  nice!(0)  コメント(0) 
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