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感想:アニメ「デュラララ!!」第9話「依依恋恋」*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「デュラララ!!」の感想です。
今回は第9話「依依恋恋」です。

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以下の記述にはネタバレを含みます。
私は原作の小説を読んでいません。


前回の感想はこちら。
第8話「南柯之夢」

各回の感想記事のURLは、他作品と合わせて
こちらの一覧記事でまとめています。
アニメ感想一覧:2010年1月 開始作品


────

セルティ・ストゥルルソンと、
張間美香と思わしき謎の女性の顔が同じであるという
前回のラストシーンの衝撃があった上での
今回の放送でした。

今回の主人公は、矢霧誠二のお姉さん・波江さんでした。
途中で、情報屋の折原臨也から苦笑と共に言われていたように、
気付いていないのは当人だけのようですが、
波江さんは充分、ストーカーですよね。
極度のブラコンから来る偏愛です。
彼女が弟を強く愛するだけならまだしも、
「私があなたを守ってあげる」と言いながら
常に彼を自分の支配下に置かないと
不安で仕方がない状態にありました。
いくら波江さんが「私の愛は違う」と言って
正当化/他との差別化を図っても、
実質的に同じなんですから、どうしようもありません。

また、波江さん自身がモノローグで
昔から人形が好きではなかったと言っていましたが、
今回の彼女の言動を見る限り、
彼女は人形を好まないのではなく、
弟という人形にしか愛を注げない事から
他が目に入らないだけのように思えました。
最後、例の女性を失って呆然自失状態の弟を抱く姿は、
まさに、人形遊びをしている女性に見えました。



さて、今回の放送でも
幾つかの謎に対する答え&新たな謎が提示されました。

前回の感想記事でも推測しましたように
やはり、矢霧誠二は
失われたセルティの首に固執していたんですね。
だから、セルティの首を持つ
(もしくは、同じ顔に整形した)謎の女性に対して
彼は「見つけた……俺の愛!」と言い、
現在も彼女を執拗に求めている状況にあるようです。
また、女性が張間美香であるのも
間違いないと思われます。

放送の中盤で流れた波江さんのモノローグで
「誠二の為にあの子を作り出した」との台詞があったり、
セルティと話す岸谷新羅が
「たとえば……体格の合いそうな女の子を見つけて、
適当に首を挿げ替えたんじゃないか
──できたてほやほやの死体があったから」
という推測を立てたり、
張間美香が矢霧誠二の元で血を流して倒れていたり……と
いかにもな感じの思わせぶりなシーンが幾つかありました。
これらを素直につなぎ合わせていけば
矢霧誠二が殺した張間美香の死体に、
波江さんがセルティの首を付け替えた
(波江さんは医者ではないので、正確には医者に指示をした)
──となります。

しかし、ここで注目したいのが、
肝心の張間美香の描写が
今回の放送では全て曖昧だった点です。
そもそも、波江さんに電話を掛けた矢霧誠二の台詞ですら
「人を殺しちゃったかもしれないんだ。どうしよう」と、
「〜かもしれない」という推測の言葉が使われています。
また、彼の部屋で倒れていた張間美香の身体からは
確かに血が流れていましたが、彼女自身の生死は不明です。
そして、波江さんの回想シーンが流れた時も、
(「誠二の為にあの子を作り出した」のモノローグ)
誰かが手術台に乗せられていましたが、
背格好からいって、
これが張間美香であるらしいとは思えるものの、
肝心の首から上が照明器具によってわざと隠されています。
これらの狙いは
張間美香の元の顔をテレビで明かさない
(視聴者に見せない)事が一番でしょうが、
彼女の生死や、手術の内容を示さない事も関わってくると思えます。
ですので、張間美香が一度亡くなったと考えたり
彼女が首を挿げ替えられた
“生きた人形”であると認識したりする事は
制作側のミスリードにまんまとハマってしまう気がします。

というのも、
もし張間美香の身体にセルティの首を付けたとすると、
波江さんの気持ちに矛盾が発生してしまうからです。
結局、波江さんは、
自分から弟の気持ちを奪ったセルティの首に
半端でない嫉妬を覚えていたようです。
幼い頃、ふとした出来心で
矢霧誠二にセルティの首を見せた事を
彼女が唯一の後悔とし、
現在でも深く悔やんでいるのを踏まえれば
これは相当なものだと無理なく推測できます。
そんな、言わば彼女にとって恋敵であるセルティの首を
その辺の、存在すら知らなかったどうでもいい女性に
つけるでしょうか。
また、身体を得たセルティの首が
愛しい弟と池袋の街を放浪するのを
自分の部下の監視付きとはいえ、許せるでしょうか。
私だったら嫌だなぁと思いますし、絶対にしません。

セルティの首に対する矢霧誠二の偏愛が尋常でない事と、
波江さんが、矢霧誠二を自分の支配下に置く事で
愛情を感じるタイプであるのを踏まえれば、
寧ろここは、セルティによく似た人形を矢霧誠二に与える事で、
波江さんは彼を掌握し、満足したと考える方が
自然だと思えます。
人形を与えられて喜ぶ弟を見て、自分も喜ぶ……みたいな感じで。

なので、これらを総合すると、
矢霧誠二によって殺されたかと思われた張間美香は
実は死んでおらず、
波江さんの指示によって顔をセルティそっくりに変えられ、
何も知らない矢霧誠二の元に、“人形”として返された
──という推測が成り立ちます。
セルティの首は、この嘘の為に
とりあえず、波江さんに回収されたはずです。
(今も彼女の手元にあるか否かは不明ですが)

で、本来は、セルティの首の代替品として
ただ存在する人形だったはずの張間美香が、
ここに来て、意思らしきものを表に出してきたので
(↑彼女が勝手な逃走した事)
波江さんは、彼女を敵だと認識するようになったんだと
思います。

前回の話で、張間美香が記憶喪失を患っているらしい事が
矢霧誠二の台詞によって判明しました。
しかし、今回の一連の描写を見ても
前回の感想記事で疑問に挙げましたように、
やはり、これに対しては疑問が出るなと再び思いました。
矢霧誠二と出会った当初に
“都合の悪い事を彼に話したくない/本当の事情を話せない”事から
張間美香は、敢えて記憶がない振りをするしかなかった/
記憶を無くしたとする方が楽だったのではないかと
思えました。
矢霧誠二の携帯電話を勝手に捨てた事にも
明確な意思があったようですし……。



さて、そのモテモテ(?)の矢霧誠二。
この作品では、頭のネジが一本抜けているような登場人物が
少なくないですが
彼もその一人で間違いないようです。
人を殺したかもしれないのに、その現場で
(しかも、血のついた服を着たまま)
カップラーメンを食べるなんて、
どう考えても普通でないです。
また、今回、彼は平和島静雄に対して
躊躇いもなくボールペンを突き刺しましたが、
その行為の凄さも勿論のこと、
自分の欲望を第一とし、
それが阻まれた途端にブチ切れるのも
どうかしていると思います。
尤も、こういう“すぐキレやすい人”は
最近では決して珍しくないので、
「こんな人いないww」と言えないのが残念です。



そして、セルティ・ストゥルルソン。
うろ覚えなのですが、
前回の放送で彼女は、確か
自分の顔を忘れつつあるみたいなことを
言っていたと思います。
なのに、張間美香の顔を見た途端に反応し、
猛烈に追いかけたのは、さすがでした。
自分のパーツ(一部)だったからこそ
絶対に見間違えないんでしょうね。

これで、張間美香が実は本当に整形手術を受けていて、
セルティが彼女ときちんと対峙した際に
「これ──よく似てるけど、私の首じゃない」
などと思ったりすると面白いのですが
どうでしょうか。



それと、折原臨也。
結局、張間美香を煽った(彼女にメールをしていた)のも
彼だったという事で良いのでしょうか。
最後の高笑いと言い、人をバカにした態度といい、
いつか足をすくわれるなと思いました。
(というより、彼は痛い目に遭わなきゃ駄目だろうと思います)







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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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続きの感想も書きました。
第10話「空前絶後」

宜しければ、合わせてどうぞ。


2010-03-06 23:59  nice!(1)  コメント(0) 
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