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感想:ドラマ「不毛地帯」第18話 汚れた英雄*ネタバレあり [テレビドラマ感想]

フジテレビのドラマ「不毛地帯」の感想です。
今回は第18話「汚れた英雄」です。

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以下の記述にはネタバレを含みます。
私は原作の小説を読んでいません。


前回の感想はこちら。
第17話「暗号と密約」

各話の感想記事のURLは
他作品と合わせてこちらでまとめています。
テレビドラマ感想一覧:2009年秋冬 放送開始作品


────

今回も(というか毎回)壱岐正は大変でした。

最後、やっとの事で掘る事ができた五号井(せい)で、
結局、四号井の掘削に懸念していた暴噴が
起きてしまったとは……。
これ、作中で具体的な説明が無かったので
私には想像するしかできないのですが、
石油の変わりに天然ガスを掘り当てちゃったんでしょうか。
で、地中にたまっていたガスが一気に噴き上げる
→引火&大爆発→大事故発生の危機!!
という状況なのでしょうか。

今回の放送で、
それまで壱岐正と兵頭がどんなに苦労して
新たな五号井を掘れるようにしたかと思うと、
今回のこの展開には、
私も見ていて「あああ…… orz」となりました。
せっかく、先週の放送で近畿商事が落札に成功して、
「よっしゃ!」と思うことで達成感を得られたのに、
それがもう無くなってしまいました。

自然が相手ですから、
金や人力、時間をいくら掛けても、
出ないものは出ないので、
いくら「次は必ず石油が出る気がする」と思えても
賭けを行なうのはほどほどにしておかないと
取り返しのつかないところまでいってしまいます。
今回のように、“やっぱり出なかった”
“ガスが出てしまった(らしい?)”方が
お話が面白くなるとはいえ、
これまで壱岐正をずっと見守ってきた視聴者の心情としては、
ここで成功させてあげたかったなと思いました。



今回は、放送の前半が特に面白かったです。
大門社長は、他の社員から
「綿花相場に取りつかれている」と陰口を叩かれたように
すっかり引き所を見誤っていて、
壱岐正は壱岐正で、石油にのめり込んでいます。
こういう時にこの言葉を使うのは間違っていますが
(語弊がある)
お互いに脛に傷を持つ身で話しているので、
自分の非が責められると、口を噤んでしまいますし、
とりあえずこの場を乗り切ろうという曖昧な発言で終わります。
また、石油公社からの支援を再び受けられる事になり、
五号井を正式に掘る事ができると決まった途端、壱岐正が、
それまで遠慮がちに行なっていた大門社長への進言を
強気な態度でズバッと言えるようになりました。
ここ、もし綿花相場が急激に上がり、
大門社長の失態が成功に転じていたら
逆に彼が、壱岐正に向かって強気な態度で
「辞めや!」と言っていたと思います。

それにしても、
近畿商事は、多方面で手広く儲けている商社なので
その内の幾つかが失敗しても
他で取り返せば大丈夫だとはいえ……
社内のナンバー1とナンバー2が
ほぼ同時期に大きな負債を抱え込んだとあっては
資産においても面子においても大問題ですよね。
もし、彼らの下に
壱岐正並みの優秀な社員がいたら
今頃は、彼ら二人が近畿商事を追われたのではないかと
私はつい想像してしまいました。

最後、大門社長はつい感傷に耽ってしまったのか、
里井副社長と庶民的な居酒屋で会っていました。
ああいう姿を見るだけでも、
今の大門社長が精神的に弱っている
(自信を無くしている)のがよく伝わってきました。
綿花が駄目なら、早々に
別の仕事でやりがいを見い出せば良かったのでしょうが、
社長としての面子の問題で、
現時点で大きな損失を出した綿花を今さら捨てられないので
(綿花の相場が上がらない限り
自分の失態を社内外に晒してしまうので)
にっちもさっちもいかない状態になっているんだろうなぁ。
まさに、壱岐正も大門社長も、
仕事に追い込まれてしまいました。



「石油では手を汚さないと決めていた」と言った壱岐正。
しかし今回、石油公社に支援を打ち切られたのが大きく響き、
結局、この問題を解決する為に
秘かにプールさせていた裏金を総理大臣に使用してしまいました。
現時点では、
以前の小出のような被害者が出たわけではないので、
見ていて不愉快になる事はありませんでしたが、
よく考えてみたら、石油公社の支援金て
多分、国民から徴集した税金ですよね。
そう考えると、もしかしたら国の財産に繋がる事とはいえ
(石油を得る事は国の生命線でもあるので)
ああして裏金が動いた事によって
税金の使い道が決められてしまうのはまずいよなと
改めて思いました。

裏金の渡し方が、
いかにもな感じの王道な“袖の下”方法だったので
私は笑ってしまいました。
やっている事は物凄く悪質なのに、
そこに情緒を求めるなんて、
冷静に考えると、ちょっと変ですよね。
とはいえ、私も、
あんな鶴の餌(配合飼料の下に札束を入れた)なら
たくさん欲しいです。

また、総理の後押しを受けた途端、
石油公社が一転、掌を返したように支援を決定したのも
おかしかったです。
「世の中は金だ」と、現実を突きつけられた気がしました。



さて、そんな壱岐正にとって
唯一、心を休められる相手であり
心を預けられる相手でもあった谷川正治さんが
今回の放送の終盤で亡くなってしまいました。
壱岐正と谷川さんは、
シベリアでの辛い体験を経た同志であるからこそ、
お互いに相手を
家族と変わらないほど大事な存在としていたはずです。
最後まで、シベリアで亡くなった仲間の為に
尽力を惜しまなかった点を挙げても、
谷川さんは、もう一人の壱岐正と言っても良いかもしれません。

舞鶴に行くという谷川さんと壱岐正が別れる際に、
谷川さんの描写が
いかにも“死亡フラグ立ちました”的なものだったので、
私は見ていて「あ、なんか死にそうなんだけど……」と
はらはらしながら見ていたので、
本当に彼がお亡くなりになってしまって残念です。

シベリア時代の仲間がまだ存命中だとはいえ、
この先、壱岐正は
誰とあの辛い記憶を分かち合うのかなと思いました。
辛い気持ちを吐き出すのなら
相手は誰でも良い場合もありますが、
壱岐正のシベリア抑留の辛さは、それこそ彼に
“体験した者でないと、本当の意味で、あの悲惨さが分からない”
“自分がつまらない事を言って、他人を不愉快にさせたくない”
という気持ちを働かせると思うので、
彼は今後、その辛さを自分の中に押し込めるのかなと
想像しました。



次回はいよいよ最終回だそうです。
私は、これまでの約半年間において、
作品を視聴する事でたくさん楽しませてもらったので、
次回でもう終わってしまう事が惜しくてたまりませんが、
「ドラマの最終回を見るまでは」と思って
敢えて制限していた原作の小説の購読を行なえるかと思うと
ちょっとだけ嬉しいです。

最終回、楽しみにしています!






────

感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

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続きの感想も書きました。
第19話(最終話)「約束の地」

宜しければ、合わせてどうぞ。


2010-03-05 23:30  nice!(0)  コメント(2) 
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コメント 2

kaori

読ませて頂きました!ありがとうございます☆
一週間の楽しみなのに、昨日録画に失敗し、見逃してしまい内容がすごく知りたかったので、助かりました。
大変細かい描写で、ドラマを見逃した悔しさが解消されました。
来週は絶対リアルタイムで観る事にします。
またお邪魔します。
by kaori (2010-03-05 12:54) 

さくら

■kaori様
こんにちは。コメントありがとうございます。

> 一週間の楽しみ

そうですよね!
私も、続きを見るのを凄く楽しみにしている作品なので、
毎週この時間は、なるべく家にいるようにしていました。
所用でリアルタイムで見られない時は、
録画予約が間違ってないかを真剣に何度も確認しましたww

当ブログはあくまで感想で、あらすじは記載しておらず、
分かりにくい点が多々あったかと思います。
次回の最終回の前に、今回の再放送が入れば良いのですがね……。

宜しければ、またいらして下さいませ。
ありがとうございました。
by さくら (2010-03-07 14:43) 

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