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感想:「DARKER THAN BLACK -流星の双子(ジェミニ)-」第6話「香りは甘く、心は苦く…」*ネタバレあり [アニメ感想]

(11/25)記事の末尾に感想を長々と追記しました。


アニメ「DARKER THAN BLACK -流星の双子-(第2期)」の
第6話「香りは甘く、心は苦く…」の感想です。
以下の感想には、ネタバレを含みます。
第1期についてはDVDで途中まで視聴し、ウィキペディアで補完しました。


前回の第5話「硝煙は流れ、命は流れ…」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-11-10

各話の感想記事は、第1期「黒の契約者」と共に
下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/DTB


────

今回は、蘇芳が“契約者”として受けた
初任務の続きのお話でした。



まずはノリオ。
オカマさんも含めて
何故出てきたのかが疑問だった彼らは、
函館編を彩るキャラクターだったんですね。

最初のアバンでは
ノリオが幸せいっぱいの気持ちでケーキをがっついていたのに、
Bパートの最後では
彼が涙いっぱいの状態で勢いよくケーキを齧っているのが
対比になっていました。
せつない……。
だって、“食べた”という事実や、味、頬張った時の感触は
記憶として残るとはいえ、
母親が作ってくれたケーキは、食べたらもう無くなるんですよ!!!
金輪際──二度と見られないし、食べられません。
しかも、ノリオのあの暴走っぷり+感激っぷりを踏まえると、
ミチルさんが契約者化してからというもの
彼女が「ノアの方舟」に戻った事は滅多になかったようですし。
それに、非情だけれど、
年月が過ぎると記憶は徐々に曖昧になっていきます。
これらを考えれば、
ノリオが最初に怒鳴ったように、
あのケーキを食べられないのは至って普通だと思います。
私だったら、半分は残して冷凍保存しておくかもしれません。

ミチルさんの対価は、予想していた通り
ケーキを焼く事でしたね。
使い勝手は悪そうですが
(すぐに対価を払えない/払い切るのに時間が掛かる/払う場所が制限される)
水を自由自在に操れるという能力の強さを思うと、
対価を支払う時の不自由さは仕方がないのかもしれません。
きっと、契約者化する前のミチルさんは
とても優しいお母さんで、
事ある毎にノリオにケーキを焼いていたんでしょうね。
ノリオの、ミチルさんに対する慕いっぷりが尋常でないので
(あれはマザコンの域かもしれません)
その分、彼の淋しさもよく感じられました。
ノリオが抱える羽目になった、ミチルさんを失った件のショックは
時間が癒してくれるかもしれませんが
蘇芳に対する誤解が消えなかったのが、残念です。
二人はもう会わないかもしれないので
支障はないでしょうが、
できれば、ノリオには本当の事
(蘇芳がミチルさんを殺したのではない)を
知っていてほしかったです。

でも、契約者の戦いに死がつきまとうのを思えば、
ミチルさんがどこかでのたれ死んで、
生死不明のままだった可能性もあったはずです。
同じ死ぬのなら、
まだ息子の目の前で死ねたのは幸いだった……かもしれません。
でも、多分、ミチルさんの死体って、
アニメでの描写はまだ許容範囲でしたが
彼女が銀(イン)の観測霊から受けた攻撃を踏まえると、
もし現実だったなら、相当酷い状態だったはずです。
そんな姿を息子に見せるのは、さすがにヘビー過ぎますよね。



さて、銀(イン)について。
EDの後に流れたCパートでびっくりしました。
銀(イン)の観測霊は、これまで見えなかっただけで、
前にもああして黒(ヘイ)の身体に
まとわりついていたのでしょうか。
あの、まるで腕を取るような仕種が
かつての二人の仲の良さ
(というより、黒に対する銀の思いの強さ?)を感じられて
ちょっとせつなかったです。

最後、蘇芳が電柱を蹴り飛ばしていましたが
あの時の蘇芳は、銀(イン)の観測霊をそうするつもりで
やったんですよね??
お話の流れからいって、
まるで蘇芳が銀(イン)に嫉妬しているようで面白かったです。
いえ、あれは本当に嫉妬だったのかも……!!
今週の一連の出来事で、
黒(ヘイ)と蘇芳の仲が急速に近づいたとはいえ、
先週だか先々週だかで
蘇芳が黒(ヘイ)を嫌いと言っていたので
凄い変化だなぁと、見ていてちょっと感心してしまいました。



話を銀(イン)に戻します。
“イザナミ”という単語が出ましたが、
これが銀(イン)の今の名前(コードネーム?)で、
黒(ヘイ)が受けた任務の対象
──破壊しなければならないものだったんですね。

蘇芳も言っていましたが、
黒(ヘイ)の命令を忠実に守ろうとした彼女に対して
当の彼が「撃つな!」と叫んだのが、とても印象的でした。
ちょっと前まで、行方不明の銀(イン)に対して
「あのドールを殺す」と言っていた黒(ヘイ)の気持ちも、
おそらくは真実でしょうから、
彼はよほど複雑な心境になっているようですね。
今回のCパートで、蘇芳は何も言わずに蹴っただけでしたが、
もしこの時、蘇芳から事実を教えられていて、
形状から、その観測霊が銀(イン)が飛ばしたものだと知ったら、
黒(ヘイ)は一体どういう行動に出たでしょうか。
まとわり付かれた部分をじっと見る程度で済ませるか、
思わず手で払ってしまうか……
私は、おそらく前者ではないかと思いました。

銀(イン)の観測霊がミチルさんを攻撃したのは
明らかに蘇芳を守る為のように思えました。
もしかしたら、彼女は
二人が一緒にいるのを観測霊を通して知っていたから
そうしたのでしょうか。

ところで、ああして“イザナミ”が
秘密裏に運ばれているという事は、
彼女の身体は第三機関の手の内にあって、
しかも移送されているんですよね。
第三機関が黒(ヘイ)を捕らえるに当たって
“イザナミ”は、これ以上ない餌になりますが、
今回ああして運ばれたのは
黒(ヘイ)を誘き寄せる目的ではなく、
本当に、“イザナミ”をどこかに運ぶ必要があったからですよね。
その理由は何なのでしょうか。

そして、イザナミとくれば
対としてイザナギの存在があるはずですが……。
これがもしかすると、紫苑だったりするのでしょうか。
だとすれば、第三機関が何らかの目的で
イザナミとイザナギを揃えたいという狙いがあるようにも
思えてきます。
(だから、やっきになって紫苑を探しているのかなと)



さてさて、主役の黒(ヘイ)について。
やはり能力が使えないと
契約者との戦いはかなり厳しいようですね。
というか、始終、黒(ヘイ)が押されていたとはいえ、
能力を全く使えない状況で、
契約者とまともに戦って生き残れたのが凄いです。
普通だったら、戦闘開始から数秒も経たずに亡くなっても
おかしくないはずです。
戦いにすら、なってないはずです。
なので、黒(ヘイ)の身体能力の高さは
並大抵のレベルではないんですね。
これについては、第1期の放送からも分かっていましたけれど、
さすが主人公!という感じです。

前回の最後で、黒(ヘイ)のトラックが動いちゃったので
もしや……と思いきや、本当に罠だったとは。
しかも、未咲さんが仕掛けた罠!!
さすが、黒(ヘイ)をよく知っている彼女ならではだと思いました。
窮地に立たされた黒(ヘイ)が
一般人の車を利用して移動したのには、おかしかったです。
いや……正確に言えば、
利用されちゃった一般人(母)が子供に言った言葉を聞いて、
つい笑ってしまいました。

黒(ヘイ)がまた料理をしていたのが、嬉しかった!!!
料理に対する軽い蘊蓄まで披露していて
さすがだと思いました。
蘇芳に言われて、素直に野菜を買いにいったところも
良かったです。

黒(ヘイ)がCIAから乗り換えたのは
マダム・オレイユだったんですね……。
黒(ヘイ)自身が言っていたように
彼女は信用ならない人間なので、見ていて怖かったです。
情報屋という立場を思えば、マダム・オレイユは
関係する登場人物達に対して公平であるべきですが、
どう考えても、彼女は自分の良いように他人を操っている
(中ボスもしくはラスボスが彼女)ように見えます。
未咲さんがマダム・オレイユと対峙した時もそうでしたが
黒(ヘイ)が彼女と話をするのですら
私には危険に思えました。



さて、最後は蘇芳。
任務の最中に、蘇芳が
「黒(ヘイ)に撃てって言われた」と言っていましたが
あの時の彼女は、まるで呪いの言葉でも掛けられたようでした。
撃たなきゃ自分が存在する事を許されないとでも言わんばかりの
強い強制力を感じました。
(確かに
契約者は人を殺してナンボ……という現状を踏まえれば、
そうであって当然なのですが
蘇芳が言うと違和感を覚えます)
だから、かつて「撃て」との命令をした黒(ヘイ)によって
それを取り消す命令の「もう撃つな」という言葉が
新たに出された事に対して
私はホッとしました。
結局、対ミチルさんの時も殺さずに済んだので、
蘇芳はこのまま、人殺しにならずに生きていくのでしょうが、
甘い事を言っていられないあの厳しい世界で
上手くやっていけるのかなぁと思いました。
黒(ヘイ)が能力を使えるなら、これもありでしょうが、
今、それが無い状態(蘇芳に多くの比重が掛かっている)で
彼女にそうさせるのは、
彼女に人殺しをさせて生きるよりも大変だと思います。

蘇芳が黒(ヘイ)に言った
「その代わり、もうお酒飲まないで」の台詞には
笑ってしまいました。
まるで、アル中を抱えた家族みたいです。
でも、黒(ヘイ)が酒を飲まないようになったら
彼が自暴自棄になる事も減るはずなので、嬉しいです。
やさぐれた黒(ヘイ)を見るのは、
第1期の活躍を楽しんでいる私には
ちょっと辛かったので……。



エンドカードは、
今回の影の主役(?)の銀(イン)でした。
「そうだ、函館に行こう…」の文章には吹いたww
いつもエンドカードには笑わされてしまいます。
そして、夏服で
旅行用の大きなトランクを両手で持っていた銀(イン)が
とてもかわいかったです!!!
今回は線画だけだったので、色付きで見たかったなぁ。



(11/25追記)
上記の感想は、放送をリアルタイムで見た時のものです。
改めて見返してみたら、色々と見落としていた点がありましたので
今回、感想を追記します。

ちなみに、この追記を書いている現在は
第7話「風花に人形は唄う…」まで視聴済みです。
また、放送が終わった後でこちらを見た際に
とんちんかんだと思える推測をしているかもしれませんが
こちらの記事は、あくまで現時点での感想ですので
笑って読み流していただければ幸いです。



ミチルさんが、能力の対価として
シフォンケーキを焼くだけ焼いて去っていきました。
それまで一度として帰ってなかったのに
わざわざ“ノアの方舟”に行ったり、
蘇芳と関わるなとの忠告をしたり、
蘇芳に「命は取らない」と行ったりしたのは、
やはり、ミチルさんなりに
息子のノリオと久し振りに会えて嬉しかったんだと思います。
「寄るつもりはなかったんだけど……対価だから」と言ったのも、
ミチルさんなりの照れ隠しだと思います。
他でもケーキを焼けたのに、“ノアの方舟”に寄ったのは、
ノリオが大声を張り上げて追った努力が
実ったのではないかと……。
尤も、蘇芳を生かそうとしたのは、
上から「生け捕りにしろ」と言われていた点も
あるでしょうが。

でも、ああいう事がなければ、
道ですれ違っても、ミチルさんは
彼がノリオだと認識できなかったでしょうから
(逆にノリオは、写真に穴が空くほど彼女を見ていたでしょうから
今回と同様に、一目で気付くはず)
まだ救いはあったかなと思います。
契約者として三号機関に属しているなら、
己の死については、ある程度の覚悟をしていたでしょうし。

私は、上記のリアルタイムの感想で、
ミチルさんが事ある度にノリオにケーキを作っていたのではないかと
書きましたが、
よく考えてみれば、
もしかしたらそうだったかもしれないけれど、
ノリオ自身は幼過ぎて覚えてないかもしれませんよね。
レバノンがそういう事をノリオに教えていた可能性も
ありますけれど。



黒(ヘイ)と鎮目の戦いの最中に
車で通りかかった一般人のお母さんが、息子に、
「おへそを取られる」「つむじを取られる」と言っていました。
まるでカミナリ様だったので、
今は、怖いものを並べる時に
“地震・雷・火事・親父・契約者”になっているのかなと
思いました。
もしかしたら、“親父”がなくなっていて、
そこに“契約者”が収まっているかもしれません。



任務において、もし黒(ヘイ)が止めなかったら
蘇芳は確実にライフルを撃っていたでしょうね。
黒(ヘイ)が銀(イン)を「殺す」と言っていたのは
本気で彼女を殺したいわけではなく、
殺したいほど憎んでいる感情の表れなので、
撃たなくて良かったのでしょうが、
これが蘇芳のその後のビミョーな感情に繋がっているのが
やはり面白いです。
一緒にいると情が湧いてくるんだなぁ。

結局、今の段階では、
銀(イン)が何故“イザナミ”と呼ばれ、
物資として輸送されているかが分からないんですよね。
私にとってイザナミは、“死”のイメージです。
ただ、“誘う+女性を表わす「ミ」”という語源は、
まさに、黒(ヘイ)を釣る餌の名前としては最適だと思いました。



最後にペーチャがジュライに向かって
「(緑茶に)砂糖を入れてくれ」と言っていましたが
これってアジアンな飲み方ですよね。
最初に見た時は「ええ? 砂糖??」と思いましたが、
確か、広いアジアで言えば、
砂糖を入れる飲み方が広まっているはず……。
でも私は、あまり甘い飲み物が好きでないのもあって、
さすがに真似する気にはなれなかったですw


────

感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


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続きの第7話「風花に人形は唄う…」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-11-21

宜しければ、合わせてどうぞ。


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2009-11-25 11:24  nice!(1)  コメント(0) 
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