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感想@アニメ「青い文学シリーズ第1話:人間失格×DEATH NOTE」第3話 世間 [アニメ感想]

アニメ・青い文学シリーズ第1話「人間失格×DEATH NOTE」の感想です。
今回は、第3話「世間」です。
以下の感想にはネタバレがあります。
原作の小説は、幼い頃に読んだ記憶はあるのですが
内容をほとんど覚えていません。


前回の第2話「人間失格×DEATH NOTE:1 お化け」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-10-18-2

各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめていく予定です。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-10-02


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原作を元にしたアニメ作品を視聴した場合、
面白くてもそうでなくても
大体「原作をチェックしようかな」と思えるのですが、
この“人間失格”に関しては
「アニメだけでいいや」と思えてしまっています。
それぐらい、私にとってこのアニメは重いです。
太宰治を好きな読者は、太宰作品のそういう部分が好きなんでしょうが
(そして、もしかするとこのアニメでの描かれようは
俗物過ぎだったり物足りなかったりして
「こんなの太宰じゃない」と否定されているかもしれませんが)
私は、このアニメだけでお腹いっぱいです。
それだけ、太宰に馴染みのない私は
作品の内容にに当てられっぱなしでいます。



さて今回は
主人公が子持ちの女性新聞記者の家に転がり込んだ話から
始まりました。
主人公はヒモ状態なので、当然、女性に食わせてもらっていて……
日中は彼女に代わって子供の世話をしたり、
夜は彼女の求めに応じて抱いてやったりするわけですが、
「自分で稼がなければ人でない」との父親の格言を思い出して、
漫画を描くようになりました。

ここで「ん?」と思ったんですが、
前回、「人間らしく生活したい」と言って軟禁場所から脱出したり、
今回、「人である為に金を稼ぎたい」と言って、仕事を始めたりする辺り、
主人公は、人であるか否かにとても執着しているんですね。
しかも、自分で自分をどう思うかよりも、
他人に“自分は人間として見られているか”を、強く意識している……。
自分の絵として化け物を迷いもなく描ける人間が、
他人の目を気にして“人間でありたい”と望むのは
滑稽だと思うのですが、どうでしょうか。

そして、今回のタイトルは“世間”で、
この単語は主題にもなってるわけですが、
主人公にとって世間は、彼を誤って評価する対象であり、
彼を追い詰める対象であり
彼を決して認めようとはしないものなのでしょうか。
なんというか、主人公なりに努力しているのは分かりますが、
洋服のボタンをかけ違えた時のような感じで
ビミョーにずれた結果、悪い未来になってますよね。
なまじ、親が有名だったり金があったり
彼の外見が優れていたり……と
本来は彼を幸せにする理由が
総じて不幸の原因になっているのが
面白くもあり、哀れでもあります。

自分では人間だと思ってないくせに、
他人から人間だと思われたくて、主人公は努力しましたが、
もし、他人から「おまえは人じゃない」と言われたら
彼はどうするんでしょうか。
もしかして、これ(相手からの否定)が
「あぁ自分はもう人間じゃないんだ」=「人間失格」に
繋がるのかな。
この辺の問題は、本人の気の持ち様によるので難しいですね。
本人がそういう事を気にしなくなれば
普通に幸せに生きられそうなのに、
気にせずにはいられない時点で、もう不幸一直線です。



私がテレビに向かって
「なんでこんなのが女にモテるんだ」と思っていたら、
テレビの中で、当人も似たような台詞を放っていて
笑ってしまいました。
結局、誰かに依存したい人間同士が
互いに惹かれ合っちゃってるだけなんですよね。
だからこそ、煙草屋のお姉さんは普通の人のようで、安心しました。



ところで、作中において
「お父さん、僕は本当の自分を描いたんです」
「誰がお前の本当の姿など喜ぶのだ」
というような台詞が出たのですが、
私はこれにドキッとさせられました。
皆、本来の自分を出す事を良しとしているけれど、
他人にとってはどうでも良かったりしますよね。
下手をすれば、本当の姿など見せられたくなかったと
思う事だってありますし……。
この会話は「凄い」と、感心しました。



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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


第4話(最終回)「新世界」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-11-08-2


2009-10-25 04:19  nice!(0)  コメント(0) 
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