さくらもちモチ

感想：大河ドラマ「天地人」第34回 さらば、越後*ネタバレあり　[NHK大河ドラマ感想] [編集]

NHKの大河ドラマ・天地人
第34回「さらば、越後」の感想です。
ネタバレを含みます。


前回の第33回「五人の兼続」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-22-2

各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-07-4


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上杉が越後から会津に転封するお話でした。

相変わらずツッコミ所が多い脚本でしたが
特に気になったのを二つばかり挙げます。



まず、いくら兼続に主人公補正が働いているからといって
景勝を飛び越えて、秀吉が兼続に国替えを頼むなんて
あり得ないと思います。
もしかしたら、兼続が秀吉から特に目を掛けられていた事から
実際も、景勝より仲が良かったかもしれない……というのを
差し引いても、やっぱりあり得ない
──あってはならない事です。

だって国替えですよ、国替え！！！
現代の家の引っ越しとは、全く違います。
心の拠り所だったお山（春日山）を、言わば捨てるんですよ。
極端な事で言えば、
日本人が「明日からアメリカに移住して、アメリカ人を名乗ってね」と
言われるより
ショックな出来事だったはず。
（秀吉や徳川の天下になり、太閤検地などが行なわれた結果、
各国の所領が明確になった事で、
こうした事は少なからず起こりうる出来事になっていきますが
武家は地元に密着する事で繁栄してきたので
そこを断ち切られるのは、精神的な拠り所を失うわけでもあり
身を斬られる以上に辛いはず。
また、この当時はまだ少ないので、その覚悟ができている武将も少ない。
↑戦に負けて領地を削られる方が、まだ現実味がある時代です）
まさに国替えは、御家の一大事なわけで、
それが家老の兼続から主君の景勝に伝えられるのは、
表向きは後日になされ、あの時は密約だったというのを踏まえても
いくら何でも無いだろうと思えます。

それに、兼続はお得意の「義」を持って景勝を説得しますが
秀吉の話に対してもっと抵抗しても良かったと思います。
映像からは、あっさりと受けちゃった感を受けました。



二つ目は、上杉が越後を去る際に兵糧を全て持っていった話が
丸々削られていた事です。
こちらについては、上手く説明なさっているブログ様を引用させて頂きます。

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ 直江兼続と転封と越後の年貢・悪い話
上杉が会津に移封された時、越後の年貢を丸一年分持っていってしまった。 そのため上杉のあと越後に入った堀は困り 「移封の際にはあとから来る大名のために年貢を半分残しておく決まりのはず。 持っていった年貢半分返せ！」と抗議したのだが 直江は「蒲生が会津から年貢を一年分持っていったから上杉も持参したまで。 そちらも旧領から年貢を持ってくれば良かっただろう。 これはそちらの落ち度だからうちに文句を言うな」と突っぱねた。 しかも直江は石田三成と謀議し上杉はお咎めなし。 当然ながら堀は移封で大変なときに本来あるはずだった収入を ごっそり半年分持ち去られてしまってたいそう困った。 仕方なく新潟の代官から借金して当面の費用に充てたのだが。

まさに
良い事＝全て兼続の手柄
悪い事＝他の誰かの仕業/もしくは元々描かない
……な状態です。

この作品は、“泣き”の兼続を売りにしているようなので、
（泣かないと言っていたのに泣いてばかり）
やむを得ず兵糧を持っていく話でも捏造するのかと思っていたので、
更に悪い展開を見て、私は「えええ」となりました。
という事は、上杉と掘の仲が悪くなった事も無しなんでしょうね。
他にも、
本当は仙桃院も一緒に会津に行ったんじゃなかったっけ……や、
越後だけでなく会津も雪は降るぞ！と、
普段通りにツッコミどころが多い回でした。



でも、良かったと思えるシーンもありました。
越後に残るというお涼とのお別れのシーンです。
あそこはしっとりとしていて良かったと思います。



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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


続きの第35話「家康の陰謀」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-30-7

宜しければ合わせてどうぞ。