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感想@「東京マグニチュード8.0」第5話:慟哭の、学び舎*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「東京マグニチュード8.0」の
第5話「慟哭の、学び舎」の感想です。
ネタバレを含みます。


前回の第4話「三人の、約束」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-07-31

各話の感想記事のURLは、他のアニメ作品と共に
こちらでまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-27


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今回は、未来が通っていた学校に
三人で避難をするという話でした。

途中、未来が母親の陰口を叩く部分がありましたが、
彼女の嫌な行動はこれぐらいで、
これまでの回を思うと、今回の彼女はおとなしかったので
私も最後まで楽な気持ちで見られました。
とはいえ、今回の放送は今まで以上に
人の死に向けてスポットライトが当てられていたので
楽しい気持ちで視聴できたわけではないのが
残念でした。



真理さんの推測を通して
未来の入学式の時の母親の気持ちを知るというエピソードは
大変良かったと思います。
これは、私が未来より真理さん(や、未来のお母さん)と
年齢が近いからかもしれませんが、
母親が転んでしまった後にふて腐れた気持ちは
よく分かりました。
自分に不甲斐なさを感じているのに
その怒りをどこにもぶつけられず、
自分の中に溜め込むしかないんですよね。
もし、未来たちがもう少し精神的に大人で、
母親のそういう気持ちを解してあげられたら、
彼女も楽になれるし、
未来も嫌な気持ちにならずに済んだと思いますが
これを未来に求めるのはさすがに難しいと、私も思います。
大人でも難しいと思うので、
子供の未来にそれを強要するのはちょっと酷ですよね。

その後に式が始まってもぶすっとしていたという
母親の行動は、とても子供じみているかもしれません。
未来は、「お母さんは大人なのに」と
非難するかもしれませんが、
大人だって常にしっかりしているわけではなく、
子供っぽい言動をする時だってあるとの事を
知ってほしいなぁ。
そして今は、未来も悠貴くんも真理さんに
おんぶにだっこだけれど
いつかは本格的に真理さんの役に立てるといいなぁと
思いました。
(今も、一緒に居るだけで
真理さんの気持ちを和らげているでしょうが)
そしてそれを、
刺々しいところがあった両親との今後のかかわり方に
是非、生かしてほしいです。

母親を恥ずかしいと言ったり
悪口めいた言葉を言ったりした時は
未来の顔(口)が変な感じで歪んでいました……。
私は「あぁいつもの顔だ」と思って
不快な気持ちで見ていたので、
そのシーンが少なくてホッとしました。



遺体安置所のステンドグラスは
よく割れてなかったですよね。
ここは学内の教会かと思いきや、単なる講堂のようで……。
確かに、よくよく考えてみれば
こうした避難所において、
学校の校舎とは別にある広めの建物が遺体安置所になるのは
よくある話です。
うきうきとした気持ちでステンドグラスを見に行った未来を
責められないよなぁと思いました。

ただ、体育館はどうしたんだろうと思いました。
こういう災害時に、遺体安置所が必要になるのは当然ですが、
実際に被災した後の現地のテレビ映像などを見ると、
避難所に駆け込んだ人が外で夜明かしする場面って
あまり見ません。
もしかすると、体育館はもう既に
非難した人で埋まっているという設定なのかもしれませんが
未来たちがずっと外にいる描写は不自然だなと思いました。
(建物の中に避難させてしまうと、
彼女たちがそこから出ない限り、
エピソード不足で話があまり進まない上に、
余震時の描写が地味になるので、
彼女たちを外に出させていた方が
アニメ的には都合が良いとは分かりますが)
それとも、私がそういう説明の描写を見逃したのかな……?



古市さん関連の描写は、見ていて辛かったです。
ただの親切なオジサンかと思いきや……。

古市さんが頑張るのは
勿論、この人が優しいからでしょうが、
あまりに辛過ぎる、悲し過ぎるせいで
何かをしている方が気が紛れて楽という事もあるかもしれません。
今も相当お辛いでしょうが、
娘さんご夫婦が上京してからは
その辛さが更に増しますね……きっと。
娘さんの前でも、未来たちに言ったのと同じように
「死ぬのは私だった」と淋しい事を口にするのかもしれません。

古市さんのお孫さんの枕元に
飴がいくつか置かれている時は
私も泣きそうになりました。
古市さんの奥さんの中では、
孫がまだ生きていると誤解している気持ちと、
白い布を顔に掛けられている現実が
ぐちゃぐちゃに混じっているんでしょうね。
彼女自身も辛いですが
そんな奥さんを見る古市さんも
とても辛そうでした。

古市さんや奥さんが泣かない代わりに
未来に泣かせたのは良かったと思います。
あれで古市さんは
気持ちが少し楽になったのではないでしょうか。
こういう時だからこそ、
他人の辛さを思って泣く事は大事だと思います。





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続きの第6話「見捨てる、選択」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-19-4

宜しければ、合わせてどうぞ。


2009-08-07 10:05  nice!(0)  コメント(2) 
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コメント 2

通りすがり

古市さんの描写は非常に辛かったですね。特にあの一言は胸にグサリと来ます。ところで避難所の描写はそれなりにリアルだと思いましたよ。阪神大震災時でも体育館には入れずグランドや公園で野宿したという方の話を聞きました。調べてみると避難所に入れた方は1割程度だったとか……。テレビではそういう場面ってあまり放映されませんよね。ちょっとアニメ的で大げさな描写もありますが、考証内容はそれなりに頑張ってるなー、という印象です。自衛隊のお風呂とかコーヒー牛乳とかそのままで笑いました。



by 通りすがり (2009-08-09 09:29) 

さくら

■通りすがり様
初めまして、こんにちは。
コメントをお寄せ下さり、ありがとうございます。

>野宿
そうだったんですか……。大変だったのですね。

アニメでは、避難している方がとても少なさそうに思えたので
(描かれたモブが少なかっただけなのでしょうが)
余計に、なんで野宿?と感じました。

また、お風呂ですが、
被災後、これが二度目の夜なのに
既に準備されている事に「え? もう?」と驚きました。
協力体勢の強化が昔よりも進んで、
今は一日半で既に入浴できるようになっているのなら
良かったです。
by さくら (2009-08-12 07:57) 

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