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おおきく振りかぶって感想:月刊アフタヌーン2009年9月号感想*ネタバレあり [おお振り:アフタヌーン感想]

月刊アフタヌーンで連載中の高校野球漫画
「おおきく振りかぶって」の感想です。
今月号(2009年9月号)は勿論のこと、
単行本未収録分のネタバレがあります。


本誌感想はカテゴリでまとめてあります。
他の号の感想をご覧になる場合はこちらをどうぞ。
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第71回「準決勝5」です。
武蔵野第一対ARCの試合になってから
もうすぐ半年が経つわけですが
春日部戦と違って「まだ終わらない……」と思わないのが
自分でも不思議ですw
読んでいて、緊張感を強く感じられるからでしょうか。



さて、今月号も大変面白かったです。
私、榛名に対しては苦労している方が好きかもしれません。
ふんぞり返って(ふんぞり返るシーンはありませんが、雰囲気として)
偉そうに自信満々で投げている時の彼よりも、
苦労して必死に考えている方が
高校球児臭くて(人間味が溢れていて)
読んでいて面白いです。

というわけで、今回も榛名関係は楽しく読めました。
秋丸君が捕手として駄目駄目なのは、今さらですが
肩が弱いのを必死に隠していても
その他の点でどんどんとボロが出ているのは
本当にまずい状況です。
特に、他の野手(投手の榛名を含む)への指示。
榛名もムッとしてましたが
他の観客にも分かるほど遅いって、
本当にそうなんだろうなぁと実感しました。

ご存知のように、捕手は守備の要です。
唯一、野手の皆を見渡せる&彼らと向かい合う守備位置なので
誰よりも冷静に場の状況を判断し、
それに合った判断を適確に下して、皆に伝えなければなりません。
基本的に、各選手は自己判断で動きますが、
走塁や守備に専念していると、
集中する反動で、視野が極端に狭くなる事があります。
たとえば、三塁コーチャーがいるのは、
攻撃側のランナーを手助けする典型的な例です。
なので、今回の榛名にしても、
彼が自己判断で投げようとする前に秋丸君からの指示を貰えていたら
彼も「遅い」と怒る事はなかったでしょうし
ARCのランナーを塁上で刺せてアウトにできていました。
また、秋丸君の出す指示が二度も遅かったのを目の当りにして
観客同様、ARCもこれに気付かないはずがないと思うんです。
それでなくとも、秋丸君が配球の組立に参加していない+
ランナーのブロックもできなかった+
(ランナーにぶつかられた弾みで、まんまとボールを落としている)
しかもまだ一年生という若さ……と、
ARCが秋丸君の未熟さに気付く要素は他にもあります。
秋丸君が積極的に走者を刺さない事も加えると、
この捕手は榛名の球を捕れる→捕れるだけ?
→他はまるで出来ないんじゃ?→肩も弱いかも
──という考えに自然に至る可能性もあると思います。
武蔵野第一が榛名のワンマンチームであるのは否めないので
他の選手も粒ぞろいなARCと違い、
どうしても他の選手が弱いのは仕方がない事なのですが、
要の捕手が穴だとARCに知られてしまうのは、
武蔵野第一にとって本当に危機的状況です。

榛名は、秋丸君の駄目さを目の当りにして
つい「足し引き」し、
町田先輩に捕手を代わってもらいたさそうにしていました。
榛名がARCの打線に打たれない前提であれば、
確かに秋丸君でも良いと思います。
でも今、榛名は、打線の一部を辛うじてまだ躱せているとはいえ、
ARCに尻尾を掴まれているようなものですよね。
打たれてランナーを溜めれば、秋丸君では物足りない事ばかり……
とはいえ、捕手が町田先輩だと、榛名が全力投球できないので
ARCに長打を連発されてしまう可能性があります。
無い物ねだりだけれど、
まさに二人の捕手の良いところが合わさったら
この窮地から脱却できるのに……。
でも、こういう問題に直面する事すら
九人で野球をやる醍醐味だと思います。

個人的には、自分のミスなのに
「どんまい」と榛名に言っている秋丸君が、凄く好きです。
途中で「場違い?」などと心の中で呟いてましたが、
秋丸君の場合、自分の未熟さを痛感してグジグジと悩むよりも
知らない者だからこそ見せられる強みを出した方が、
試合に臨んでいる身としては良いのではないかと思いました。
ただ、ああいう事が連発されると、
榛名の苛々が更に募るので
彼の精神状態には悪影響を及ぼすかもしれません……。



さて、西浦。
阿部は最後の最後で、
シニア時代の過去に今さらダメージを受けていましたね。
以前の回で、三橋に対して「気にしてない」と言っていたとはいえ、
やっぱり無意識の内に引き摺っていたようで。
そう簡単に吹っ切れていたら
とっくに忘れていると思うので
やはりそうだったかぁという感じです。
ただ、自分で「気にしていない」と言えるようになっていただけ、
「いつまでも気にしていたら駄目だ」という考えが
阿部の中にあったのかもしれませんが。

“やった”側だからかもしれませんが、
榛名がその件をほとんど気にしてない事に対して、
“された側”である阿部が引き摺っているのが、不憫でなりません。
でも、この問題の解決法は、
阿部自身が気持ちを切り替えて
この過去を気にしなくなる事以外にないんですよね。
それこそ、恋愛で、大好きだった人から振られた時みたいに、
その直後はそればかりを考えていて、心を痛めるけれど、
ふと気付いたら忘れていた+忘れている自分を知ったようになれれば、
過去を思い出したところで、受けるダメージの量は少なくなります。
阿部は、今の榛名が試合に負けたところで
「ざまをみろ」とは思わない気がしますし、
(勝ったら、なんだかんだで悔しく思いそうな気はしますが)
今の榛名の球を受けられる秋丸君に嫉妬する事はないようです。
本当に、後は阿部の気持ち次第だと思うので
ここは徹底的に向かって、越えていってほしいです。



それと、読み流してしまいそうでしたが、
榛名の球に対して
花井たちが頼もしい事を言っているのが好きです。
西浦が行なった過去の試合の相手では
桐青の準太が速球派でしたが、
西浦は榛名みたいな本格派の投手と練習試合で対戦した事って
あるのでしょうか。
榛名が卒業する前に、
西浦対武蔵野第一の試合は一度くらい描かれるでしょうが、
その時に、三巡目で花井達が狙ってヒットを打てるかどうかを
楽しみに見たいと思います。
(といっても、今の原作のペースじゃ
一体いつになるか……という問題がありますが)

それと、好きなのは、カグヤン先輩の励ましです!
もし本当に榛名と代わる羽目になったら
当のカグヤン先輩が一番ビビるくせに
そういう事には絶対にならない+それを分かっていて敢えて言う事から、
冗談として強気の笑顔で言っているのが、頼もしかったです。
さすが三年生。
逆に、榛名にいい事を言われて顔を赤らめている点も良かったです。



モモカンも言っていたように
この戦力差でこれだけの点差がついたら
「終わった」試合になりそうですが
まだ一波瀾ありそうな気がします。
武蔵野第一には頑張ってほしいです。

それと、今回、シオの方言があるページに
ひぐち先生の柱コメントが掲載されていて
方言の補足をしていましたが、
やはり以前の回のアンケート等で
「分からない」との苦情が
読者からたくさん与せられたのかなぁと思いました。





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感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

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続きの2009年10月号の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-08-25-1

宜しければ、合わせてどうぞ。


2009-07-26 00:00  nice!(0)  コメント(0) 
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