SSブログ

感想:大河ドラマ「天地人」第19回 本能寺の変 *ネタバレあり [NHK大河ドラマ感想]

NHKの大河ドラマ・天地人
第19回「本能寺の変」の感想です。
ネタバレを含みます。


前回の第18回「義の戦士たち」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-05-10-9
前々回の第17回「直江兼続誕生」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-04-26-4


────

酷かった……。
民放の安っぽい時代劇並みに酷かったです。
本能寺の変は、日本史々上、大きな出来事なので、
時代が被れば、この出来事は必ず描かれますが、
歴代大河ドラマの本能寺の変の中でも
今回は一番しょぼい出来だったのではないかと思います。
謙信との対話を終えた後の本能寺大爆発のCGは、コントですか。
プロパンガスに引火した爆発に見えたので、
笑うどころか呆れてしまいました。

信長と謙信と涅槃で会話をする展開は
よくありがちですが、良かったと思います。
(↑演出はとても変でしたが)
でも、その前があまりにも短か過ぎます。
信長より長澤まさみの初音がメインってあり得ないwwww
勿体ないなぁ、吉川織田。
他の作品で、彼の織田信長を堪能したかったです。



今回、結婚後、初めて兼続とお船が屋敷で対面します。
兼続が侍女から「旦那様」と呼ばれたり、
お船が自分を「お船殿」ではなく「お船」と呼ぶように言ったり、
家の為に結婚したのではなく、
二人が愛情を持って結ばれたのが判明したり──する良い話なのですが、
何も今回やらなくてもいいじゃないかという話でした。
多分、これまでの脚本が良かったら、
この二人の対話も(兼続もお船も感激するシーンなので)
凄く素敵なシーンになったと思うのですが、
残念ながらそうは思えませんでした。
まただらだらやってると、逆に不満を覚えました。
余計に、
これを端折って本能寺の変をちゃんと描けばいいのにと思いました。
とにかく、過去回想と余計な会話が多過ぎです。
多分、この大河は、兼続が常々口にしている「義」の他、
兜に掲げた「愛」もテーマなんでしょう。
だから、兼続とお船の愛も大事なんだと思います
──が、そのせいでつまらなくなっています。

この時、魚津城は本丸すら危うい状況で、
それこそ兵糧も既に尽きてるか、尽きかけているんですよね。
確かに、お船の言う通り、
あそこで兼続が断食する事に意味はないですし、
そのせいで彼が倒れてしまう方がまずいんですが
……それが分かっていても、
お船といちゃいちゃしてないで魚津に救援に行きなよ!と
思ってしまいました。

以前の感想でも書きましたが、
どうも、兼続が“口だけ”の男にしか思えないのが残念です。
今回も、魚津を見捨てた事を兼続は本気で悔いているんでしょうが、
それが表われるのは彼が発する言葉ばかりで、
実際の行動からは全然感じられないんです。
なんだかなーと思っています。



本能寺の変〜山崎の戦い(明智光秀の死亡)の展開の進み方は
とんでもなく早かったです。
史実があれこれと飛ばされた後、代わりに念入りに描かれているのが、
兼続とお船の事後っぽいいちゃいちゃとは……。
今回、兼続は、
燃えさかる火の前でのたうち回り(結局、救援に行かない)、
屋敷に戻った後はお船のご飯を食べて、泣いて、
夜、そのお船と二人で庭を見ただけで終わってます……。
さすがにもう……ちょっと……
誰か何とかしないと……駄目じゃないですかね……。

ちなみに、今回は「本能寺の変」というタイトルでした。
午後八時から始まって、
それが起こったのは(景勝の元に光秀の異変を知らせる一報が入った)のが、
八時二十分。
本能寺のガス爆発が見られたのが、八時二十八分でした……。
信長が倒れた事で起こった出来事全般(光秀が山崎で討たれたのも含めて)が
“本能寺の変”というタイトルで表わされているのか、
同時刻に他で起こっていた事も全て含まれているのかもしれませんが
(上杉方の出来事も含まれる)
タイトルがこれなのに、メインが兼続とお船のラブラブシーンっていうのは
頂けなかったです。



魚津で奮戦虚しく死んでいった吉江宗信や安部政吉の散り様は、
信長に比べれば、少しは見せ場がありましたが、
その前後で描かれた兼続とお船のいちゃいちゃの方がメインなのは明らかで、
可哀相だなぁと思ってしまいました。
魚津で死んでいった武将には
耳に穴を開けて、自分の名前を書いた札を通した状態で
死んでいったという逸話があるんですが(下記のウィキを参照)、
それ自体も、そうしようとした経緯も全く描かれませんでした。
見せ場なのに……これはもう、どうツッコミを入れていいのやら。

【ウィキペディア】魚津城の戦い
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AD%9A%E6%B4%A5%E5%9F%8E%E3%81%AE%E6%88%A6%E3%81%84

それと、同じ回想シーン
(前回の、兼続の提案を蹴るところ)が二度ほど流れましたが、
あれは一回だけでいいと思います。



多分、脚本家さんは、この作品で
「愛」や「義を元にした人情」をたっぷりと書きたいんだと思います。
でも、そればかりなので、はなはだ飽きています。
メインテーマかもしれないけれど、それを前面に出すんじゃなく、
寧ろ、量をもっと少なくする代わりに濃縮して、
ここぞ!という場面で愛やら義やら人情やらを謳った方がいいなぁ……。
大河で民放みたいなドラマは見たくないというのが、本音です。
もっと、歴史を描く部分を増やす&大事にしてほしいです。
今は、歴史から設定を借りただけのドラマになっちゃってます。



次回は、もう秀吉が天下人になっているようです。
全てを通して、どこが山場の回になるんだろう……。
もしかして、関ヶ原?
でも、戦が一回もまともに描かれた事がないこの「天地人」では、
その関ヶ原の戦いですら、
回想と関係ない対話が主で終わらされる気がします。

とりあえず、秀吉の大返し(毛利攻めを急遽止めて、明智を討つ)は
過去回想でも省かれそうな気がします。
そして、魚津城を一度は奪還して失敗する話も、
賤ケ岳の戦い(秀吉が柴田勝家を破る戦い)も、やらないのかな……。
この先も期待できそうにないのが、悲しいです。



────
感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。


続きの第20話「秀吉の罠」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-05-17-4

宜しければ合わせてどうぞ。


2009-05-10 21:14  nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:テレビ

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。