さくらもちモチ: 感想：大河ドラマ「天地人」第18回義の戦士たち *ネタバレあり: SSブログ

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感想：大河ドラマ「天地人」第18回義の戦士たち *ネタバレあり　[NHK大河ドラマ感想] [編集]

NHKの大河ドラマ・天地人
第18回「義の戦士たち」の感想です。
ネタバレを含みます。

前回の第17回「直江兼続誕生」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-04-26-4
前々回の第16回「信玄の娘」の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-04-19-4

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今回は視聴者の情に訴える回でした。
魚津城の本丸で奮戦している吉江宗信や安部政吉に降伏を促す事に決めた際と、
それを良しとしなかった彼らを結果的に見殺しにせざるを得ない状況になった際に、
景勝の元にいる上田衆がその無念さに悔しがるシーンがあるのですが、
あれはどちらか一回で良かったと思います。
しつこいし、見ていてだれてしまいます。
どうしても、二回流して、彼らの悔しさや
ついつい直江兼続に当たってしまう様子を描いて
尺伸ばしをしたいなら
ただでさえ目立つ（印象に残りやすい）パパイヤ鈴木ではなく、
他の上田衆をメインに撮ればいいのになぁと思いました。

戦のシーンが極端に少ない事への不満は、
この作品がそれを狙って書いているのだと理解して、諦める事にしましたので
触れません。
音とイメージ映像だけで誤魔化されても、見ていてつまらないです。
せめて、次回の本能寺の変では戦いがちゃんと描かれるといいなぁ。
魚津に残った吉江宗信や安部政吉にも、その死の際に
名場面という死に花を与えてほしいです。
今回で終わったら、可哀相です。

次回が本能寺の変だそうですが、
信長の描き方が中途半端で全然足らないので、実感が湧きません。
月日の経過が感じられないんですよね……。
この「天地人」は、どうも人情ドラマにしたいようなので、
感傷的になるシーンがまず優先されて（尺が長めに取られて）います。
正直、兼続のアップなどで余韻をしつこく出す時間があるなら
強大な敵である信長側を
もうちょっと丁寧に描いてあげたらいいのに……と思いました。
吉川晃司さん扮する織田信長がなかなかハマっているだけに
勿体ないです。
この、吉川織田、もっと出番を多くして、視聴者の興味を引けば、
番組に対する良い話題になったと思うのに……。
せっかくの好演なのに、来週でいなくなる点も惜しいです。

信長の描写が大した事がないので、
彼の傍で控えている長澤まさみさん扮する初音も、
非常に勿体ない事になっています。
空気状態だなぁ。
初登場時にはあったミステリアスな部分が、
設定が明かされる事によってなくなり、
今や単なる“信長の隣で思わせぶりな事を言う人”に成り下がっています。

毎度の事ですが、今週も兼続の言動にいらっとしました。
敵の目をかいくぐって魚津城の本丸に密かに到着した後、
降伏勧告を吉江宗信や安部政吉に一蹴された後の展開です。
この時の兼続は、情に駆られて、自分もここに残ると宣言します。
しかし、家老という兼続の立場を考えろと吉江に言われた事で
ぐっと言葉に詰まり、
結果、彼だけが逃げるのですが──
最初から共に死ぬ覚悟じゃなかったのか、と、がっかりしました。

景勝が開いた兼続＆上田衆との会合で、
魚津の皆に降伏を勧めなければいけない事が明かされた後、
自分がその知らせを伝えに行く！と兼続が立候補した時は
私も「お！」と思いました。
それは作戦の立案者の責任の取り方としても当然の事ですし、
何より、いかにも主人公っぽい行動だと思えたからです。
だから……その考えには、結果的に残れなかったとしても、
魚津に向かう前から兼続にはあそこに残る決意があるものだと
勝手に期待していました。
ですが、実際に聞かせられた兼続の気持ちは
場の勢いに乗せられた、子供がやけになって発するような発言によって
表わされました。
一瞬、「誘い受けじゃん！」と思ってしまいました……。

兼続は、事あれば「義」を言葉上で掲げていますが、
その行動からは義があまり感じられないのが残念でなりません。
景勝は、静かな演技がいかにも“らしく”ていいのになぁ。
魚津を見捨て、春日山に戻ると決めて宣言をした時の、
少し涙ぐんだ顔は、本当に良かったです。
ああいう人が上に立つといいなぁと、自然に思えます。

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感想は以上です。
ここまでお読み下さり、ありがとうございました。

続きの第19話「本能寺の変」の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-05-10-10

宜しければ合わせてどうぞ。