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感想@アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIRT」第4話 錬金術師の苦悩*ネタバレあり [アニメ感想]

アニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIRT」の感想です。
今回の第4話は「錬金術師の苦悩」です。

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  • 出版社/メーカー: アニプレックス
  • メディア: Blu-ray

ネタバレを含みます。


前回の第3話「邪教の街」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-04-19-2

各回の感想は、下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-06-01-7


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前回の感想の最後でも書きましたが、今回は、
原作のこれまでのエピソードの中で
私が一番嫌だと思っている話です。
今や二十巻を軽く超えている原作ですが
単行本の序盤(確か二巻)で出てくるこの話が、
私はとにかく嫌です。

今回の再アニメ化で、第一話終了後、
手持ちの単行本(六巻まで)を読み直し、
残りの巻を近所のレンタル店で借りて読み通しましたが
その時も、この話で「あぁ……」と地味に落ち込みました。
世界は、架空だけでなく現実においても
決して優しくないけれど
これはあまりにも残酷過ぎます……。



国家錬金術師の資格を得ていない(得られない)アルはともかく、
エド、マスタング大佐、アームストロング少佐……と、
第三話までは
志も能力も素晴らしい国家錬金術師が多く出てきました。

今回は、一度はその資格を得られたにもかかわらず、
志が途中でねじ曲がってしまったり
能力に恵まれなかったりした
綴命(ていめい)の錬金術師ショウ・タッカーの話です。
人間は、一度、生活レベルを上げると、
なかなか元に戻せない(質を落とせない)と言いますが
タッカーの場合は、
国家錬金術としての立場や研究費がそうだったようです。

その気になれば、
縁もゆかりもない他人や動物を誘拐してきて
勝手にキメラにしてしまう事だって、選択肢の一つにあったのに
そうしなかった辺り、
タッカーにはまだ理性が残ってたはずです。
尤も、他人に手を掛けなかったのは
タッカーにあった僅かな善意というより、
それを成すだけの度胸が彼に備わってなかっただけだと思います。
タッカーにとって
身内(妻や娘のニーナや飼い犬アレキサンダー)は
確かに愛情を向ける対象でしたが、
自分の所有物としての認識が強かったんですね……。

査定の日がもうすぐ来てしまう事
&自分の研究が上手くいっていない事に対して
激しく苦悩するタッカーの一方で、
エドとアル、ニーナとアレキサンダーが
楽しそうに庭で遊んでいるのが描かれているのを見るのは、
この先の顛末を知る原作読者としては、
本当にきつかったです。
子供達が騒ぐ声が庭から聞こえてくる中、タッカーが、
国家錬金術師の証である銀時計をちらりと見るシーンでは、
思わず目をそらしてしまいました。

もしまた査定に落ちたとしても
ニーナを連れてどこかの田舎に引っ込んでも良かったのに
それができなくて
あのような恐ろしい事をしてしまったタッカーには
とても同情できません。
あぁ、もう……嫌……。
こうして感想を書いているだけで、ムカムカしてしまいます。
エドにその罪を暴かれ、顔を殴られた時のタッカーは
完全にあっちの世界に行ってしまった人の顔をしていました。

ニーナの
「おとうさん、いたい?」「あそぼう、あそぼうよ」の台詞には
泣いてしまいました。
タッカーが殺されたのを知って
キメラ化したニーナが涙を流すシーンも……。

いつか、近い未来において
エドとアルの兄弟がもっともっと力を付けた時に
ニーナとアレキサンダーを分離させる事ができたら
良かったんですが……。
下手に生かされて、軍の実験材料&観察対象になるよりは、
こうしてタッカーに殺された方がましだったのかもしれませんが
無邪気なニーナとアレキサンダーに
何の罪も無かったのを考えると
その死を見ても、少しも心安らかにはなりません。



このエピソードは、「ハガレン」という世界において
国家錬金術師という存在が決して正義ではないというのを
(心が腐った国家錬金術師もいるという事)
表わす為に作られた話だと思います。
国家錬金術師にも心がある以上、
膨大な金や権力の前に目が眩んで、罪を犯してしまう事もありますが、
一般人には無い高い能力をなまじ持っているせいで、
想像を絶する恐ろしい禁忌を犯してしまう可能性があるのを、
“人体を使ったキメラ合成”という実例をもって
読者(視聴者)に衝撃的に説明しています。

これに限らず、この作品では、
人体が食べられたり……といった無惨な殺され方が描かれる事は
決して少なくないです。
それが“鋼の錬金術師”という作品の
世界・世界観だとは分かります
──分かってはいますが、やはり、
アニメや漫画という娯楽では見たくない世界だなと
どうしても思ってしまいます。

現在、私に子供はいませんが、
もしいたら、その子が小学生以下の年なら
このアニメはこのシーンだけ見せないと思います。
架空の話とはいえ、大人の私でも「きつい」と思ってしまう話は
やっぱり子供に見せたくないです。



そんなに嫌なら、いっそ、
このハガレンの視聴そのものを止めてしまえば楽になれるのですが
悔しい事に、これ以外の話のほとんどは
「面白い!」と楽しめてしまうんです……。
上記にも書きましたが、
レンタル店で、手持ちにない単行本をまとめて借りてきて
数時間掛けて一気に読みましたが
全然苦じゃありませんでした
ドキドキしっぱなしでした。

とりあえず、シリーズでの最初の一山が済んだので
ホッと息を吐いてます。
次の山は──私はヒューズのファンなので、あのシーンです。
今、原作(本誌)も、
マスタング大佐がヒューズの仇を取るか否かで佳境ですね!



ところで、
原作ではタッカーの話の前に存在するユースウェル炭鉱の話を
このシリーズでは略しちゃったようです。
あの話は、見ていてスカッとできる内容のオチで、
面白かったので
どうやらアニメで見られそうにないのが残念です。
炭鉱でエドにガツンとやられるはずのヨキ中尉は、
原作では後々、なにげに大事な脇役として登場するのですが
アニメではその辺をどうするのかと、不思議に思っています。
後で、「こんな事があった」と
簡単に回想シーンを入れるのでしょうか。





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続きの第5話「哀しみの雨」の感想はこちら。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-05-10-6

宜しければ合わせてどうぞ。


2009-04-26 17:51  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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