さくらもちモチ

感想@CDドラマ 宮沢賢治名作選集３「銀河鉄道の夜」　[ドラマCD・声優CD感想] [編集]

ＣＤ：ドラマ 宮沢賢治名作選集３「銀河鉄道の夜」の感想です。



キャストは
ジョバンニ：石田彰さん
カムパネルラ：神谷浩史さん　　です。

ネタバレを含みますので、読まれた事がない方はご注意下さい。


BL以外のドラマCD/ラジオCD/声優さんの企画CDの感想記事は
こちらの一覧ページでまとめています。
【感想一覧：ドラマCD・声優CD】
（BLCDに対する感想記事の一覧はこちら【感想一覧：BLCD】）


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宮沢賢治の名作中の名作「銀河鉄道の夜」のドラマＣＤです。
キャストを最初に見た時は
「カムパネルラが石田さんじゃないんだ？」と驚きました。
なんとなく、石田さんはカムパネルラを演じるイメージがあったので……。
とはいえ、共演されている神谷さんも
ジョバンニかカムパネルラかと言ったら、
私の中では後者のイメージがあります。

石田さんがカムパネルラを演じられても素敵でしょうが、
このジョバンニも魅力たっぷりでした。
影のある、繊細だけれども健気な少年を
見事に演じられていたと思います。
神谷さんのカムパネルラも、
特に銀河鉄道に乗ってからの彼は幻想的で
（これは、私が話の筋を知っているので、
カムパネルラが死者であるのを分かっているせいもあるでしょうが）
言葉を聞いているだけでしんみりとしてしまいます。



内容は、勿論「銀河鉄道の夜」なのですが
原作の童話そのものが音声化されているわけではありません。
話がかなり端折られている他、
分かりやすいように噛み砕いた内容に変えられているので、
原作を現代版にアレンジしたという印象を受けます。
この点については、賛否両論あると思います。
原作の文章に思い入れのある方には、
聴いていて耐えられない部分も出てくるかもしれません。

最後に収録されたキャストさんのフリートークにて
石田さんがこの点に触れられているように、
この話は、初心者向けというか、
原作の「銀河鉄道の夜」がとっつきにくくてまだ読んでないという方が
作品に触れるきっかけ（導入口）とするには、適していると思います。
人気声優さんが出演されているという事で
それを目当てで買われる方もたくさんいらっしゃるでしょうが
もし未読の方が、これを機に原作に興味を持つようになれば、
このＣＤの狙いは当たったかと思います。
また、逆に、声優さんにあまりお詳しくない宮沢賢治ファンの方が、
このＣＤを聴いた事で
石田さんや神谷さんに興味を抱くようになるかもあるかもしれません。
こういう風に、相互のファンを取り込む事は
コラボものの醍醐味だと思いますので、
その点では、「銀河鉄道の夜」という題材が選ばれた事や、
石田さんと神谷さんという声優さんが選ばれた事で
成功するのではないかと思っています。



銀河ステーションにいるジョバンニが
服を濡らしたカムパネルラに気付くシーンと、
何も知らないジョバンニが
「どこまでも一緒だ」とカムパネルラに言うシーンは
話の内容を分かっていても、泣きそうになりました。
ジョバンニが石田さんで、本当に良かったです。


最後に、原作を読める青空文庫へのリンクを貼っておきます。
（無料で閲覧できます）
http://www.aozora.gr.jp/cards/000081/card456.html





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