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感想@アニメ「鉄のラインバレル」第1〜4話*ネタバレあり [アニメ感想]

テレビアニメ「鉄のラインバレル」の感想です。


放送時間が、深夜でもかなり遅い時間なので
(午後二時過ぎ)
基本は録画したものを後でまとめて視聴
+見られたらリアルタイムでも見る
というスタイルを取っていました。
いよいよ終盤になったので
まとめてDVDに焼いたついでに感想をまとめていきます。
感想にはネタバレを含みます。

今回は
第1話「クロガネと少年」
第2話「失踪する正義」
第3話「蒼の戦慄」
第4話「正義の代償」
です。

各回の感想は、他の作品と共に
下記の一覧ページにてURLをまとめています。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-07-26-5


原作の漫画は未読です。
これを書いている今は第21話「狂気の翼」まで放映済みです。
飛び飛びで見ているので、内容はよく分かってないのですが、
亡くなってる方や裏切ってる方の件は一応知っています。

────

このアニメを最初に見た時も
まとめて5〜6話を視聴したのですが、
久々に嫌な主人公を見たなと思いました。
正直、非常に苦手なタイプです。
なんていうか……
こういう人間が作品に登場するのはよくありますし、
私もそれなら平気なのですが
主人公としてメインに見るのが嫌でした。
それでも、途切れ途切れながら
その後も頑張って見ようと思ったきっかけは、
第4話で矢島が死んでしまった事です。
あそこは本当に驚きました。
二人が殴り合って和解して、握手をしようとした時、
なんか思わせぶりに手のアップになったので、
「え? なんかヤバくない?」と思った直後、
案の定、彼ら二人に危機が訪れたので
リアルで「ええー?!」と声をあげてしまったのを
今でも覚えています。



ロボットアニメ=正義の味方がこの世界を守る
という図式が成り立つのが普通であるのを踏まえれば、
矢島こそ主人公っぽいです。
正義感がある、真面目、自分の力に驕らない、
他人を思い遣る優しさがある、彼なりの悩みがある
──こうして挙げていくだけでも、
矢島はヒーローたる条件を満たしていると思います。
片思いの幼馴染み(理沙子)に、
性根が腐っていて力も弱い幼馴染み(浩一)という環境も
ぴったりです。
でも、この話は、ヒーローに相応しくない浩一が主人公です。
矢島があくまで傍役(&浩一の劣等感を煽る存在)に過ぎないのも、
この「鉄のラインバレル」の魅力だと思います。

心が脆い主人公は、
たとえばエヴァンゲリオンの碇シンジを挙げられますが、
浩一には甘えられる環境が残されている&
今はまだそう必死にならずに済んでいる現状から、
浩一はシンジより精神的にも状況的にも楽でいられています。
特に、この第4話までの浩一は
ラインバレルのファクターとなった事で齎された力に甘えていて、
これ以上なく調子に乗っています。

浩一は、ラインバレルによる初めての戦闘後、
自分の活躍がマスコミで一切報道されていない事に対して憤ります。
彼は、未知のロボットに乗ってこの世界を救う事に固執するけれど、
それはあくまで、
幼い頃から無力だった自分が思い描いていた夢が実現した事に対する
喜びから来るものです。
少なくとも、この時点での彼の目的は、
この世界を救う事そのものではなく、
それによって与えられる、人々からの賞讃です。
よって、
自分の戦闘と成果が皆に見られ、認められなくては戦う意味がない
──と、どんどん歪んでいきます。
戦闘による被害を心配する絵美には、返事こそするものの、
とてもおざなりで、
実際、戦闘を開始した浩一はそれを全く考慮しません。
よって、第3話で、
森次さんにこてんぱんにやられた時に絵美が発した
「最低です」は、非常に重みがあったわけですが……。
こんな彼を主人公に据えても、
原作とアニメは続いていると分かっているからこそ、
「おいおい。こんな主人公で、この先は大丈夫なの?」と思っても、
とりあえず録画し、見てきたわけですけれど
序盤は本当に、見ていると失笑&頭痛の連続です。
ロボットアニメの主人公が精神面の脆さ&幼さを指摘される事は
決して珍しくないですが、
浩一はその中でもかなり駄目な方だと思います。

第4話、矢島が浩一と殴り合いながら
彼なりの劣等感(好きな理沙子を振り向かせられない)を
明かすシーンは、とても良かったです。
浩一からすれば、矢島はヒーローであり、
(第4話のラストにあるように、
浩一の中では、“矢島=自分が思う正義の味方”です)
そうであるからこそ、
強い劣等感を抱いてしまう根源でもあります。
でも、矢島は矢島で、
実は浩一に対して「自分は負けている」と感じていて
それをようやく浩一が知るわけです。
雨の中での殴り合い、拳をぶつけあう──なんて
まるで昔の漫画のようですが、
ここはもう感動しました。
だからこそ、
その直後に矢島が死んでしまったのが悲しかったです。
でも浩一は、矢島の死によって、
いつも自分を守ってくれた彼からの自立を強いられ、
人間としてどんどん成長していくんだなと思います。
ただ……第1話のラストで、
絵美が沈痛な表情で明かしますが、
浩一はもう死んでいるので、今はただ
ラインバレルによって生かされている存在でしかないのが残念です。
これがどれだけ悲しく辛い事なのか
浩一自身がまるで分かってないのも、せつないです。



深夜だからか、ヒロインの絵美のサービスショットが多いです!
ここまで彼女を裸にしなくてもいいのでは?と思いました。
絵美に関しては、浩一との会話よりも、
事情を何も知らない事から
勝手に誤解してヤキモチを焼いている理沙子との会話の方が
面白くて、好きです。
特に第3話。
カップケーキを焼いた理沙子が
ひょんな事から浩一の自宅の居間で絵美と対峙し、
一人で盛り上がって彼女と競っているのが、おかしいです。
絵美の、紅茶を淹れたつもりが
急須で乾燥ワカメを戻してしまったくだりでは
大笑いしてしまいました。
ここ、当の絵美が何も分かってないのが良いですよね。
そして“天然ちゃん”っぷりもかわいい。



矢島の死が浩一の転機になるのはミエミエなので、
「ここで変わらなきゃお終いだぞ」と思わせながら
第4話は終わります。
絵美の干渉無しで浩一がラインバレルを呼べるようになったのは
今後の戦闘を考えれば良い事なのに
少しもそうは思えないのが、悲しいです。



あ、そうそう、
私、声優の平野綾さんの声が苦手だったんですが
(ハルヒの煩さ&ブレスノイズが駄目でした)
彼女が九条美海の声を当ててらっしゃるのは
友達から教えてもらって、初めて知りました。
お陰で、平野さんの声が駄目なんじゃなくて
ハルヒの煩さが耳障りだと判明したので、良かったです。
この声は好きだなー。
でも、城崎絵美役の能登麻美子さんと同様、
柔らかい感じがするので、
二人で喋るシーンがあると
ほにゃほにゃしてるなぁと思いました。



────

感想は以上です。
第6話〜8話の感想に続きます。

*追記
第5〜8話の感想も書きました
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2009-03-04-2

宜しければ、合わせてどうぞ。





2009-03-04 18:50  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
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