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アフタおお振り感想2008年11月号感想*ネタバレあり [おお振り:アフタヌーン感想]

月刊アフタヌーンで大人気連載中の高校野球漫画
「おおきく振りかぶって」の感想です。
今月号(2008年11月号)は勿論のこと、
単行本未収録分のネタバレがあります。

第61回「準々決勝2」です

ooo1.jpg

*画像はわざと劣化させています


本誌感想はカテゴリでまとめてあります。
他の号の感想をご覧になる場合はこちらをどうぞ。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/archive/c338259-1


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先月号後半に続き、今月号も武蔵野第一対春日部の試合です。
最初から最後まで試合であるのに加えて、
実際のページ数もおお振りにしては少なめなので
(といっても、同誌に掲載されている漫画と同じぐらい)
あっという間に読み終りました。



武蔵野第一は(特に先発したカグヤン先輩は)
春日部にすっかり研究されているので、
カグヤン先輩の頑張りがほとんど通じず、
気合いだけが空回りしているのが、読んでてもどかしいです。

三点目を春日部に入れられてしまったので
予定よりも早い三回途中で、実質のエースである榛名と交代します。
涼くんの
「ラッキー! 榛名の打席、オレ1コ多くなったじゃん!」が
無邪気でかわいいです。
冷静にチームの勝利だけを考えれば、
榛名よりも攻略しやすいカグヤン先輩に
一イニングでも多く投げてもらった方が、
春日部としては有難いはずなんですが
彼はチーム事情とは関係なく、個人で喜びを感じています。
田島と同じ性格なのかな。



西浦の試合の時は、ひぐち先生の漫画の描き方云々よりも
次がどうなるのかが気になって気になって、それどころでなかったです。
前回の感想でも書きましたように、
私にとって今回の試合は、おまけのようなものなので
(どっちが勝手も構わないので、気楽に読める)
割と引いた感じで読んでいる実感があります。

その上で、ちょっと気付いたんですが、
野球そのもので説明するのが難しい事柄に関しては、
当人ではなく、他人にあれこれと語らせるのが
ひぐち先生が好まれる手法なのかなと思いました。

たとえばですね……
有名どころだと、少女漫画で「ガラスの仮面」という作品がありまして、
北島マヤ扮する天才少女が幻の名作の主人公を演じようと頑張る話なのですが、
彼女の演技が凄いという点を、
作者の美内すずえ先生は、あまり直接的に描かれない方なんですよ。
ではどうやって説明するかというと、
どう凄いかを、彼女の演技を見ている他人に必ず語らせるんです。

現実の世界でも、本人の自己評価より他人からの評価の方が
真実味を感じられるように、
漫画では、それが事実に対して説明として使われることが多いです。
なので、ひぐち先生だけが悪目立ちしているわけでは決してなく、
もっと多く使っている作家さんはいっぱいいるんですが、
(逆に、全く使わない作歌さんもいらっしゃいます)
ちょっと勿体ないなーとか、必要無いんじゃ……?と思える部分が
幾つかありました。
こういうのは、使うのをギリギリ抑えることで
(ここぞ!という時に使うことによって)より効果的になるので。
勿論、ひぐち先生にとってそこが大事なのかもしれない可能性もありますが
私にはあんまり感じられませんでした。

具体的に言うと、P88の冒頭。
ヒットを打った柴先輩が、カグヤン先輩について語ります。
「秋より球速が10キロほど上がっている」
「コントロールは及第点」から、
カグヤン先輩が、前回戦った秋以降も努力していて、
その成果がちゃんと実っていることが説明されています。
また、その直後に、「打ちやすさは変わらない」や
「牽制しない場合はセットの間が長い」といった、
本人だとなかなか気付き難い弱点がしっかり残っていることも
説明されています。

これは、いいんです。
カグヤンがモノローグで
「頑張ったから、秋よりオレの球速は10キロ上がってる!」と
自分で説明するよりも
実際に対戦させた相手(今回は柴先輩)に説明させた方が、
話の流れでも自然ですし、強い説得力があります。
でも、P97〜98のサードコーチャー・15番の友障くんの説明は
どうなのかと……。
せっかく、ここは野球そのもので二人の凄さを語っている上に、
駄目押しで、その直後に解説者に「盗塁のサインミスが〜」なんて言わせて
わざと誤解させているので、
無理にここで彼に解説させなくとも──というか、
多分、ひぐち先生は、この二人のキャッチフレーズ
“ナチュラルH&R”という言葉を
どうしても早い内に出しておきたかったから、
無理に彼に語らせたんだろうなと伺えます。
でも、これによって具体的に彼らが
「他の組み合わせより0.4秒速い」と分かったので
同人活動をしているいち読者としては
データとして有難く受け取れますので、本当に助かるのですが。



今後は、早めの登板となった榛名の引き際に注目します。
勝敗の行方は勿論ですが、
たとえば、武蔵野第一が敗色濃厚となった時に
(戸田北の試合みたいに)
榛名が引き続き投げるかどうかが見物です。
できれば、皆に励まされ(説教?)ながら
最後まで投げ抜いてほしいです。
投球だけでなく、精神的にも成長したところを見たいです。
また、これでカグヤン先輩が終わりのはずはないので
彼の頑張りが、またどこかで出るのかなと
期待して待つことにします。





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感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

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続きの2008年12月号の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-10-26-3

宜しければ、合わせてどうぞ。


2008-10-26 15:49  nice!(1)  コメント(0) 
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