SSブログ

感想@漫画「ぼくらの」月刊IKKI2008年12月号*ネタバレあり [ぼくらの:感想]

鬼頭莫宏先生の連載漫画「ぼくらの」月刊IKKI2008年12月号感想です。

ネタバレを含みます。
単行本派の方、本誌をこれから読まれる方はご遠慮下さい。

前回(2008年11月号)の感想はこちら↓
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-10-26



今月号は衝撃的な展開がラストで起こります。
ご自分の目で見られてから以下を読まれることを、強くお勧めします。
ネットでネタバレを知ってから漫画を読むのは、非常に勿体ないです。




────

えー……何から書いたらいいのか、と言いたくなる心境です。
びっくりしました。
これまで(マチとウシロで各家庭を回る)の穏やかな展開は全て、
今回のラストに繋がっていたんだと分かりました。



まずは、サイトの日記に書いた最初の感想を転載します。
(読み難いので、引用の印である「>」を省きます)
思いきりネタバレしてますので未読の方はご注意下さい。
http://diary3.fc2.com/cgi-sys/ed.cgi/sakura99/?Y=2008&M=10&D=25




鬼頭先生が描く世界は、どうしてこう救いが無いんだろう……。
救いが無い世界を敢えて描くことで
目には見えない光(救い)を描こうとしてるんだろうなとは思えるんですが
今月号はびっくりしました。
時間が止まった。

以下ネタバレ。



正直、油断してました。
手繋ぎ云々とか“告白”とか「一緒に寝よう」とか
今月号はしょっぱなから終わる直前まで
死にフラグがマチに立ちっぱなしでしたが、
これは、来月号以降の彼女の戦い(ジアースに乗った上での戦闘)に
掛かるものだと思ってました。
ここ数カ月間ずっとそうだったように、
戦闘が始まるまでは、各家族に会って感傷こそ出るものの
ウシロとの二人の時間は、それまで確実に続くものと思ってました。


あれ、二人の大人が、ピストル所持の少年をガードしてますよね。
初読の時、あの三人のコマが唐突に出現したので、
「あれ? 誰、この人達? 読み飛ばした?」とちょっと戸惑いました。
でも、その前を読み返しても公園にはいないから、
静かな公園の風景を表わすモブが目立っちゃったのかなって思いました。
そうしたらそうしたら……あのラストですよ。
どう見ても、あの少年がカタリ君の弟の熊手を取ったのって
マチを引き付ける為のものですよね。


マチはどうなるんだろう……。


死んでたら絶対に嫌。
ここは自分の地球じゃないのに、
皆の心意気を受けて「自分もこの地球の為に戦う」って決めてくれたのに、
それを果たせないまま殺されてしまうのは、あまりにもむごい。
どうせ死ぬ事が決まってるなら、本懐を遂げさせてあげたい。

でも、もし死んでなかったとしたら……それこそ最悪の事態になるかも。
撃たれたせいで、ジアース操縦できない状態で戦闘になったら
確実に負けちゃう。
そうしたら、ウシロやササミさんが責任を持ってマチを殺すのかな。
嫌だなぁ……そんな責任。誰にも取らせたくない。


そして、誰が次のマガジンにパイロットとして入るんだろう。
ウシロが最後じゃないかもしれない時点で
ここまで読んできた一読者として納得がいかないんですが、
まさかコエムシ?

あぁ嫌だ。どう考えても鬱展開。

最初、マチが撃たれたって分かった時、
時間が止まったと感じるほどびっくりしてしまったけれど、
マチの生死問わず、彼女には残酷な死しか訪れないんだって分かった途端に、
じわじわと嫌な気持ちが胸の奥から湧いてきました。

きっついなぁ。次号は楽しみですけど、読むのが嫌です。




日記からの転載は以上です。





ラストでマチが撃たれたのがあまりに衝撃過ぎて、
その前のエピソードで、
カタリ君が実は家族思いの良い人だったと描かれていたのは
私の頭から吹っ飛んでしまいました。
でもこの設定は、正直に言うと、
いかにも後付けっぽい、おざなりなものだなという印象を受けました。
もっとコマやページを割けたら、
彼についても、もっとちゃんとした設定を付けられたのでしょうが、
今月は、彼を訪ねる前後にあるマチの心情描写の方が大事ですので、
やむなく、とりあえず“良い人そう”な話を両親から語らせて
それを読者に示したという感じがしました。



そのマチは……
「手を繋ぐ」発言の直前、苛立っているマチの描写がおかしくて、
思わず笑ってしまいました。
私も、あそこの二人は良い雰囲気なので、
手を繋ぐ事はなくとも、ウシロがマチの腕にそっと触れるといった、
優しさから来るスキンシップのシーンが出るかと想像していたので、
どこまでも朴念仁なウシロと、彼に対して怒ったマチがおかしかったです。



そして、
自分が死ぬ直前にしておきたいことと言えばやはり告白だな!と
私も痛感しました。
そうしたいと願い、ちゃんと果たしたマチの気持ちが
痛いほど分かりました。
「好き」って告白したところで自分には未来が無いし
(しかも、この場合は行った相手──ウシロにも未来が無いと分かっている)
完全に自己満足の世界でしか過ぎないんですが、
それでも、やる事やってから死にたいっていう気持ちには共感できます。

マチが言ったように、ウシロを好きになったのは
兄であるコエムシと重ねたのがきっかけになり、
こうして一緒に行動するようになって
意外にちゃんとしている彼を見直したことに
背中をぐいぐいと押されたのでしょうが、
もしかしてもしかすると、
マチには吊り橋効果が働いたのかもしれません。
こういう非常時(自分がすぐにでも死ぬかもしれない)だからこそ
今、傍にいる
ちょっと気になってた異性を好きになってしまう……みたいな感じで。



マチの「一緒に寝よう」発言には、びっくりさせられました。
まるで親が子を見るような気持ちで
いたたまれない気恥ずかしさを感じました(笑)。
でも、鬼頭先生が進んでセックスを漫画で描かれる印象は無いので、
おそらくそういう事に及ぶ前に戦闘が始まるのかなと思ってたんですが
……まさか、マチが撃たれるとは。

あ、「夜が怖い」と言ったマチの気持ちも、よく分かります。
私達が夏休みの終わりを迎えようとしている時
──とは比べ物にならないほど
彼女は辛くて悲しくて恐ろしい思いをしていたのでしょうが
本来は喜ばしいはずの朝を憂鬱な気持ちで迎えなければならない夜は
孤独さも相まって、とても辛いんだろうなと察することができました。



さて、マチが撃たれた件ですが──
今回は撃たれて終わりという唐突な締めだったので
次回待たなければ語れないというのが、本音です。

コエムシにはマチ達が行なっていることが分かっているとの説明が
マチ自身からありましたけれど、
たとえば、拳銃から弾が発射された直後(マチの身体に当たる前)に
マチだけをどこかに転送させるとか、
そういうイレギュラーな対応ができなかったんでしょうか。
それとも、前は可能だったけれど、
マチがパイロットになってしまったことで、
そういう特別枠から外されてしまった(例外扱いが無くなった)ことも
あり得るんでしょうか。

マチを撃ったのは、ジアースで被害を被った人なんでしょうか……?
この展開は嫌なんですが、
まだ誰かの恨みを買って撃たれただけましなのかなという思いも、
私の中には実はあります。
たとえば、単なる愉快犯(マチがジアースのパイロットだと分かった上で)に
マチが殺されるのだとしたら、
自分の故郷ではない地球を救おうとした少女の物語を締める展開としては、
あまりにも惨過ぎるというか
それこそやり切れないように思えますので。



それにしても、上記に転載した日記でも触れましたが、
今後、マチが無事に生きていたとしても
彼女にもウシロにも辛い展開しかないように思えます。

大事な妹の一大事を知ったコエムシは、これからどうするんでしょうか。
コエムシがウシロに、
「どうして守れなかった」「お前が撃たれれば良かったのに」と
罵倒するぐらいまでは想像できますが、その先は無理です……。
たとえば、この時点でもしカナちゃんや田中さんが生きていたら、
コエムシは同じようにウシロの大切な人の命を奪うという方法を取って、
不甲斐ない彼への復讐を果たすのかもしれません。
でも、彼にはもう、そのような対象がいませんもんね。
ウシロも義理のお父さんを大事に思っているようですが、
コエムシに目を付けられることは無い気がしますし。



また長い一ヶ月が始まります。
次号を読むのが憂鬱です。
楽しみなのに辛いという相反する言葉が、
私の心境をぴったりと表わしています。



とにかく次号は
・マチの生死
・マチを撃った人間の正体
・コエムシの反応
・今後の戦闘に関すること
に注目するつもりです。





────
感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

ランキングに参加しています。
記事がお気に召しましたらバナーを押してやって下さい。
*別窓でランキングサイトが開きます
にほんブログ村

続きの感想(2009年1月号)も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-11-25

宜しければ、合わせてどうぞ。


2008-10-26 12:51  nice!(0)  コメント(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証: 下の画像に表示されている文字を入力してください。

 


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。