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アフタおお振り感想2008年2月号感想*ネタバレあり [おお振り:アフタヌーン感想]

月刊アフタヌーンで大人気連載中の高校野球漫画
「おおきく振りかぶって」の感想です。
今月号(2008年2月号)は勿論のこと、
単行本未収録分のネタバレがあります。
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画像はわざと劣化させています。


本誌感想はカテゴリでまとめてあります。
他の号の感想をご覧になる場合はこちらをどうぞ。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/archive/c338259-1


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最初におことわりです。
感想を書くのをずっとサボっていた為、
現在の最新号2008年7月号まで、これを書く前に読んでいます。
(美丞大狭山戦の決着後です)
本誌は毎月必ず発売日に購入し、
サイトの日記では一言の感想を書いていますが、
http://himemaro.hp.infoseek.co.jp/
こちらで挙げていく感想は
書くに当たって再び読み返したものに対してですので
リアルタイムのものではないことをご了承下さい。



では、参ります。

1月号の終わり(九回裏・美丞大狭山の攻撃)が、
相手にヒットを打たれたところでしたので、その続きです。
珍しく……というより、初めてかもしれません。
モモカンががっくりと落ち込むコマがあります。
瞬時に、次のコマで立ち直ってますが
彼女でもやっぱりこうなる時はあるんだーと
初読の時にもびっくりした覚えがあります。

モモカンは内面の強い部分が強調されがちなので
普通の人っぽく、弱さがちょっとでもこうやって出されると
人間くさくて良いですよね。
現実味が裏打ちされる感じがして。
モモカンが涙ぐむところとか
いつか、一度で良いので見てみたいです。
甲子園大会で優勝した時とか。



モモカンのサインが美丞側に読まれた事で打たれてしまい、
田島が違和感を持ちます。
ここは、田島だからこそ分かったんだろうなと思いました。
(あり得ない話ですが、
もし彼女からサインを貰っていたのが阿部なら
彼も気付いたと思います)
勿論、要求通りに投げられる三橋の制球力があった上での事です。



部員数の不足で、伝令に走らせる部員がいない時に
グラウンドに立っている部員がベンチに戻っていいとは、
私も初めて知りました。
監督がグラウンドに出るのは絶対に駄目だとしても
部長先生(西浦だとシガポ)か、記録員(千代ちゃん)が行くとか
思ってました。
美丞の和田くんみたいに「へぇ」って思いましたよ。
ルール上はどうなんでしょうね。
でもこの場合は、
主審の判断で(試合をスムーズに勧めるために)OKが出ているので
問題は無いんでしょうね。
ボールが汚れると、
主審が両チームにそれを渡して磨かせて、後で受け取るのですが
(どちらのチームがやるかはその時の状況で)
磨いたボールを主審に返す際に
部員がいなくて部長先生が主審に返したところは
一度だけ見たことがあります。



ヒットでヤノジュン君が出てますけど、
監督が要求してた犠打じゃない(外野フライを狙ってた?)ので
ベンチから遠回しに怒られてます。睨まれてます。
桐青戦でも、桐青の監督が部員の誰かをそうやって怒ってましたが
面白いです。
私みたいなシロウトだと、
アウトになったわけじゃなく、出塁できて
ランナーを進塁させられたんだから
いいんじゃないかと思うんですけどね。
リードしているが上での余裕なのかな。
西浦も、いつかこんな感じでガチガチになるんでしょうか。
でもモモカンは部員の自主性を尊重しているようなので
当分はならない気がします。



次は四番打者の和田くん。
美丞にバカスカ打たれた理由を察したことで
西浦はモモカンのサインを無くす対策を立てました。
田島が三橋の力を借りて、二人で投球を組み立てていくようになります。

P246の最後のコマで、
モモカンが田島に放った言葉「もちろん三橋君と協力してね!」に
ベンチに座る阿部が密かに反応しているのに、
私は興味を惹かれました。
これまで三橋に首を振らせてこなかった阿部は、
彼女のこの言葉に耳が痛かったでしょうね。

そして、会話が噛み合ってないマウンド上の田島と三橋。
田島の問いに対して三橋が答えてますが
一見、二人の話が通じているように思えて
(実際、周りにはそう思われていた)
全く通じてないというのがもう(笑)。
阿部と三橋のバッテリーでも、こんな事がありましたね。

P248の最後の二つのコマ
田島:「そういや三橋って、首振ったことあるっけ?」
三橋:「あ、る、よっ。さっきから、振ってるよっ」は
何度読んでも笑ってしまいます。
笑ってる場合じゃないのですがね。
実際にアフタを読まれてない方に説明しますと、
田島は、配球において
キャッチャー(阿部)の要求に反論したことがあるか否かを
三橋に尋ねてます。
三橋は最初に阿部と出会った時に、彼から
「首を振るな(オレの言う通りに投げろ)」と強く言われています。
また、実際に今まではそれで上手くいっていたので
そういう意味で三橋が阿部に向かって首を振ったことはありません。
しかし、この美丞戦では、バッターを騙す為に、
三橋は演技として首を振ることもありました。
三橋の「振っている」という答えは、それを差しているんです。
二人は、三橋の答えが実は答えになってないことに気付かないまま、
試合に戻ります。
他の部員たちも同様です。
ただ、田島だけは、その後すぐに
「首振り禁止とかありえねーわけだし」と呟いています。
皆、阿部が首振り禁止を三橋に強いていたと知ったら
どう思うんでしょうね。
田島は「なんだ、バッカだなぁ、お前」と阿部を笑い飛ばしそうです。
この件については、これで終わらせるんじゃなくて、
後で阿部が「実はオレ、三橋に──」という感じで
監督を含めたチームの皆に自白してほしいなと思っています。



和田君には読み合いで負けて、三橋は、
スリーランホームラン(この試合で二本目のホームラン)を
打たれてしまいます。
グラウンドにいるナインや応援団が呆然とする中、
モモカンは辛うじて平然を装っています。
そんな中、阿部だけに、がっくりと項垂れる描写がありました。
本当は、グラウンドの皆もこうしたいんだろうなと思いました。
そして、私もそうでしたが、
西浦を応援している読者は、
このシーンで阿部のようにがっくりしたことだと思います。

P258の2〜4コマ目で、田島と三橋が会話をしています。
阿部と三橋のバッテリーとは違う励ましあいで
微笑ましかったです。
子犬同士がじゃれてるみたいな感じがしました。



その後、抜群の制球力を誇る三橋が乱れ、
普段はエラーなどしない栄口が凡ミスをしてしまいます。
そこで三橋はようやく自分と栄口が緊張をしていることに気付き、
その原因が何であるかを考えます。
P268〜272は、この号の肝だと思います!

P269で挿まれる、回想の中の栄口くんの台詞ですが、
彼は決して三橋が駄目だと言っているわけではないんですよね。
栄口くんは
公式戦において、投手がいなくては試合にならない以上、
一人で頑張らざるを得ない三橋におんぶにだっこになっている西浦の現状を
自嘲したんだと思います。
つまり、三橋に対しては、申し訳なく思うことはあっても、
彼が駄目だと思うはずがないんです。
実際に、栄口くんが三橋を駄目だと思うシーンはありません。

でも、三橋はここをちょっと曲げて解釈してしまったみたいです。
それでも、
自分が駄目だからチームが駄目になっている
→自分が大丈夫ならチームも大丈夫になる
と思い、気持ちを持ち直します。
三橋が、皆の気持ちを切り替えさせるために
「ワンナウトー!」と大声を出したところは
読んでて嬉しかったです!
おおおおお、と、内心で私も叫んでしまいました。
P270では、そんな三橋に目を見張った皆の顔が次々に出ますが、
ニッとわらって最初に「ワンナウトー!」って続いた田島のように
嬉しかったんだと思います。
特に花井は、キャプテンでもあるので
自分より先に皆に声を掛けられた三橋に驚いたのではないでしょうか。
巣山くん、水谷くん、栄口くんも、
「三橋……」って感じで呆然としていて、
その後、弾かれたように皆が大声を出しているのは
チームとして皆がよくまとまっているのを表わす良い描写だと思いました。
ここは、もう何度読んでも嬉しくなってしまいます。
最後、エースナンバーの1を付けた三橋の背中を読者に見せて、
彼の「オレがエースなんだ!」とモノローグを添えるのが
正統派な描かれ方で、とても好きです。
ここは、私も読者として彼の1番が見たかったので。
お約束と言われても、ここはこうであって嬉しかったです。



実際、滝井監督も評してますが、
変な空気で乱れていたチームが、三橋の一言で持ち直しましたよね。
沖くんがファールフライを捕ったのにも気合いが入ってましたし。
こうなったのは
和田くんにホームランを打たれたことで落ち込み、復活したという流れなので
仕方ないのですが、
そのホームランの前に皆の気持ちがこれぐらい高まっていたら、
試合の結果も違っていたかなと思わざるを得ません。
これが九回裏なのが、本当に惜しかったです。



そしていよいよ、岳志くんの打席というところで終わります。
「最後の打席」というのが、初読の時もそうでしたが
この先を読んでいる私にとってはイミシンに思えました。
彼はこの時から、自分なりに覚悟を決めていたのかな……。




今月は、ベスト3はありません。
P269〜P271の三橋のコマ全部です。
三橋かっこいいよ、凄いよ!
そして、こういうチームでエースとして投げられて、本当に良かった!

番外編としてP267の5コマ目の栄口くんを挙げておきます。
顔面蒼白になった彼が、三橋に「ごめん!」と謝るシーンです。
彼がここまで青ざめているのは珍しいので。





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感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

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続きの2008年3月号の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-06-18-2

宜しければ、合わせてどうぞ。


2008-06-18 18:34  nice!(0)  コメント(0) 
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