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アフタおお振り感想2008年1月号感想*ネタバレあり [おお振り:アフタヌーン感想]

月刊アフタヌーンで大人気連載中の野球漫画
「おおきく振りかぶって」の感想です。
今月号(2008年1月号)は勿論のこと、
単行本未収録分のネタバレがあります。
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画像はわざと劣化させてあります。


本誌感想はカテゴリでまとめてあります。
他の号の感想をご覧になる場合はこちらをどうぞ。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/archive/c338259-1


────

最初におことわりです。
感想を書くのをずっとサボっていた為、
現在の最新号2008年7月号まで、これを書く前に読んでいます。
(美丞大狭山戦の決着後です)
本誌は毎月必ず発売日に購入し、
サイトの日記では一言の感想を書いていますが、
http://himemaro.hp.infoseek.co.jp/
こちらで挙げていく感想は
書くに当たって再び読み返したものに対してですので
リアルタイムのものではないことをご了承下さい。



まずは、上記でも挙げました
サイトの日記での感想を転載します。
2007年11月24日(土)です。
関東での発売日当日です。


>修羅場中なのですが、どうにも我慢できないので
>アフタを買ってきました。
>今月号もどきどきしましたー。

>先月辺りから感じていたのですが
>一人当たりにかけるコマ数を少なくしている分、
>作品のテンポが上がったので、
>もう先が知りたくて知りたくてたまらない自分の気持ちと相まって
>パパパと読んでしまいました。

>はー……皆、良い顔をしてますね。
>打席に入った沖くんの回想には、ちょっと目頭が熱くなりました。
>西広くんの初座席は残念でしたが、順当だと思います。
>水谷も泉も……三橋も男ですね!
>三橋がバットを止めた時には、思わず息を呑んじゃいました。

>何点入れられるかって……あぁ、来月は気重です。





では、改めて順を追って感想を書いていきます。



田島への負けん気が課題だった前回の崎玉戦と違い、
今回はちょっと、かやの外に置かれた感じの花井です。

この美丞戦は、西浦だけで考えれば
なんといっても
阿部ー三橋のバッテリーと田島ー三橋のバッテリーに
重きが置かれていると思いますので、
どうしても崎玉戦で準主役だった(主役は勿論三橋)花井くんは
描写が少なくなっちゃいますよね。
個人的には、主役級の三橋・阿部・田島・花井を軸に
他の部員の描写やエピソードが絡むこの展開が、とても好きです。
ひぐち先生は、西浦の皆を本当に愛情深く描いてらっしゃると思います。

その花井が、ちゃんと打ってくれました! 良かった!
だって八回裏で三点差ですよ。
高校野球では、プロ野球と違って
一回の攻撃で五、六点入るのもざらにあります。
運やミス、試合の流れ……理由は様々です。
チームの士気を高める為にも、
最初のバッターとしてキャプテンが打てたのは大きいなぁと思いました。
田島にはまだまだ及ばない点はありますが
やる気と負けん気がまだまだたっぷりある分、
花井はたくさん伸びると思います!
(と、ひぐち先生が描いて下さると思います/笑)

こう考えると
キャプテンは本当に大変ですね。
小さな頃は、エースで四番打者でキャプテンで……というのが
憧れのヒーローでしたが
現実ではとんでもない話です。
その一つをこなすだけでも大変
──でも! 花井にはいつか四番になってほしい!
田島の怪我とかじゃなく、純粋に相手の攻略として
試合によって四番を二人から選べるようになれるといいなぁと思います。



で、その花井のヒットも嬉しかったんですが、
スタンドを煽る浜ちゃんの言葉も、読んでて嬉しかったなぁ。
こんな応援の言葉を掛けられたら、
自分がスタンドにいたら頑張って声を出しちゃいますよ。
応援しかできないけれど、
一緒に試合をやっている気分になれるとでも言うのでしょうか。
浜ちゃんは皆を的確にノセるのが上手いですよね!
それに、にしうらーぜの皆も嬉しいと思います。
浜ちゃんの面倒見の良さや、場を読む力、心遣い……が
応援団々長として素敵に生かされていると思います。
おお振りって、こういう些細な台詞や行動から
キャラの良さがとてもよく伝わってくるので、大好きです。

たとえば、友達に誘われて試合に見に来た女子生徒が
応援をぐいぐい引っ張る浜ちゃんに徐々に惹かれていく……とかも
漫画で特に描かれることは無いでしょうが
影で起こってるかなと思います。
あと、応援団に入りたいって志願する子も出そう。
かっこいいです、浜ちゃん!



次は、いつもは気弱な沖くん。
今回は、上記の日記の感想でも触れていますが
阿部が怪我をした時の回想がフラッシュバックしたみたいに入ってます。

今回の、きりっとした沖くんの顔を見て思ったことがあります。
沖くんの気弱さって、
やっぱり人に対しての優しさや真面目さが基盤じゃないかと思います。
だから、その優しさが他の形で出ると、
この打席のように表情が強いものに変わるのかなぁって。
勿論、沖くんは、心の中で阿部を本当に心配していて
悪送球をしてしまった自分を責めているのでしょうが
今はそれよりも、
バッターとしてしなければならない役割を果たした方が
良いですものね。

これは、沖くんや沖くんファンの方には失礼になるでしょうが、
沖くんってキャラとしてはあまり目立つ方ではないですし、
野球が特に上手くもないので、
良くも悪くも地味なキャラだと思うんです。
他が、癖のある子が多いので、
平凡さが魅力になるというか……。
だからこそ、そんな“普通”の彼が必死になってて
その努力がちゃんとヒットという形で結果に繋がって良かったです。

そして、ギリギリヒットになった次のコマで、
西浦チアの女の子が跳ねて喜んでるのもいいです!
こういう時、実は私も飛び跳ねて喜んじゃうので(笑)
心情はよーく分かります。
たかがヒット一本ですが、本当に嬉しいんですよ。
一瞬だけ、頭がからっぽになって清々しい気分になれます(笑)。



その次の西広くんは、もうしょうがないですね。
ここで変にヒットを打ったら嘘くさくなります。
だって、その前の打席で沖くんが
「……花井、こんな球よく打ったな」と言った球ですよ。
よほどの幸運がなければ、西広くんがヒットを打てるはずがないです。
これはこの後にも掛かりますが
ネクストで正座をしている三橋に
西広くんが通り抜けざまに「ごめんなぁ」って言うのがせつないです。
その後の表情も含めて、
彼が本当に申し訳なく思っているのが伝わってきます。
でも、自分を本当に駄目だと思った後の努力は
絶対に次に繋がりますよ。
高くジャンプするための屈伸だと思って、今後も頑張ってほしいです。



そして、西浦のペケ1・2(百枝談)の水谷&三橋コンビ。

水谷くんは、前の桐青戦の時もそうなんですが、
自分より格下の人間の頑張りを見ると奮起するタイプなんですね。

たとえば、花井や阿部、栄口なんかは
相手が誰であろうと、頑張っているのを見ると
「オレも頑張ろう」って思うタイプです。
花井は、田島と比較されて描かれる事が多いので
自分より凄いヤツが頑張って結果を出しているので、
劣っている自分も頑張らねば──という、負けん気さも出ています。

でも水谷くんは
もしかしたら相手が三橋限定なのかもしれませんが
自分よりも駄目な人が頑張ってるんだから
自分が何とかしなきゃっていう描写ですよね。
具体的に言うと、
三橋はピッチャーとして頑張っているけど
攻撃はあまりよくないから
ここは自分が頑張らないと──みたいな。
実は、先のネタバレも少し含みますが
彼が三橋を意識して自分を奮い立たせる描写は
美丞戦後に行なわれたミーティングでも再び出てきます。
(2008年7月号65P:今後の目標云々の場面です)

初心者の西広くん相手にも同様に思うかどうかは分かりませんが
このような描写から
水谷くんって、割とお兄ちゃん気質があるのかなと思いました。

そう、おお振りでは、
一番弱者とも言える三橋に対する接し方で
キャラクターの性格が見えるので、とても興味深いです。
同じ“兄”タイプでも、水谷くんは、
誰に対しても面倒見がいい浜ちゃんや
一番下だったからこそ兄みたく振るまいたい田島と
ちょっと違うのが、面白いです。

栄口くんも、ちょっと兄タイプですが
彼の場合はもう少し目線が下というか、
叶くんと一緒で友達要素が強いと思います。

阿部は、兄弟でも友達でもない気がします。
バッテリーを組んでいるせいもあって、
相手に対する必要度がお互いに高い感じです。
うまい言葉が見つからないですが……。



脱線しましたが、水谷くんの打席。
P114の最後のコマ──泉くんが熱い応援をしているのは常として、
彼と肩を並べて声を張り上げているのは西広くん……でいいのかな。
本当に西広くんだと仮定すると、
自分の不甲斐なさを痛感させられたばかりなので
応援の声が大きくなるのは当然だなぁと思いました。
水谷くんは、気合いが走塁&走塁後に表れていて素敵です。
彼は試合中と試合以外での落差が大き過ぎる(笑)。
いかにも現代っ子ぽくてかわいいです。
性格はどうであれ、野球好きには変わらないってことが
よく伝わってくるなと思いました。
私も彼が大好きです。



その後の三橋。
「投げるのと同時に振る」ということは、
ゼロコンマ何秒の世界でも、ボールを全く見ずに振るということになり、
その点での危うさがちゃんと描かれています。
あそこで三橋はよくスィングを止められましたよね。
勝ちへの執念だと思いました。

次の泉くん。
彼は今回も美人さんというか
気合いが入っている顔がとにかく格好良いので、
見ていて惚れ惚れします。
泉くんの打席は、一番打者ということもあって
球種に対する対策というか
こういう時のこのようなボールに対してキャラがどう思うかが
細かく描かれているので
読んでいると、打者の中では田島並みに面白いです。
(一番打者だから、相手投手に対する説明:
たとえばこの投手には癖があるとかボールに威力があるとか:
が含まれる分、
余計にそう思えるのかもしれません)
P128の2コマ目「よく選んだ!」の不敵そうな泉くんは
かっこいいですね。
水谷や三橋が頑張ったことが、嬉しくてたまらないんだろうな。
そして、彼らの熱意を受けて
「自分も頑張る」と奮起しているのが、これまた素敵です。



栄口くんは、
その前の打席で見せ場があったので
その分、仕方ないというか、
相手の意地を描く為の要素となっちゃってるのは
当然かなと思いました。
誤魔化しで出塁した(本来は打てない相手)のは
前回の打席でも描かれてましたしね。
西浦が好機を繋げて一点を返したけれど
相変わらずピンチなのは変わらない……という
読んで楽しいけれど辛い状況は同じという月でした。

「××にまで打順を回せば……」と西浦の皆が思い、
きっちりとその通りに打って、点を返していったのは
本当に良い展開だったと思います。
負けてる試合なのに、腐らず、
皆の気持ちが勝利に向かって一つになっているのが
読んでいてたまらないです。
そう、キャラの皆が本気で真面目に頑張っているから
この漫画は面白いんですよね。
その真面目さに、呂佳さんが大人のズルさで勝とうとしているから
私は彼が苦手なんだと思います。

だからこそ
滝井監督の最後の言葉は何度見ても嫌です(笑)。
一泡ふかせたいー。



そうそう、九回表になる時の円陣で、
最後の回になるかもしれない守りなのに
モモカンが後ろで見てるだけというのが印象に強く残りました。
モモカン自身も「頼もしいねェ」と言ってますが
ここで言わなきゃいけないことを花井が自ら言ってるので
彼女が出る必要がないんですよね。
モモカンも
キャプテンとしての花井の成長が嬉しくてたまらないって感じで
見ていて、
それを見ている私も嬉しくなっちゃいました。




では、今月のベスト3。

第三位:P137 2コマ目の泉
その目の、P135の最後のコマのきりっとした横顔と迷ったのですが
こちらで。
カッコかわいいし、
口の形で、彼が歯を食いしばってバットを全力で振ってるのが分かるので
好きな顔です。

第二位:P105 1コマ目の沖
私は、バットを構えたキャラがピッチャーを見据えているという図が
好きなので、
そういうコマを選びがちなのですが
今回は、いつも出番が少なめの彼が素敵な顔をしていたので
選びました。
顔の汗から、本気度が伺えます。

第一位:P118 最後のコマの水谷
状況(自分が打った結果)を確認した時の顔です。
まだ緊張が取れてないので、目を中心に顔が怖い感じですが
良い結果だと分かって、口元が軽く弛んでいます。
こういう時はこういう顔をするよなーって思った他、
この場面では読んでいる私もこういう顔をしていたと思います。


番外編:P112 最後のコマの西広
がっくりとしている背中を見ているだけで
現状や彼の心情がよく分かります。
せつない。
その西広くんに声を掛けてる三橋に
彼を責める気が全く見られないのが救いです。





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感想は以上です。
お読み下さり、ありがとうございました。

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続きの2008年2月号の感想も書きました。
http://himezakura.blog.so-net.ne.jp/2008-06-18-1

宜しければ、合わせてどうぞ。


2008-06-18 13:41  nice!(1)  コメント(0) 
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